彼岸会

2006年09月24日 | Weblog
 23日は秋のお彼岸。わが遠妙寺にも大勢の参詣がありました。
 彼岸会にお参りするのは、まず私たちのご先祖に対する回向供養です。つまり私たちが朝早く起きて交通費をかけてお寺にお参りし、お塔婆をあげ、おさい銭をあげたり、お米をお供えして、御題目をお唱えし、お焼香させていただく。これは素晴らしい功徳(くどく)となり、功績を挙げたことになります。その功徳をご先祖にお回しくださいと願うのが「回向」(えこう)です。
 同時にこの彼岸会にお参りするということは、私たちをふだんの馴れきった日常の世界から真実が見える非日常の世界にいざなう絶好の機会となります。
 皆、ふだんは仕事に明け暮れ朝から晩まで自分と自分の家族のため必死に働いているけれど、私たちが今日、こうしていられるのも、幸せでやっていられるのも、何とかやっていけるのも、先祖あってのことです。中には病気の方もありますが、いま健康でも、何年か、何十年か経てば先祖の方々と同じように寿命が終わり、騒々しいこの娑婆世界を離れて土に帰っていく。それはお金があってもなくても、地位があってもなくても同じで、秦の始皇帝のように、どれほどこの世の栄華を極めても平等に死はやってきます。しかも箸一本あの世に持っていけない。こうして拝んでいると何と人間とは限りある存在なのかということに思い至る。それを実感として感じる、そして仮りそめの生き方から、この世の無常という真実を見極めつつ生きていくことを意識する。それが彼岸会にお参りさせていただく意味の一つではないでしょうか。
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