ロッポンギな夜

2006-03-04 23:48:50 | art
昼から「未来」発行所へ。
o崎とふたりで「春の作品批評会」の葉書の印刷と宛名シール貼りという地味な仕事。
サクサクと作業は進み、思っていたより早く終わってしまった。
しばらくネット環境が整った発行所のパソコンで遊んだあと六本木へ。

AXIS GALLERY ANNEXで行われている「Aランチ」展へゆく。
これがまた変わった美術展でありました。
会場へ入るとウエイターの格好をした女性がテーブルに案内してくれて、メニューを見せてくれるんです。見たいと思う作品を選ぶと、ウエイターさんがそれをしずしずと運んできてくれるの。
最初の作品が300円で、そのあとの追加オーダーは100円。

まずはもとみやかおるさんの蝸牛の金継ぎ作品をオーダー。
水槽ごと運ばれてきて、「この作品は暗幕のなかで御覧ください」と言われて赤い布(あとで聞いたがこれは中ザワ家のカーテンだったらしい)をすっぽり被せられ、ブラックライトに照らされた蝸牛を観察。蝸牛がとても元気で、ずっと観察していたい気持ちになるんだけれど、この状態ってかなりおかしい(まわりには別のテーブルもあって、おのおのがいろんな作品を見ている)。

そのあと八木良太さんの氷のレコードをオーダー。昔懐かしい卓上プレイヤーに、氷でできたレコードが置かれ、針を落とすと音楽が流れる。氷だからどんどん溶けていってしまうし、針の進みもスムーズじゃなかったりと、なんとも儚い作品だった。
あとはO JUNさんの「紫苑」という石川淳の小説に挿絵を描いたものとか、成清美朝さんの蟻で描かれた絵とか誰か忘れたけど樹脂でできた盆栽みたいのとかをチョイスして見る。

なかなか面白い企画だなあとは思ったけれど、O JUNさんの作品なんかは小説を全部読んでいるとものすごく時間がかかる(読んだけど)。基本的にはどんなに長くひとつの作品を見ていてもいい感じだったけど、オブジェみたいなものだと見ている時間はそんなに長くしようがない。メニューを見ただけではどんなものが出てくるかわからないので、オーダーしてちょっと期待はずれだったりすることも。ひとつひとつが出てくるまでに結構時間がかかるので、高級レストランな雰囲気もあるのだけど、ウエイター役がどうにもバイトっぽくて、学園祭の模擬店にいるような感覚というのがいかがなものかという印象もあったり。

まあでも結構楽しんで、そこで偶然会ったt石さんと少し話して、「ではまたのちほど」と別れる。

近くの「PRONT」でビール飲みながら本読んで1時間ほど時間をつぶし、今度は「TRAUMARIS」という店へ。ここがなかなか見つからなくて、芋洗い坂を三往復する。番地的にはここだよなあ、と思った瞬間に店のドアが開いてもとみやさんと遭遇。よかった(看板のない店にたどりつくのは至難の業です)。

「Aランチ」関連イベントのもとみやかおる「必殺金継ぎショー(?)」と古川弓子さんの「春のお読味会」に参加。
もとみやさんが、店内の床や壁のひび割れに金継ぎを施していくのを眺めたり、古川さんの選んだ小説や詩句の書かれた紙切れの入った小さなボトルをお酒に浮かべたりしながら、ただ飲んでいるだけのイベント(ブラボー)。
わたしは金継ぎを施された亀が逃げ出さないように見張り番のような役割で、ミウラエリコという名のその亀と交流をはかっておりました(亀はなかなかなつかない)。

そのうちNザワさんやt石さんも来て、「Aランチ」のキュレーターさんもまじえて歓談。
赤ワインをさんざん飲んで、11時半頃店を出て帰る。

「Aランチ」は10日までやってますので、ご興味のある方はどうぞ。
http://www.a-lunch.com