社長つれづれ日記

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ついていけてません

2005年10月15日 | 経営研究会
 「あなたはよくお勉強をされていますが、社員さんはあなたのその考えにはついて行けてませんよ!」

 今でも忘れない、きつーい一言です。

 これは今から9年前、全国から200名ほど中小企業の経営者が集まり、4月から11月までの8ヶ月間行われた、日本創造教育研究所のTTコースという経営者の勉強会でのことでした。

 8ヶ月間がいよいよ終わろうという時、勉強会の集大成として、それまで学んだ組織論、心理学、哲学、行動科学等々の内容を整理し、それらを参考にしながら自社の経営方針を策定して90分間発表するという場面です。

 この言葉を発したのは、櫻井岳人さん(アミューズメント経営サポート代表取締役)です。

 経営発表は6人グループに分かれて、200人全員が発表します。この発表では、参加者は何日も時間をかけて準備してきます。資料もチャート用紙に20枚程度と数十ページのワープロ打ちの経営方針書を用意し、もちろん、90分間をきちんと発表できるよう、事前の発表練習もしてきます。そういう意味では、かなり力を入れて準備をしてきます。

 この櫻井岳人さんはその発表者たちに厳しいアドバイスをする役割の方でした。 

 私は例に漏れず、この経営発表にしっかり準備をして臨みました。いや、幾人かの社員さんの前で予行演習もして、社員さんのアドバイスを聞いて臨んだ内容のものでした。

 90分間発表が終わり、やっと終わったー、という安堵の気持ちがいっぱいの時、櫻井さんはこのきつーい言葉を発せられたのです。

 なんという冷たい言葉、「ほっといてくれー!」と心の中が叫びました。

 しかし、次の瞬間「まてよ、この発表、自己満足に終わっていないか」、という心の声が聞こえてきます。「いや、もっと社員さんの気持ちにたった発表でないと、社員さんは一緒に仕事をしようという気にならないのではないか」、という別の心の声も聞こえてきます。「ううーーん・・・、そうだ、櫻井さんの言うのも一理あるのではないか・・・・」。反省。

 それから9年間、櫻井さんとは良きおつきあいをしています。歯に衣着せぬ、思ったことをズバッと言う方ですが、人のことを親身で考えることができる大変尊敬できる方です。大阪の方ですが、ここ数年は会っていませんでした。久しぶりに、今日、マルブンの真鍋さんのところにきていましたので、一緒に食事をしました。

 久しぶり会って色々話が弾みました。その中にはマルブンの真鍋社長、ジョーコーポレーションの中岡副社長がいらっしゃいましたが、4人で色々経営談議に花を咲かせ、おいしい食事とお酒を飲むことができました。

 出張から帰って、すぐその足で皆さんと会いましたが、疲れも感じず、有意義な時間が過ごせました。良き仲間をもてて幸せです。

 明日は櫻井さんをホテルまで迎えに行き、我が社に立ち寄っていただいてから、空港まで送ることになっています。食事の最中、お世話になった思いから、お見送りの約束をしました。

 櫻井さんの一言は、あの時から以降、私の心に大切にとってあります。