今日の料理(こだわりがないのがこだわり)

フードリテラシーに沿いつつも、なるべく夢のある料理や飲食をジャンル・国境・時代・時間をボーダレスに越えて書いています。

パン屋さんのビゴの思い出と、いつもハマっているパン。

2018年10月18日 | グルメ
2018年9月17日、日本にフランスパンを拡めたフィリップ・ビゴさんが亡くなった。
ドンクで働いた後に、神戸に出店をし、東京にも出店、最近では渋谷ストリームでも販売をしていた事は驚いた矢先だった。

ビゴさんの事を調べると父親が好き嫌いを許さない生育環境で育ち、添加物が嫌いな人物という事が自分も共感を出来て、だから私はビゴのパンや味が好きなんだなぁ・・・って。
(名前も覚え易かったし)

まだプランタン銀座の頃からよく行っていたし、銀座でビゴさんにお会いして握手をして頂いた事もある。
グローブみたいな分厚い手でビビった・・・

自分がまだスコーンを食べた事が無い頃、最初に食べたのはビゴのスコーンだった。

それからスコーンにハマって、毎年何回かは作り続けてきた。
(なんだろう、スコーンはイギリスのものだけれどスコーンの素朴さとビゴの素朴さは、不思議なぐらい自分の中でイメージがマッチしたんだ)
ビゴのパンは(凝ったものでも)味が気取っていなくて、当たり前の事をキチンと続けられているという感じが、伝わってくる味。
味に凄く信頼感があるし(銀座のトゲトゲしくない味)、銀座という地域の『まあるい』味
・誰が食べても笑顔になれるような空気を吸い込んだ小麦から醸し出される味に、銀座の味が凝縮されている感じがしたんだ。
昔からの銀座の味が銀座ビゴには残っている気がする。

プランタン銀座がマロニエゲートの一部に変わってしまうとプランタン銀座で知った時、受付の人に「ビゴは、、、ビゴはどうなるのですか?」と訊いてしまった、「大丈夫です、ビゴはそのまま残ります」って優しく教えて下さった時は本当にホっとして「良かった・・・」とお礼を言った。

なんていうか銀座ビゴのパンって作り手が前面に出ていなくて、パンが優先されている感じの味なんだよな。
その気遣いが優しい感じというか。

当然、芦屋の神戸本店も行った・・・。
バゲットがシッカリとした生地で、気候や風土・水が違えば空気や湿度・風味も変わってくるし、好みも変わってくる。
(あれは暑い日だった)

そんな銀座ビゴで毎回買うパンが、ここ数年出来たのだが、それが「ペイサンフリュイ」というパン。

ハード系とお菓子系のパンの両方の良い所を掛け合わせ更に昇華させた様なパンで
ドライフルーツが苦手な自分がこれだけは美味しいと又わざわざ食べたくなるパンだ。
「ペイサンフリュイ」という名前が覚えられないので、中々いつも見付けづらかったが、やっと認識出来た。

周りのカリっとした部分が、口の中でビスケットを食べるような感覚でゆっくりと静か~にドライフルーツの風味と相まって自然に優しくなっていく。
噛んでもコシはあるのでやはりパンだと認識も出来るが、
なんだろう、ハード系の固いパンなのにパウンドケーキやブランーデーケーキ(←お酒ではない、もしかしたらドライフルーツが)を思わせるその絶妙のバランス感覚

これは味の解る大事な友達達に食べさせたいなぁ~って思った。

パン屋さんで惣菜パンを買うのもよいけれど、やはりクラシックなものからパンというジャンルや、その店の本質を探っていくとシンプルなモノほど、奥が深く解る事が多い気がする。

私にとって、そんな事をいつも改めて考え思うことが出来るのがビゴのパンなんだよなー。



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 簡単海鮮お好み焼き | トップ | 後片付けの少ないオムレツが... »
最新の画像もっと見る

グルメ」カテゴリの最新記事