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スパニッシュ・オデッセイ

スペイン語のトリビア
コスタリカ、メキシコ、ペルーのエピソード
パプア・ニューギニア、シンガポールのエピソード等

ピジン語(3) I don't know

2014-08-10 06:55:28 | パプア・ニューギニア
  今回は、“I don’t know”に相当するピジン語である。
 「私」はピジン語では“mi”で、英語の“me”に由来するようだ。目的格が主格として使われている。ハワイの怪しげな英語でも、やはり“me”が主格として用いられているようだ。日本でも、映画などで日系2世が「ミーはね」と話す場面がよくあったと思う。
スペイン語では、主格は“yo”(「ヨ」または「ジョ」、スペイン語では「ヤ」行と「ジャ」行の区別がない。日本の殿様の「余」を連想させる)だが、目的格は英語と同形の“me”(ただし、発音は「メ」)。このほかに前置詞格があり、“mí”という形である。アクセント記号のない“mi”は所有格である。
 ところで、英語の否定文では、be 動詞(かつては本動詞の have も。ピーターとゴードンの「愛なき世界」には、“I know not when”という言い方が出てくる)以外、動詞のあとに“not”を置くのではなく、一般動詞の否定文では動詞の前に“don’t”(“doesn’t”、“didn’t”)を置き、動詞は原形に戻すのだが、これがスペイン語話者には結構、面倒らしい。
 スペイン語では、どんな時でも、動詞の前に“no”を置くだけでよいのである。
 ピジン語でも、この点はスペイン語同様である。これは、中国語でも同様である。
 そうすると、中国語の「私は知らない」に相当する「我不知道(wo bu zhidao)」をピジン語に置き換えると最初が“mi no”となりそうなことが分かる。“know”は“no”と発音が同じなので、別の言葉に置き換えた方がよさそうである。そこでどうしたかは、次回。


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はじめてのピジン語―パプアニューギニアのことば





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ピジン語(2)pikinini (こども)

2014-08-09 07:40:44 | パプア・ニューギニア
  ピジン語の語彙は英語由来のものが多いのだが、中にはポルトガル語由来のものもある。それを少々紹介しよう。
 まずは、「子ども」を表す“pikinini”。スペイン語の“pequeño”(ペケーニョ、「小さい」)と“niño”(ニーニョ、「子ども」)を合体させたような語感なので、すぐ覚えた。語源はポルトガル語の“pequeno”(ペケーノ、スペイン語の“pequeño”に対応)で、「小さい」の意味のほかに「子ども」という意味もある。これに縮小辞の“-ino”をつけると、“pequenino”(ペケニーノ)という語ができる。「小さい子ども」という意味である。これがなまって、“pikinini”となったらしい。
 スペイン語の縮小辞は“-ito”という形がよく使われるが、“-ino”という形もあるのである。イタリア語ではこの形をよく見かける。代表例は“signorina” (シニョリーナ)だろう。スペイン語では“señorita” である。


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ピジン語(1)

2014-08-08 10:53:22 | パプア・ニューギニア
 ニューギニア島の北半分では共通語としてピジン語が話されている。「ピジン」というのは“business”がなまった言葉らしい。中国人が商売(ビジネス)のために使った英語のような言葉である。語彙は英語由来のものが多いが、文法は中国語に近い。
 たとえば、「これは何ですか」は英語では“What is this?”だが、ピジン語では、“Em i wanem samting?”で、“This is what?”の語順になっている。中国語では「这是什么」(zhe shi shenme)で、やはり“This is what?”の語順である。
 動詞の活用はなく、過去は文末に“pinis”という語を置く。このことばは会話の中で聞かないことはないといってもいい。“pinis”と発音も綴りもよく似た英単語があり、ピジン語を知らない、やんごとなきご婦人方は、このことばを聞くと、顔をしかめたり、ほほを赤らめたりするとか。
 それはともかく、これも中国語の文法をそのまま取り入れているようだ。中国語では単純な過去は文末や動詞の後ろに「完了」の「了」を付け加える。これを英語の“finish”に置き換え、さらにそれがなまって“pinis”になったのだろう。


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モツ語(2)、パプアニューギニア人の名前

2014-08-07 06:51:16 | パプア・ニューギニア
  モツ語は開音節言語だが、このほかにも開音節言語はありそうである。
 そういうわけで、パプアの沿岸部だけではなく、パプア・ニューギニア人には日本人っぽい名前の人もいる。
 Kila, Ao, Nango, Nambaさんなどである。この組み合わせで、Kila Ao さんという人もいたが、極めつけは Kila Kila さんである。これぞ、究極の「キラキラ」ネームである。名刺をもらったのだが、紛失してしまった。残念なことである。
 さて、パプア・ニューギニア人には、そもそも姓があるのかどうかも不明で、父親の名前を姓の代わりにしているのではないかと想像しているが(どなたかご存知の方がいらっしゃれば、ご教示ください)。
 1984年ごろのことであるが、Abe Toru という日本人がいた。この名前はパプア・ニューギニア人の響きを持つようで、よくパプア・ニューギニア人だと思われたとか。
 ところで、筆者が覚えたモツ語は“Oi namo?”だけである。そもそも使う機会がないので、学習のモチベーションが低い。
 “oi”は「あなた」の意味であるが、日本語のぶっきらぼうな呼びかけ、「おい」を連想させる。“namo”は「いい、元気」という意味で、“Oi namo?”は、結局、中国語の「你好」と同じである。
 “oi”はハワイ語では“oe”となる。あの“Aloha Oe”の“oe”で、本来の意味は「あなたが愛されますように(歓迎されますように)」ということだそうだ。 


