多摩川

　最も身近なフィールドである多摩川にでかけた。いつもの丸子橋上流の観察ポイントに行くと釣り人がいないためかコガモがこちら側の岸辺に来て羽を休めていた。50羽ほどはいたと思うが、シーズン初めに見たトモエガモが群れの中に混じっていないかと丹念に探してみたが、やはりいないようだった。
　
　ふと気づくと河川敷に見慣れない動物が。真昼間だというのにタヌキだった。撮影した画像を見ると疥癬に侵されて、体表面の1/3ほどは毛が失われていて痛々しい姿だった。この寒空の下生き延びられるだろうか。
　
　いつもは行かない丸子橋の下流側まで足を延ばしたところ、中洲にヨシガモとアメリカヒドリが1羽ずついるようだったが、川崎側からは砂利が邪魔をして体の一部しか見えなかったので、橋を渡って東京側から見ることにした。東京側からは全身が見えてヨシガモとアメリカヒドリに間違いないことがわかったものの強い逆光のため撮った写真は鮮明なものにはならなかった。ヨシガモを丸子橋周辺で見たことは近年なかったように思うが、丸子橋の下流側にはあまり行くことがなかったから、これまでも来ていたのかもしれない。
　今日は川崎でも今冬初めての雪らしい雪となったが、2,3㎝積もったところで雨に変わって溶け始めた。交通機関の乱れも解消に向かうことだろう。

三ツ池公園

　三ツ池公園のヨシガモが姿が見えず、いつものメンバーのみとなっていた。杭に上がったカモたちの後ろ姿というのも撮っておこうとホシハジロを撮影。
　
　続いてハシビロガモもとカメラを向けたが、撮る前に向きを変えてしまい横向きになってしまった。
　
　冬鳥はシメが見られた他はツグミの声を聞いたのみと寂しい限り。昨シーズンまでにジョウビタキやアオジが見られた場所もチェックしているのだが、さっぱり姿が見えない。
　いつもならアカハラやシロハラ、アオジがいる場所にいたのは餌を探すキジバトのみだった。
　

多摩川台公園

　多摩川台公園にでかけたが、相変わらずの冬鳥の少なさでシメを見たのみ。留鳥も少なくエナガのペアには出会ったが、樹上はるかで撮ることは諦めた。結局シジュウカラを数コマ撮影しての帰宅となった。
　

洗足池公園

　洗足池公園ではウグイスも人間への警戒心が薄いようで、かなりの近距離で藪の中から姿を現した。写真のようにウグイスはいわゆるうぐいす色はしていなくて、くすんだオリーブ色をしている。
　
　メジロもすぐ近くで採餌中。こちらはうぐいす餅のような色合い。
　
　冬鳥は少なく留鳥も多かったわけではないが、写真はそこそこ撮ることができ、いつものように洗足池図書館で一休みしてから帰宅した。

洗足池公園

　久しぶりに洗足池公園へ。この公園ではあまり珍しい鳥は期待できないが、それにしても確認した冬鳥はシロハラのみで、例年なら普通に見られるはずのアオジもツグミやジョウビタキもいなかった。今冬の冬鳥の不作を確認したかたち。
　カモも珍しいものはもちろん見られなかったが、常連さんたちは来ている。オナガガモの雌は地味ではあるが、斜光が当たって光がよかったので撮影した。
　
　シジュウカラが水辺に降りて水浴びを始めた。何度かパタパタするともうおしまい。あっという間に飛び去って行った。
　

多摩川台公園

　エナガと素晴しい時間が過ごせたので再度多摩川台公園に足を向けたが、エナガには3回遭遇したものの今度は樹上はるか彼方で撮影はできなかった。冬鳥はシメ、ツグミ、シロハラの3種を確認したが撮影のチャンスはなし。撮れたのは恐らく前回と同じ個体と思われるハクセキレイで、こちらがじっと撮っていると足元までやってきた。
　地面にはハクセキレイの足の影がくっきり。
　
　

