アチャコちゃんの京都日誌

あちゃこが巡る京都の古刹巡礼

792 あちゃこの京都日誌  湯立神事(城南宮)

2021-01-20 19:23:03 | 日記

神事に熱湯を使うことは多い。

盟神探湯神事:うそ偽り正す 明日香・甘樫坐神社 /奈良 - 毎日新聞
盟神探湯を復元した様子

現代で言う熱湯消毒のようなもので、古代から熱い湯(海水など)は邪気を払うものという解釈があったようだ。熱湯を用いるということでは、盟神探湯が原型だ。盟神探湯(くかたち、くかだち、くがたち)は、古代日本で行われていた裁判方法のことで、ある人の是非・正邪を判断するための儀式である。探湯誓湯とも書く。熱湯に手を浸し嘘を言った者は火傷し、正しき者は何も起こらないというものだ。平安時代以前の話で、長く途絶えていたが室町幕府将軍義教が一時復活させた。市井の民衆の中では帰属していたのではないかと思われる。

その盟神探湯を源流にした神事の中でも、現在に至る重要神事の一つが湯立神楽である。煮えたぎった湯を空中に投げ上げることで世の中の邪気を払うのが基本形だが、巫女による神楽(舞)を奉納するなど前後に華やかな演出があったり、湯の中に酒や神米などを投入したりする。

最後は、湯を一般参加者にかけたりする。神事を行うのは必ず巫女で、その神秘的な美しさは見ものである。

その京都城南宮の湯立神楽に行って来た。今年最初の京都探索だ。蜜を避けて行動する。

なるほど、参加者は少なく屋外なので安心して見学した。

古来より伝わる釜に煮えたぎる湯。準備は万端だ。

まずは、扇の舞。剣の舞を披露される。いずれ劣らずの美形の少女たちのそろった舞。背丈もそろえて所作の細部にわたり統一された形式美の極致を見た。

クライマックスは、ベテラン?の巫女の湯立神事。釜の中に、米や酒などの捧げものを投入していく。

笹の葉をもって、煮えたぎる湯で世の中の邪気を払う。立ち上る湯気が凄まじい。

自らに熱湯を浴びるかのように天高く湯(熱湯)を振り上げる。熱くないのか?

最後は、我々も滴を頂く。コロナ退散が願いだ。

最後に、神事で使った「笹の葉」を下賜される。短冊には、「コロナ退散」と書かれてあった。