80才のハツラツ日記

愈々名実共に80才を迎え、人一倍好奇心を燃やして、元気な行動の随筆日記です。

馬づら(ハギ)物語

2010年02月08日 | 食の情報
最近、越前クラゲなる海の邪魔ものが跋扈しています。
日本海沿岸から、津軽海峡を越えて太平洋岸にまで広がって来たらしい。

直径1mもある様な大きさで大量に発生し、漁網を破ったり、魚を食い散らしたり、
漁業者にとっては、全くもってどうにもならない悪ものです。

処が此処に救いの神?天敵になる魚が出て来ました。
それが「馬づらハギ」なのです。
喜んでこのクラゲを食べるらしい。

其の形からしてまるで馬の面の様。
外面は鱗ではなくザラザラした象皮の様です。

私が釣りの先輩に連れられて、
初めて東京湾の沖で船釣りをした際、最初に釣り上げたのがこいつだった。

鼠色した25cm位の大きなのが上がって来てびっくりしました。
その先輩が、「これ、馬づらと言うんだ。面がそっくりだろう」と。

当時この魚は外道で誰も喜ばないものでしたが、
自分は嬉しくて直ぐクーラーに収めたのです。


長い間外道の役割から出られず釣り人から嫌われて、
捨てられて、(いや、逃がされて)いたのですが

今や、彼らにとってよい餌(越前くらげ)が増えて、この魚も増えている様です。

見掛けは悪いが、頭を落として皮を引っ張るとクルっと綺麗に剥けて、
河豚と変わらないような、淡白な薄身のお刺身が出来ます。
このキモが又、大変美味しい。勿論毒はありません。


お刺身と言い、生の肝と言い、これが食べられたのは釣り人の特権でした。

昨今、スーパーなどでも小型の馬づらの皮を剥いだのが売られています。
(残念ながら、お刺身や生のキモは売られていないですナ)

以前は「馬づら」では売れなかったので、「カワハギ」と偽称して、
売られていましたね。やっと名前が知られる様になって来て名誉回復です。

煮付けても結構美味しいですヨ。