goo blog サービス終了のお知らせ 

スパニッシュ・オデッセイ

スペイン語のトリビア
コスタリカ、メキシコ、ペルーのエピソード
パプア・ニューギニア、シンガポールのエピソード等

パプア・ニューギニアの国立高校(7) recess 高校の休憩時間

2014-09-07 09:23:59 | パプア・ニューギニア
 ソゲリ国立高校の3時間目と4時間目の間のやや長めの休憩、“recess”に戻る。この休憩時間のために、お菓子を教員が交代で、1週間準備することになっている。イギリスのモーニング・ティーの習慣をそのまま持ち込んだようで、今はやっていないとか。
 独り者の教員は適当なスナック菓子を買い込んで、簡単に済ませていたが、所帯持ちの教員は奥さんが手作りのお菓子を準備していたようだ。筆者にも当番が回ってくる。当時は、独身なので、適当に済ませてもよかったのだが、つい頑張ってしまったのである。
 というのは、近くに適当なレストランがなく、自炊せざるを得なかったからだ。一番近いレストラン(“Kokoda Trail Motel”という名前だったかな。ポートモレスビーの郵便局は“Boroko”にあった。何となく日本語っぽい語感である)でも車で5分から10分ぐらいの距離にあり、メニューもあまりない。ワニ肉を食べることもできるが、結構高い(うまいけど)。それにいつも同じようなものばかり食べていられない。
 事前にこういう情報を仕入れていたので、自炊用に料理本を何冊か持って行った。料理をやっているうちに、面白さに目覚めたわけである。一人で食べても味気ないので、同僚をよく招待したことはすでに述べた。
 そういうわけで、おやつ当番に当たった時は、妙に張り切ったわけである。
メニューを列挙してみる。
 カレー入り揚げ餃子、中華風揚げパン、蒸しパン、生チョコレートを使ったスイーツなどなど。
 当初、あまり期待されていなかったが、以後は、大いに期待されるようになり、また、期待に応えていったのである。

ポチッとクリック、お願いします。
↓↓↓
スペイン語 ブログランキングへ

スペイン語とともに考える英語のラテン語彙の世界 (開拓社言語・文化選書)
好評発売中!!こちらは、このブログとは別物です。もちろん、トリビア満載です。
はじめてのピジン語―パプアニューギニアのことば
  
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

パプア・ニューギニアの国立高校(6)日常生活

2014-09-06 07:50:30 | パプア・ニューギニア
  何もない日は火曜日以外は、もっぱら昼寝である。
 学校があるところは標高600mとはいっても、さすがに日向は暑いが、日蔭は涼しく、エアコンはいらない。首都ポートモレスビーでは、エアコンが欲しい。
 火曜日は30キロ離れた首都ポートモレスビーまで買い物に出かける。山道なので、スピードは出せないが、オーストラリア人のスピード狂の教員は片道20~30分ぐらいで行っていたらしい。筆者は40分ぐらいかかったと思うが。
 買い物は週1~2回なので、1週間分の食料を仕入れる。肉は大体冷凍ものである。魚は現地のフィッシュ・マーケットに行くと活きのいいのが売られているのを仕入れる。というわけで、火曜日はシーフードの御馳走である。“Mud crab”(泥ガニ)というカニも好物だった。日本同様、カニは高級食材で1匹5キナ(当時、5米ドル以上)だった。生きたまま縛って売られていた(だから、1杯ではなく、1匹でいいのだ)。それを熱湯に放り込んでゆでるのだが、このカニは殻が硬く、ハンマーでたたき割っていた。
 一人では量が多いし、大勢で食べた方が楽しいので、よく近所の教員(当初はみんな白人)を呼んでやっていた。前述のスピード狂のオーストラリア人もなぜかシーフードが大好きだった。

ポチッとクリック、お願いします。
↓↓↓
スペイン語 ブログランキングへ

スペイン語とともに考える英語のラテン語彙の世界 (開拓社言語・文化選書)
好評発売中!!こちらは、このブログとは別物です。もちろん、トリビア満載です。
はじめてのピジン語―パプアニューギニアのことば
  
