E表現研究所の「Eから始まる」

E表現研究所所員の、E生活やE活動を自由に語り合うサロンです。

映画「モリエール」を観ました

2010-05-30 21:21:21 | 映画宝話

フランスの劇作家モリエールの自伝です。
イギリスのシェークスピアと並ぶと言われています。
コメディフランセーズという国立劇場の基礎になったそうです。

この物語は、純粋な演劇青年が、売れない劇団のための資金稼ぎとして、ある金持ち商人に雇われます。
その商人の恋の策略のために演技の指導をし、筋書きを作るのです。
そのときにモリエール本人も恋に落ちるのですが、何かを成し遂げるために演技をつけて、うまくやろうとするところが滑稽でもあり、切なく悲しいものであったりします。

考えてみたら、劇作家や俳優は舞台の上で演じますが、日常でも私たちは、いろんな場面で、その時に応じて演技をしたり、うまくやろうと立ち回ったりします。

人は自分自身が人生の主役とも言います。滑稽であったり、切なかったりするのは、観ながら、自分の生活の中にも潜んでいると感じたからだと思いました。

このモリエールは、喜劇をやって売れるようになりますが、元々は悲劇をやって魂の叫びを表現したいと望んでいました。
ところが、ある女性に言われるのです。
「喜劇にも、悲劇の側面がある」と。

ただ笑えて面白い作品というわけではなく、笑いながらも、ホロっとしてしまう、そういうところに共感が持て、自分の人生に重なるのだと思います。

副題は「恋こそ喜劇」
人は恋すると、ちょっとおかしなことを、大真面目にやってしまう、そんな面白さも見所です。
後に、それを脚本に書き、発表して、売れるようになるのですが。


             (M.H