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カメラとともに自然を友に

東京都、川崎市などを中心にロードバイクで撮影に出かけています。被写体は自然全般。特に野鳥と植物に惹かれています。

茅ケ崎市美術館へ

2018-10-16 | 美術
 茅ケ崎市美術館に「小原古邨展」を観に出かけた。美術館目的で出かけたものとしては、鎌倉の県立近代美術館を抜いてこれまでで最も遠方まで出かけたことになる。もっとも東海道線は快速だから距離のわりには短時間で着いた。
 茅ケ崎駅から少し歩くと静かな住宅街になって、その一角に美術館は建っていた。
 
 小原古邨という名前はまったく知らなかったが、日曜美術館を見てその名前を知った。花鳥画の画家として版画のための下絵を描いた明治生まれの人である。
繊細な画風で特に鳥や動物などの生き物を生き生きと描写することにおいて特に秀でていると感じた。
 
 
 ユーモアを感じさせる絵も少なからずある。
 
 鳥は実物とは違うところが結構あるのだが、明治という時代だからやむを得ないと考えるべきだろう。
下の絵はシジュウカラということなのだが、あまりシジュウカラらしくない。
 
 版画のため大きな作品は見られなかったが、もっと大きな肉筆画の作品があるのであれば見てみたいものだと思った。
 美術館は高砂緑地という庭園の中にあり美術館を出た後散策した。
 

藤田嗣治展

2018-09-16 | 美術
 藤田嗣治展を観てきた。没後50年を記念したものでこれまでで最大規模の展示だという。
 
 創作初期から晩年まで網羅的に展示されていて全体像が見えてくる内容だった。見てすぐに気づくことは作風が次々と変化していることと評価を得て名を成した後も作風が変化していることで、とても同じ作者によるものとは思えないほどである。晩年になっても新たにフレスコ画に挑むなど画家魂の塊のような人だったのだと思う。
 藤田の絵の特徴としてひとつ気づいたのは画面に遠近感や立体感が乏しく平面的に描かれている作品が多いと感じられたことである。別に貶して言っているのではなくて、やはり日本画の要素が入っているのだなと思ったのだ。
 パンフレットにも使われている「私の夢」という作品では動物の描写が細密画のように描かれていて裸体像の描き方とは好対照。彼の絵には猫がよく登場するが、他の動物にも関心を持っていたようで動いているポーズの描き方も巧みだ。
 会場は混んではいたが、鑑賞に支障があるほどではなく東京ではこの程度の混雑は普通のこととして受け止めている。しばらくはこれだけの展示はないだろうから観に出かけてよかった。
 美術館前に置かれた作品。
 

静嘉堂文庫美術館

2018-05-28 | 美術
 
 静嘉堂文庫美術館で開催中の酒器の展示を見てきた。柿右衛門の大きな徳利(重文)は美しかったが、これに一杯酒を満たしたらさぞ重いだろうと思った。
 庭の一隅にグミがたくさん成っていた。自転車で急坂を登って行ったのでいくつか口に入れると甘くておいしかった。
 
 
 冬に行ったときにはエナガの群れがいたのでエナガの幼鳥がいるかもしれないと、見終わってから敷地内を歩くとエナガが木のてっぺんを飛んでいるのが見えたが、20メールほどの高さだったのですぐに見失ってしまい幼鳥かどうかはわからなかった。

すみだ北斎美術館

2018-04-27 | 美術
 2016年に開館したすみだ北斎美術館に初めてでかけました。
 建物はなんともユニークな現代的な造りになっていました。外国人観光客のグループが外で引率者の説明を受けている様子。この後、館内でこのグループの近くで見ているとフランス語が聞こえてきましたが、このグループ以外にも外国人の姿が多かったです。
 
 
 北斎の絵には有名な「神奈川沖浪裏」や多くの滝の絵など、水の表情を巧みに描いたものが多いですが、企画展はその水をテーマとしたもので「北斎のウォーターワールド」という展示。精緻かつダイナミズム漲る画風で目をひきます。
 企画展は撮影できませんでしたが、常設展示は一部を除き撮影可。常設展示室にはタッチパネル式の作品解説があって工夫がなされています。
 
 ダイナミックな虎図。近距離用の眼鏡を持ってゆくのを忘れたため、一部の作品はよく見えず情けない思い。
 
 展示室は3階と4階にあり螺旋階段でも繋がっています。
 
 美術館の前は公園になっています。
 

「タイ展」

2017-08-19 | 美術
 東博で開催中の「タイ展」を観てきた。今年は日タイ修好130年なのだそうで、それを記念したもの。平日で雨だったためかそれほどの混雑ではなかったので、ゆったりとした気持ちで観ることができた。展示点数も多いし中身の濃い内容で見応えのあるものだった。
 もっとも惹かれたのは「ナーガ上の仏陀座像」で12世紀末から13世紀に造られたという。座っている台座の部分に鱗のような模様があるので、これは蛇では、と思いよく見ると仏陀の頭上にはコブラのような蛇が7つもの鎌首をもたげていて、まさにそのとおりでした。ナーガというのは蛇の神様。全体の造形といい仏陀の顔立ちといい実に魅力的でした。
 大仏殿・ワット・スタットの扉は高さが5,6メートルという大きなもので、これだけが撮影OKとなっていたので撮ってきました。
 
