社会起業家とボサツ

2008年05月27日 | Weblog
社会起業家と翻訳されるソーシャル-アントレプレナーについて、一昨日はNHKのBS放送で特集があり、昨日も他の民放チャンネルのニュース番組で取りあげられていました。
有名なのは、バングラデシュのグラミン銀行です。「貧者の銀行」としてムハマド・ユヌスが1983年に創設したといいます。低金利の無担保融資を行ってきて、多くの女性に融資して起業を助けたそうです。カゴやいろいろな製品を作り、低賃金で雇われ苦しい生活を強いられてきた人々に、原材料を買うお金を持たせ、それを売り貯金することを教えたというわけです。
ムハマド・ユヌス総裁とグラミン銀行は2006年、ノーベル平和賞を受賞したのですが、底辺からの経済的および社会的発展の創造に対する努力を認められての受賞です。
日本の銀行にも見習ってもらいたい。貧しい人には貸し渋り、貸したと思ったら高金利でむしり取り、自分が苦しくなったら国庫からお金を出させる。これでは、いいことはないですね。
なお、ムハマド・ユヌス総裁は記者会起業家を援助するアショカ財団(創始者ビル・ドレイン)のアドバイザーとなっているとのことです。
その昔、法華経等の大乗仏教は、商業を中心として栄えた都市に弘まったといいます。
その大乗仏教の担い手は、ボサツといい、自ら修行してさとりを求めるだけでなく、困っている人々を助けることを目標としていました。「上は菩提を求め、下は衆生を化す」(かみは、ぼだいをもとめ、しもはしゅじょうをけす」
彼等は、ボサツ団(ボーディサットゥバ・ガナ)という一種の組合を作ってお互いに助け合ったということを仏教学の教授に聞いたことがあります。
これからは、ソーシャル・アントレプレナーの考え方を逆輸入して、ボサツの組織を作り、たとえば、利潤を追求しないけれど、政府にも頼らず自力で運営できる高齢者用ホームを作ることができないかなぁ。一人暮らしで不安を抱えているご信者も多いのでは?・・と新しい考えが頭の中をめぐってきました。
本気で私心なくやれば、何とかなるのでは?甘いでしょうか?
(写真アショーカ王柱頭の獅子、アショカ財団の名前はアショカ王に由来)
コメント (3)
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