多摩川台公園

　エナガとたっぷり遊んで楽しめた日は、なぜか他の鳥たちも大接近してきて、下のコゲラも4,5メートルという近くまでやってきた。コゲラはエナガと違ってこちらから近づいてゆくと逃げるが、こちらが動かずにいると向うから近づいてくることが時々あるが、その好例だった。
　
　ハクセキレイは採餌をしながらとことこと私の方に向かって歩いてきたので、撮影を続けていると、とうとう2メートル程の距離までやってきてからやっと気が付いたらしく、パッと飛び立って離れたが、それでも4メートル程しか離れずにそのまま採餌を続けていた。
　
　さらにはツグミも頭上4メートル程の枝に止まり、撮ることもできたが、近すぎて全身が画面に収まりきらないほどだった。もちろんこんな経験は初めてで、私と鳥とのバリアーがなくなったように感じた一日だった。

多摩川台公園

　エナガの群れに2回遭遇し、群れの移動を追いながら長い時間にわたって撮影することができた。間違いなくエナガの撮影としてはこれまでで最長の撮影時間だった。たくさんのエナガたちに囲まれて仲間に加えてもらったような感覚で撮っていると、小さな体にも関わらず生命力の逞しさを実感して、かえって人間の方がひ弱な存在なのではないかとさえ思えてくる。人を怖がらないエナガだから3,4メートルの距離まで近づいてくるものもあって間近で表情を見ることもできたが、急に近くにくると慌ててしまってピントを外した写真になってしまった。
　
　
　群れとは別にペアで行動しているエナガにも会って、この日はエナガ三昧の至福の時間を過ごした。

東高根森林公園

　近場の公園としては広く自然度も比較的高い東高根森林公園にでかけた。歩き始めると間もなく上空を通過してゆくタカを見たが、距離がかなりあった上に双眼鏡を構える間もなく視界から消えたので種類はわからなかった。大きさからツミかハイタカだと思われた。
　ここは自然度が高いので期待したのだが、全体として鳥の姿は極めて少なく不気味なほどに静まりかえっていた。冬鳥はシロハラとアオジのみしか現れず、帰ろうとする頃にルリビタキが現れてなんとか3種となった。ルリビタキは撮るには撮ったが、遠かった上に葦原にいたので、葉がうるさく絵にならなかった。
　この日は久しぶりにペンタックスの50㎜Ｆ4マクロを持って行ったので、これを使って少し撮った。このレンズはもう30年以上前に手に入れたものだが、フィルムカメラの時代もあまり使用せず、デジタルになってからはますます使わなくなったので、いくらも使っていない。Ｋ5に装着して使う場合はマニュアル露出のみでしか使えない上に絞込み測光になるから、40年以上前につかっていたペンタックスＳＰと同じ操作性になる。フィルムカメラの時代にあまり使わなかったのは、画角が広すぎる感じがしたからだが、Ｋ5で使う場合は約77㎜相当の画角になるから被写体によっては程よい画角になると思い、久しぶりに持ち出したという訳である。
　下の写真の場合は、90㎜や100㎜のマクロでは引きが足りなくて写せない場面で50㎜レンズだからこそ撮れた。
　
　モノクロでも撮ってみたが、ピントは鋭く40年以上前のレンズでもまったく写りに問題はない。ただ、他のレンズを使う場合は、露出モードをマニュアルからオートに戻さないととんでもないことになるので注意が必要だ。
　

多摩川台公園と田園調布せせらぎ公園

　公園に着いてしばらくは鳥の方はさっぱりだったが、しばらくしてやっとエナガのペアに出会い、その後、間を置いて今度は10羽ほどの群れに遭遇したが、いずれも高い場所から降りてこなかったので距離が遠く満足に写真は撮れなかった。続いて田園調布せせらぎ公園に行くとエナガのペアが現れた。こちらでは低い位置に降りてくることもあったので、撮影できたが、日が当たっていなかったので暗くて撮影条件としてはよくなかった。暗いためにピント合わせも難しかったが、なんとかピントの合ったものもあった。
　
　どちらの公園も冬鳥のみならず留鳥も少なくて静まりかえっていた。