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元千葉ロッテ・マリーンズのフランコ選手(1)個人名 Julio César

2018-03-24 18:14:58 | 名前
  今回は千葉ロッテ・マリーンズでプレーし、2015年にはBCリーグの石川ミリオンスターズで選手兼任監督としてもプレーしたフリオ・フランコ選手。生年月日は諸説あるが、ウィキペディア「フリオ・フランコ」には1958年生まれの59歳になっている。
  
 フランコ選手はメジャー時代から注目していた。ご覧のように、独特のバッティングフォームが印象的である。
 本題に入るが、フランコ選手はドミニカ共和国の出身である。フルネームは「フリオ・セサル・フランコ・ロブレス」(Julio César Franco Robles)という(ウィキペディア「フリオ・フランコ」による)。
 個人名は Julio César、父の父姓が Franco、母の父姓が Robles である。
 個人名の Julio César は英語形にすると、Julius Caesar である。さすが、メジャーリーグ最年長ホームランなどの記録保持者(ウィキペディア「フリオ・フランコ」参照)にふさわしい名前である。 
 英語の July が Julius に由来するように、スペイン語では Julio がそのまま「7月」の意味になる。ただし、小文字で julio と書く(スペイン語では月の名前や曜日は英語と違って、小文字で書く)。 
 英語では Julius Caesar だが、ラテン語によるフルネームは“Gaius Iulius Caesar”である。Julius Caesar だと、Julius が個人名で、Caesar が姓のように見えるが、個人名は Gaius である。
 それでは、Julius とは何かというと、氏族名である。Caesar が家名である。つまり Julius 氏族の Caesar 家ということである。相撲で言えば、出羽海一門の春日野部屋といったところだろうか。
 Julius Caesar については「Julius (Julio)」や「Julius Caesar」で触れているので、そちらをご覧いただきたい。
 ちなみに氏族名の「ユリウス」とはローマ神話の神「ユピテル」(Jupiter 西 Júpiter「フピテル」)の子孫とのこと(ウィキペディア「ガイウス・ユリウス・カエサル」より)。
 スペイン語における惑星名の姓のところで述べたが、「木星」(Júpiter)姓は見当たらなかった。しかし、Júpiter 由来の Julio がその代わりと言えるだろう。男子名として使用されることの多い Julio だが、実際、姓としても使われている。ただし、メジャーな姓ではない。“Historia Apellidos”によると、スペインでのランキングは6310位。世界的な分布を見ると、絶対数でブラジル、人口比でアンゴラに多い。いずれもポルトガル語圏である。なので、発音は「フリオ」ではなく「ジュリオ」(「ジュリウ」の方が近いだろうか)となる。

【某 Julio 家の紋章。“Plusesmas.com”より】
 紋章に描かれている川はルビコン川だろうか。有名なわりにはたいした川ではなさそうである。画像は多数あるので、リンクをご覧いただきたい。 
 

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