昼下がりのコーヒー豆のあくび アーリーアフタヌーンコーヒー日記

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コーヒー豆屋のちょっとだけゆっくり流れる時間

はやりうた

2024-06-16 08:26:36 | 日記
「そのうち、演歌が流行るかもしれないね」とお客様。シルクロードを抑えられ海路に活路を見出したポルトガルの話から、彼らの民族音楽とも言える「ファド」、ボーカルとギター、ヴィオラによる哀歌(エレジー)についてへ。

階層化された社会での底辺の歌。けれどハナからそこで足搔くブルースやロックンロールとは異なり、過去に栄光を掴み、されど転落し辿り着いた着いた者達の歌。海洋帝国として君臨した過去と凋落した現在、郷愁と自己嘲笑、秘めたる誇りと惨めさ、忸怩たる思い。

墜ちて尚矜持を捨てられず、貧しくとも尚紳士淑女で有らんとする滑稽さ、それをどこかで自覚している哀しさ。
・・・日本の演歌に似ているとか。

平成、令和育ちの方は、高度経済成長期も「24時間戦えますか」時代もご存じないでしょうから、そもそも日本凋落の実感が無いんじゃないですかと問えば、いやいや、例えば若さを是、老いを否と捉えている現代においては、誰もが「凋落者」だよと。

なるほどね。

余力(細胞分裂回数等空間的や可能性≒複素数的時間的)も含め全てはスカラー的で、単に何かが何かに変化しただけで総体は常に変わらないと考えるボクにとっては、演歌は「そういう物語」に浸りたい気分の時に聴く、若しくは歌うもんですから流行歌にはならないんですが、現在日本の、いやもしかしたら世界の場としてさえ「凋落」が作用するのであれば、演歌的な何かが流行ることもあるかもしれないと。

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