どっと屋Mの續・鼓腹撃壌

引き続き⋯フリーCG屋のショーモナイ日常(笑)

テレ東ドラマ「娘の結婚」、良質なオマージュ作に(^_^)

2018年01月25日 20時20分00秒 | TV
お正月休みも一段落した8日に放送、録画していたものを鑑賞。

番組公式をみても特に表明してませんが、これは小津安二郎作品「晩春」の現代版に感じられました。

まず主演の父役が中井貴一さんというのが...彼もこんな役やる年齢になったか...という感慨もあるけど、故・佐田啓二さんの長男なのがポイントなのです(^_^)

佐田さんは公私ともに小津さんとの親交が深く、特に佐田さんの妻となり貴一さんの母・益子さんを娘時代から可愛がっていたことは有名な話です。

佐田さんは小津作品に「お早よう」と「秋刀魚の味」の2本しか出演してません。小津さんも佐田さんももっと長生きできていたら、笠智衆さんの後を継いで父役もできただろうと思うワケです。

そんなファンにおいても悔やむ気持ちをその実子である中井さんが演じてくれている...なんだかそれだけで嬉しくなった次第で...(*´艸`)

学生時代の元カノ役・原田美枝子さんもお茶の先生やってるというのがこれまたツボなんです。

「晩春」において、笠さんが再婚するかもと匂わせていた女性・三宅邦子さんも、娘・原節子さんと同じ茶道の参加者で。

その女性に、ちょっとヤンチャな娘の友人・月丘夢路を足して二で割ったようなキャラで、作品にスパイス与えて、かなり擽られましたしね(^_^)

で、このお父さんは非常にマメマメしてキッチリ!炊事・洗濯・掃除と家事のほとんどを一人で賄ってるという徹底ぶり。昭和の笠さんとはかなり違うのですが、これもキーになっている。

何度か繰り返される朝食のシャケ二切れ。

これが最後に「晩春」のリンゴと重なるワケなんです(´;ω;`)

なるほど〜ヤラレタ〜!って思いましたね(^_^;

でも反面ちょっとクドイなぁと思ったのは、お父さんのモノローグが多すぎるってとこですね。

娘の結婚相手・満島真之介さんの実母・キムラ緑子との過去、何があったのかを思い出すシーンがあるんだけど、ここは映像だけで良かったんじゃないかと。後日、娘の口からも同じ思い出話のシーンがあるので二重になっちゃってる。お父さんのモノローグはいらないでしょうと思いましたねぇ。

まぁテレビドラマは分かり易さを求められるから仕方ないけど、モノローグ過多はちょっと深みを削ぐ印象でした。

そんな惜しい点はあったけど、総じて良い作品でした。

昔、WOWOWドラマで市川崑さんが監督した「晩春」そのものをリメイクしたその名も同じ「娘の結婚」というのがありましたが、あまりにベタ過ぎて気持ち悪く違和感だらけでした(^_^;

黒澤明作品にしてもそうですけど、巨匠の作品は直球リメイクするべきではないと思っています。今回のドラマのようなオマージュをホンノリと匂わす程度で充分なんですよ d(^_^)




最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。