 サルやシカ、イノシシなどさまざまな動物が彫りこまれています。
 
 館内には三好和義氏撮影のタイの写真が。
 
 「タイ展」の後、20分ほど常設展を観ていると閉館の放送が流れたので外に出るとまだ小雨が降り続いていました。閉館時間は17時でしたが、外国人観光客もたくさん来ていたことを考慮するともう少し開館時間を延ばす必要があるのではないかと思う。サルスベリ咲く表慶館。
 
 ところで一昨日は、ニホンカワウソ発見か、というニュースが流れて、びっくりすると同時になんともうれしく感じたが、それに続くコメントで韓国から泳いで渡ってきたのかもしれないと聞き、ちょっとがっかり。対馬にいたのであれば長い間見つからないはずはなく、残念ながらユーラシアカワウソの可能性の方が高いかもしれない。もっと早く対策をとってなんとか絶滅を防げなかったものかという思いが強いが、まだ自然保護の思想が広まっていなかった時代の犠牲者となってしまった。しかし、かりにユーラシアカワウソだったとしても自然に海を越えて渡ってきたのであれば、定着できるように保護することが必要だろうと考える。

アルチンボルド展

2017-08-06 | 美術
 一昨日は国立西洋美術館に「アルチンボルド展」を観に行ってきた。それほどの混雑はなく落ち着いて観ることができたし、絵との距離も比較的近かったので細かなところまで見ることができた。
 今回はアルチンボルドの代表作である「四季」と「4大元素」がすべて見られるというまたとないチャンスである。このような展示は今後数十年間は実現しないのではないか。このうちの2点は7,8年前にウィーンの美術史美術館で見たが、他の作品は初めて観るものが多い。「春」は過去に日本にきたときに観たように思うが記憶が定かではない。
 今回この8点を見るとやはり「春」にもっとも惹かれた。花の描写もさることながら草の葉の描写の緻密なことに舌を巻く。絵葉書を買おうと思ったが、印刷悪くてとても原画の雰囲気を伝えていないので別の作品を選んだ。解説もわかりやすくて描かれた背景についても知ることができた。
 これ以外にも「馬上試合の装飾デザイン集」も楽しめたし、レオナルド・ダ・ヴィンチの素描も観ることができる。リゴッツィの細密画「オオバン」、「ハチクマ」は羽毛のひとつひとつの筋まで描くという驚異的な描写。他に蝶の細密画もあって自然好きにはより楽しい展示だった。
 常設展もさっと見て歩いた。現代絵画のフロアを上から撮影。
 
 美術館を出てハスの花を見ようと不忍池に行ったが、16時を過ぎていたので散っているか蕾の花がほとんどで写真にならなかった。
 

「バベルの塔」展

2017-06-02 | 美術
 東京都美術館に「バベルの塔」展を観に行ってきた。思ったほどの混雑ではなかったので比較的落ち着いて観ることができた。
 ブリューゲルは「バベルの塔」を2点残しているが、今回やってきたのは後年に描かれたもので先に描かれた方はウィーンの美術史美術館にあって、これは以前にウィーンに行ったときに観ているので、ぜひとももう一枚の方も観たかった。それに今回はボスの油絵も2点来ていてこれらの絵は今回を逃せばもう私の存命中には日本にやってくることはないだろうというようなものばかりである。
 版画作品もたくさんあったが、ブリューゲルの版画にはブリューゲルではお馴染みの怪物たちが登場して興味をそそる。
 残念だったのは「バベルの塔」ではあまり近くでは観られなかった上に少し長く立ち止まっていると監視員から移動するように急かされるので落ち着いて観られない雰囲気。それほどひどい混雑ではなかったから、余計なお世話という感じがした。ルーヴル美術館の「モナ・リザ」などはるかに混雑していてもこんなアナウンスはなかった。
 細密に描かれている作品が多かったので、双眼鏡を用意していったのは正解で大いに役に立ったが、2メートル以上離れないとフォーカスが合わないのが難点。使ったのはペンタックスの8×25のタンクローという愛称の機種だが、最近は50cmまでフォーカスが合うものが出ている。それにしてもこれで見ると「バベルの塔」がいかに細密に描かれているかがよくわかる。自宅に帰ってから画集でじっくり見ようとしたところ、私の持っているブリューゲルの画集にはウィーンの「バベルの塔」しか載っていなかった。
 写真はガラスに描かれたブリューゲルの怪物たち。
 
