わくわく CINEMA PARADISE 映画評論家・高澤瑛一のシネマ・エッセイ

半世紀余りの映画体験をふまえて、映画の新作や名作について硬派のエッセイをお届けいたします。

「バスティン・ダウン・ザ・ドア」とは?

2009-07-26 13:31:46 | 映画の最新情報(新作紹介 他)

Img130_2 なぜか、縁もないのに、サーフィンのドキュメンタリー映画を見てしまいました。タイトルは「バスティン・ダウン・ザ・ドア BUSTIN’ DOWN THE DOOR」(8月1日公開)。キャッチフレーズの「1975年、たった6人の若者が世界の波を変えた」とか、資料に書いてあった「彼らの目的は、誰も成し得なかった先進的なアプローチで、サーフィン界に革命を起こすこと」というフレーズに惹かれたのだ。サーフィンの世界にまったく無知なので、このスポーツに「変える」とか「革命を起こす」とか、あり得るの?と思ったのです。
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 舞台はハワイ・オアフ島のノースショア。1974年、ここに夢を追い求めて、南アフリカとオーストラリアから6人の若者がやってくる。彼らの目的は、サーフィン界に革命を起こすこと。だが、彼らの派手な言動が、ハワイアン自警集団「ブラックショーツ」との間に抗争を巻き起こすことになる。30年間以上、公にされず、タブーとされていた出来事だそうだ。映画は、事件を追いながら、「Free Ride」など70年代サーフ・ムービーの名作のフィルムを使用、大迫力のライディングシーンを紹介。ギャングやドラッグ、ヒッピーにサーファーらが横行する無法地帯的な空間での抗争事件が衝撃的だ。加えて、ショーン・トムソン、マーク・リチャーズ、ウェイン・ラビット・バーソロミューら、伝説のプロサーファーが繰り広げるアクロバット的なライディングシーンには、素人ながら驚嘆する。
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 製作総指揮と脚本にはショーン・トムソンが参加。監督は、「Last Ride」(01年)で長編デビューしたアメリカ出身のジェレミー・ゴッシュ。映画のタイトルは、バーソロミューがオーストラリアの雑誌に書いたコラムの題名で、「ドアをぶち破れ!」という意味だそうで、「ハワイはノックせずにぶち破れ」というメッセージがこめられているとか。1970年代は、世界中で若者たちが旧体制に対して立ち上がった時代だったけど、サーフィンの世界にも、同じような現象が起こったみたいだ。それにしても、この作品を上映した試写室で、サーファーもどきの若い男がカノジョ連れでやってきて、上映中、目の前で、いちゃつきっぱなしだったのにはマイッタなあ。試写室を、ビーチとまちがえるんじゃねえよ!

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優雅な海王丸(7月20日・横浜港で)


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