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パプア・ニューギニアの言語、モツ語

2014-08-06 07:07:32 | パプア・ニューギニア
  パプア・ニューギニアはニューギニア島の東半分である。西半分は旧オランダ植民地で、西イリアンと呼ばれていた。現在はインドネシア領で、イリアンジャヤと呼ばれている。
 東半分がパプア・ニューギニアで、その南半分がパプアで、北半分がニューギニアである。南半分はイギリスが植民地にした後、オーストラリアが統治を引き継いだ。それに対して、北半分はドイツが植民地にしたものの、第一次世界大戦に敗れ、その後、オーストラリアの国際連盟委任統治領になったのである。
 そもそも、パプアという名称はポルトガル人が名づけたらしい。マレー語で「縮れ毛」という意味だそうだ。パプア側は主要部族の言語“Motu”「モツ語」がよく通じるようだ。このモツ語はオーストロネシア語族のマレー・ポリネシア語派に属す。ハワイの言葉と同様、必ず、母音で終わる。二重子音もない。促音(小さい「ッ」)も拗音(小さい「ャ」、「ュ」、「ョ」)も撥音(「ン」)もない。日本語の和語と同じである。


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パプア・ニューギニアへ

2014-08-05 09:39:58 | パプア・ニューギニア
  1981年末にコスタリカでの生活を終え、スパニッシュ・オデッセイも一段落した。その後、ペルーとメキシコでも暮らすことになるのだが、スパニッシュではないところにも縁があった。パプア・ニューギニア(Papúa Nueva Guinea) とシンガポール(Singapur、マレー語とポルトガル語は Singapura) である。
 結局、筆者が海外生活した国は環太平洋諸国ばかり(シンガポールは厳密にいうと環太平洋ではないかもしれないが)で、筆者はさしずめTPPマンといったところだろう。
 まずは、パプア・ニューギニアへ脱線するが、やはりスパニッシュとはいくらかでも関連付けたい。
   コスタリカへは青年海外協力隊員として派遣された。生活に困ることはないが、かといって、リッチな暮らしができるわけでもない。現地の標準的な給与水準並みの現地手当が支給されていたのである。だからこそ、現地の人並みの生活ができ、いろいろなことを知ることができた。
 しかしながら、パプア・ニューギニア以降はJICA専門家(メキシコへは文部省派遣)で、かなりの好待遇であった。待遇はよくなったものの、協力隊員ならではの生活体験は残念ながら、できなかった。
 さて、パプア・ニューギニアは派遣前語学研修は英語である。部族語が500とも700あるとも言われている。また、怪しげな英語のようなピジン語も話されているが、共通語は英語である。国歌も英語で歌われている。しかし、英語が分からない年寄りは当然歌えないだろうし、そもそも国家意識があるとも思えない。あるのは国家意識ではなく、部族意識だろう。
 それに引き換え、コスタリカはさすがに近代国家である。ただ、パナマとの国境に近い、山間のでは、昔ながらの先住民が暮らしていて、年寄りはスペイン語ができなかった。コスタリカは人種的にも白人系が多数派で、言語もスペイン語(若干の例外はカリブ海側の黒人が話すジャマイカ英語)で統一されていて、国民としてのまとまりはあると思う。


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パプア・ニューギニアの海上部落のトイレ等

2014-02-03 10:50:11 | パプア・ニューギニア
  前回の補足だが、小用はコスタリカでは“cambiarle el agua al pajarito”(小鳥の水を換えてやる)といっていた。
 さて、今回はパプア・ニューギニアのトイレへ飛ぶ。
 
 筆者が勤務していた高校(全国で4つしかない。すべて国立)の生徒の故郷の海上に泊めてもらったことがある。首都ポートモレスビーから海沿いに南東へ100キロばかり行ったところに海上はある。外敵から身を守るために海の上に集落を築いたのがその由来だと思うが、夜は涼しくて気持ちがいい。砂浜から小舟に乗って、沖合数十メートル程度の家に行くのだが、干潮時には梯子をだいぶ上らないといけない。2階どころか3階まで上ったような感じだった。
 海上には当然電気は来ていない。海岸部は結構開けていて、電気は来ている。人間の居住空間とは別に豚小屋も海上にある。


 さて、トイレは当然、室内にある。日本同様、トイレは仕切られていて、外からは見えない。スタイルはいわゆる和式である。便器などというしゃれたものはなく、しゃがんで板の間から海へ爆弾を落とすだけである。この爆弾に熱帯の青や黄色の派手な魚が食いついてくるのである。トイレは臭いものというイメージがあるが、このトイレは全然臭くない。

 ここは海上ゆえ、生計は漁業で立てている。午前3時ごろ男衆は漁に出かけていくのだが、爆弾を食った魚も獲られているのだろう。それをまた人間様がいただくというわけで、これまたリサイクルになっているのである。

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コスタリカの歴史 (世界の教科書シリーズ) 
 人名の世界地図 (文春新書)




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