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中日ドラゴンズのアルモンテ選手(1)個人名 Manuel

2018-04-12 17:58:15 | 名前
 今回は中日ドラゴンズのアルモンテ選手。フルネームはウィキペディア「ソイロ・アルモンテ」によると、「ソイロ・マヌエル・アルモンテ・リリアーノ」(Zoilo Manuel Almonte Liriano)である。またまたドミニカ共和国の出身である。
 
  かつて2001年と2002年の2シーズン、読売ジャイアンツでプレーしたのは同じくドミニカ共和国出身の「ヘクター・アルモンテ」(Héctor Radhames Almonte)選手だが、血縁はなさそうである。
 さて、中日ドラゴンズのアルモンテ選手の個人名は Zoilo Manuel、父の父姓は Almonte、母の父姓が Liriano である。
 個人名の Manuel は珍しくはない。小学館『西和中辞典』にもちゃんと記載がある。
 男子の洗礼名で、愛称は Manolo。ヘブライ語の“Immanu'el”(神は我らと共に)が原義ということである。ヘブライ語の“el” が「神」であることは、「キリシタン用語(15)アンジョのお仕事」でも触れているので、そちらを参照願いたい。
 「神はわれらとともに」ではなく、「神とともに」はスペイン語では“con Dios”である。“Vaya con Dios”という有名な曲があるが、もともとの意味は「神とともに行きなさい」ということで、「さようなら」ということだが、これは古語、または詩的な表現である。“Adiós”が「さようなら」の意味では普通である。ただ、日本語の「さようなら」もくだけた場面ではあまり使わないのではなかろうか。同様にスペイン語でも「じゃあ、また」にあたる“Hasta luego”がよく使われている(特にコスタリカ)。
 それはともかく、Manuel はいつも神様がついている、ありがたい名前であるが、悪いことをすると、地獄に一直線のような気がする。
 Manuel の女性形は Manuela で、一世を風靡した「エマヌエル」夫人のスペイン語形である。
Manuel といえば、かつてヤクルト・スワローズや近鉄バッファローズで大活躍して、その後、大リーグのフィリーズの監督にもなった、チャーリー・マヌエル氏の姓である。
 
 【西本監督とマヌエル選手】
 “Historia Apellidos”によると、Manuel 姓のスペインでのランキングは2063位。世界的な分布を見ると、絶対数でも人口比でもアンゴラ(ポルトガル語圏)に多い。そうすると、マヌエル氏のご先祖様はスペインかポルトガルかもしれない。
 “ORIGEN DE LOS APELLIDOS”によると、Manuel 姓の起源について、次のように紹介されている。 

El origen del apellido Manuel viene de la casa real del infante Manuel, hijo del rey Fernando III conocido como “el Santo” y de la reina Beatriz de Suevia, el infante Manuel se casó con Beatriz, la hija del tercer conde de Saboya, a partir de entonces inicia el linaje de Manuel.

 簡単に言うと、王位継承権のない王子(infante)Manuel 王家に由来するとのことである。王位継承権はなくても、由緒正しい家柄である。日本で言えば、源氏、平氏といったところだろうか。
 当然、Manuel 家には立派な紋章がある。
 
 
中日ドラゴンズの応援団にはアルモンテ選手を応援するとき、是非、上の紋章を使ってもらいたいものである。 

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