 国際子ども図書館に行く途中にあったオブジェ。以前にはなかったが、他にも数点。
 
 国際子ども図書館は以前行ったときは改修工事中で入館できず、初めて中に入ることができた。外観もさることながら、内部もクラシックな感じで素敵でした。
 階段室。
 
 ホール。
 
 児童書だけでなく上野関連の書籍など一般向けのものもあって、少し時間をとってまた来たいと思いました。

東京国立博物館

2016-05-24 | 美術
 先日東京都美術館に若冲展を観にでかけましたが、大変な行列で観るのを諦め出直してこようと思いました。行った日は無料開館日にちょうど当たってしまい、そのためかと思いましたが帰宅後調べたところ連日入館までに2時間待ちが普通のようです。これでは入館したとしても落ち着いて観る状況ではないと判断し断念。諸事情であまり長い期間の設定ができなかったのかもしれませんが、展示期間が短いのでこのようなことになったのではないかと思います。
 この日は東博や科博も常設展は無料なので代わりにまずは東博へ。最初に東洋館に入りました。
 これは新収蔵品の一つ。以前にTVで見たことがありますが人形芝居に使われるもので、バリ島?の物。メモしなかったので場所は不確かです。
 
 イラクのヤギ型の酒器。見事な造形感覚です。
 
 日本館では大好きな江戸の絵師酒井抱一の絵巻物が展示されていました。
 
 虎をテーマとした展示も開催されていて、こちらはインドの大きな布に描かれたトラや象さん。
 


ボッティチェリ展

2016-03-26 | 美術
 昨日は東京都美術館へ「ボッティチェリ展」を観に行ってきました。展示期間の終わりに近づいているのでもっと混んでいるかと思っていましたが、それほどの混雑でなかったのは幸いでした。今回の展示の目玉となっている「書物の聖母」も少し待っていると最前列で観ることができたのでじっくりと鑑賞できましたが、やはりこの作品は別格の素晴らしさ。他の「東方三博士の礼拝」や「バラ園の聖母」もよかったですが、「書物の聖母」は特別の輝きを放っていました。
 「書物の聖母」が印刷されたポスター。
 
 上野公園では芸大生が作ったオブジェが展示されていました。全長5メートル近い牛車とサンショウウオ。なかなかの迫力。
 
 
 西洋美術館の常設展示が無料で入れる歳になったので入館。大半はすでに観ている作品ですが、2015年度に購入された新収蔵作品が数点あったので、これを中心に観てきました。
 

静嘉堂文庫美術館

2015-11-24 | 美術
 世田谷区岡本にある静嘉堂文庫美術館で「金と銀の系譜」展が開催中なので出かけました。その前に傳乗寺に寄って五重塔を見ましたが、まだイチョウの木は黄葉しておらず、まだ真っ青。自宅近くのイチョウは真っ黄色になっている木もあるのですが、随分違うものです。それでも手前にある柿や桜の木が紅葉していたので、秋らしさがでました。
 
 「金と銀の系譜」展は「琳派」展と言ってもよいような内容で、今年は琳派誕生から400年を迎える年ということから各美術館で琳派にまつわる展示がされていますが、その中のひとつです。今回の目玉は宗達の「源氏物語関谷・澪標図屏風」が展示されることで、傷んだ部分の修復を行っての10年ぶりの展示となるのだそうです。
 写真は美術館の中から庭園を撮影。
 
 静嘉堂文庫の前は砧公園に行く際に通る道なのでよく通っていますが、美術館にはまだ入ったことがありませんでした。展示室に入って迎えてくれるのは、伝 尾形光琳の「鶴鹿図屏風」という豪華なお出迎えで、気持ちが昂ります。展示スペースの都合か折らずに平面的に展示されていましたが、できれば折った状態で見たいところでした。
「源氏物語関谷・澪標図屏風」は、やはり一番注目を集めていて常に人が取り囲んでいるような状態。六曲一双の大作なので離れて全体を見たいところですが、なかなかそれが叶いませんでした。
 抱一では「波図屏風」という六曲一双の大作の展示。こちらは宗達ほどの人は集めず、全景を見ることができましたが、そうして見ると近くで見ていたのではわからない画面の構成力や迫力が伝わってきました。抱一というと繊細・緻密・風雅という言葉が浮かんできますが、それとは別の一面が現れています。抱一では「絵手鑑」という画帖も展示されていましたが、「描けないものなど何一つない」とでも言っているかのような力量を見せています。
 小さな美術館なので展示点数は多くないですが、粒ぞろいの展示で満足感たっぷり。
 私が行った日は、館長の河合元昭氏による講演があったのでそれも聞きましたが、講演が始まるまでの待ち時間に庭園を散策。するとすぐにエナガの群れに出会いました。
 講演は講師の話術が巧みなので退屈することなく引き込まれました。講演が終わり帰る際にJ・コンドルが設計したという静嘉堂文庫(1924年竣工)を撮影。