80才のハツラツ日記

愈々名実共に80才を迎え、人一倍好奇心を燃やして、元気な行動の随筆日記です。

「日本人の矜持」って何だろ?

2010年02月01日 | 本の情報
「矜持」って難しい言葉ですね。「矜恃」と描くのが正しいのですが・・・・。
読み方も「キンジ」は慣用で、正確には「キョウジ」と読んで下さい。


広辞苑で調べますと、「自分の能力を信じて抱く誇り、自負」とあります。
要するに、「プライド」ですナ。

それを英語で言わずに、「矜持」とした処に、大きな理由があります。

新潮文庫の題名なのです。著者は藤原正彦氏。(両親は新田次郎氏と藤原てい氏)
本の内容は、九人の著名作家、文化人との対談になっています。

最初に齋藤孝氏との対談ですが、お互いに国語教育絶対論者です。
 (齋藤の齋は、当用漢字ではいけませんよ)

日本語教育こそが「日本人らしさ」を作る礎だと言っています。
これには全く同感で、何の批判を差し挟む気持ちもありません。

処が、逆に英語教育には猛烈な拒否反応を示し、
小学校で英語教育を必須科目にするのは言語道断だと言うのです。


英語を仕事で使う必要のある会社員は全体の18%に過ぎない。(某新聞社の調査と言う)
その人たちは猛烈に英語を勉強すればよい。
その他の人は少ない語学教育時間を日本語習得に注力すべきだと説きます。

漁業をやりたい人、農業をやりたい人、親の店を継ぎたい人など、
将来英語を必要としない人は一切英語を勉強しなくていいのだと迄言い切ります。

これは少し暴言では無いですか? 


封建制度の鎖国時代ならいざ知らず、世界は産業、情報の凄まじい発展で、
どんどん近づいています。製造業は勿論の事、漁業、農業、流通、サービス業に至る迄、
他国の影響を受けない職業分野は何もありません。

日本が鎖国の状態に立ち戻って、日本語--日本文化に固執する事は、
もはや時代が許さないのです。

心を広く持って英語を学び、その対比によって逆に日本語や日本文化の良さを、
再認識するべく、指導するべきではないのでしょうか?