9番 西福寺
正式名 桂光山敬信院
創設 蓮性和尚
宗派 浄土宗
本尊 阿弥陀如来
正伝永源院から花見小路に戻り、建仁寺の中を南に通り抜ける。京都の大きな寺院は境内が生活道路になっている事が多く、建仁寺も祇園から五条清水坂や六波羅辺りに抜けるには便利だ。
六道珍皇寺に立ち寄り、すぐ近くの西福寺を訪ねる。この辺りは京の葬送の地である鳥辺野の入り口に当たる為、昔からあの世とこの世の境目とされた。六道珍皇寺には有名な平安初期の公卿、「小野篁冥途通いの井戸」がある。その井戸を通じて地獄の閻魔大王にも仕えていたという。そして、西福寺当たりの辻が、まさにあの世との境目だ。轆轤町と言う町名が物語る。
西福寺の有名なのは、檀林皇后「九相図」である。なんと自らの死後の様子を絵に残させたものが残っている。嵯峨天皇の皇后である橘嘉智子(檀林皇后)は、絶世の美女との評判だったが仏教への帰依深く、諸行無常の教えを体現すべく「どのような美女も皮一つ隔てて血と肉の塊であり鳥や獣の餌となり腐乱し白骨化して土に還るのみ」と、自らの遺体を埋葬せず路傍に放置させて、その変化を絵にさせた。9段階の変化を「九相図」と言う。
以下がその9段階、ウキベディアより
1. 脹相(ちょうそう) - 死体が腐敗によるガスの発生で内部から膨張する。
2. 壊相(えそう) - 死体の腐乱が進み皮膚が破れ壊れはじめる。
3. 血塗相(けちずそう) - 死体の腐敗による損壊がさらに進み、溶解した脂肪・血液・体液が体外に滲みだす。
4. 膿爛相(のうらんそう) - 死体自体が腐敗により溶解する。
5. 青瘀相(しょうおそう) - 死体が青黒くなる。
6. 噉相(たんそう) - 死体に虫がわき、鳥獣に食い荒らされる。
7. 散相(さんそう) - 以上の結果、死体の部位が散乱する。
8. 骨相(こつそう) - 血肉や皮脂がなくなり骨だけになる。
9. 焼相(しょうそう) - 骨が焼かれ灰だけになる。
拝観はお盆の時など限定される。その時にその絵は掲げられる。ぞっとする事間違いない。周辺の霊気漂う雰囲気も合わせて味わいたい。
次は、法住寺へ