8番 正伝永源院
東山区大和大路通四条下がる小松町586
正式名 建仁寺塔頭
創設 正伝院
宗派 臨済宗
本尊
祇園花見小路を四条通から南下し建仁寺の西手前にあるのが正伝永源院。大勢の観光客で賑わう情緒あふれる通りから一筋西にひっそりと存在する。正伝院と言う寺と永源庵と言う寺の合併寺院である。何か、三井住友、三菱UFJが頭に浮かぶのは筆者だけか。
本堂の中心には、右に「正伝院」左に「永源庵」と扁額が並ぶ。永源庵は、南北朝時代の建仁寺第39世の無涯が創建し守護大名の細川頼有が深く帰依した。その為代々の細川氏との関係性は現代まで続く。正伝院の方が古く鎌倉時代に中国僧普覚禅師が創建した。長く荒廃していたのを織田有楽斎が再興し、隠居所と茶室「如庵」が建てられた。その後、明治時代の神仏分離令での廃仏毀釈の大混乱の中、正伝院に永源庵を寄せる形で両寺院は統合した。時の細川伯爵の計らいで寺名に永源庵を残す意向で正伝永源院と決まった。
因みに、その時の混乱の中で多くの寺宝が他所に流出した。国宝茶室「如庵」も現在のはレプリカである。それでも文化的遺物は多く、織田有楽斎像や細川頼有像始め狩野山楽の襖絵などは有名だ。
中でも必見は、細川護熙作の襖絵だ。平成25年に24面の大作が奉納された。第79代内閣総理大臣というより芸術家だったのだ。最初から芸術家で良かったのに・・・・。
因みに、庭も見事で心字池を中心に紅葉などの配置が絶妙だった。拝観は季節限定なので注意が必要だ。
次は、西福寺へ