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

パプア・ニューギニアの国立高校(5)生徒の一日

2014-09-05 06:35:17 | パプア・ニューギニア
 パプア・ニューギニアは熱帯地方なので、ソゲリ国立高校の授業は朝7時ごろに始まる。ホームルームのようなものはなかったような気がする。その代わりに月曜日の1時間目(毎週だったかどうかは忘れた)に講堂で校長先生がお話をしていたが、何を話していたか全然覚えていない。
 授業は45分で、休憩時間は5分。5分の間に教室を移動したり、トイレに言ったりする。3時間目と4時間目の間は20分か25分の長めの休憩で、“recess”と呼んでいた。この間に、教員は教員室(といっても、椅子とちょっとしたテーブルがあるだけ)に集まり、談笑したり、お菓子をつまんだりする。校長が用件を伝えることもある。
 “recess”のあと、4時間目が始まり、6時間目まで授業がある。6時間目が終わると1時近くなる。
 これで、やっと昼食にありつけるわけである。生徒は生徒用食堂(“mess”といっていた)で食べる。教員は学校の敷地内にある教員宿舎(徒歩1分もかからない)に戻って食べる。
 昼からは授業はないが、毎週月曜日と隔週の金曜日の午後は生徒はいくつかのグループに分かれて作業する。筆者は農作業のグループの監督をさせてもらった。他にも農業に詳しい監督の教員がいるので、筆者は簡単な手伝いをするぐらいである。

【学校の裏の農園】

【鶏舎】

【木工、または彫刻】

【掃除終了後にくつろぐ、きれいどころ】

ポチッとクリック、お願いします。
↓↓↓
スペイン語 ブログランキングへ

スペイン語とともに考える英語のラテン語彙の世界 (開拓社言語・文化選書)
好評発売中!!こちらは、このブログとは別物です。もちろん、トリビア満載です。
はじめてのピジン語―パプアニューギニアのことば
  
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

パプア・ニューギニアの国立高校(4) 4学期制

2014-09-04 06:52:45 | パプア・ニューギニア
  ソゲリ国立高校の日本人教員は日本から月に1度、お手当てをいただいていたが、現地採用の教員は2週間に一度、隔週の金曜日に給料が出ていた。そういうわけで、給料日の金曜日には、教員はみんな銀行へお金を下ろしに行っていたようだ。ちなみに、2週間ごとの給料を“fortnight”と言っていた。もともとは「14の夜」(fourteen nights)という意味だそうで、言葉自体は知ってはいたが、日常生活でこの言葉に触れてみることで、しっかり覚えることができた。
 さて、ソゲリ国立高校は2年制だったので、3年生はいなかった。他の国立高校も同様だと思うが(今も同じだろうか)。新学期は1月に始まる。コスタリカも同様であった(ただ、実質的には1月は休みで、2月からだったが)。日本はかつては3学期制だったが、ソゲリ国立高校の場合は年4学期制だった。3か月ごとに1週間の休みが入る。年末・年始休みは1か月ぐらいあっただろうか。
 ところで、「3か月制」はスペイン語では trimestre という(英語では trimester)。「6か月制」が semestre(英語では semester)である。日本の大学はすっかり、セメスター制になってしまっているが、最近ではクウォーター制にしようという話が出ている。semester という言葉は定着しているが、trimester という言葉は使われそうにない。

ポチッとクリック、お願いします。
↓↓↓
スペイン語 ブログランキングへ

スペイン語とともに考える英語のラテン語彙の世界 (開拓社言語・文化選書)
好評発売中!!こちらは、このブログとは別物です。もちろん、トリビア満載です。
はじめてのピジン語―パプアニューギニアのことば
  
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

パプア・ニューギニアの国立高校(3)先生たち

2014-09-03 07:55:55 | パプア・ニューギニア
 アイルランド人の教師も2人いた。アイルランド人はよく見ればイギリス人と違うようだが、ちょっと見ただけでは、違いが判らない。ところが、性格は全然違う。とにかく、にぎやかである。イギリス人に対する敵愾心も相当のようである。
 アイルランド人教員の姓はイギリス人の姓とは少し違う。その他の教員の姓は大体ありふれたものだったが、校長と教頭がちょっと珍しかった。
 校長は“Golightly”さんで、「軽やかに行く」という意味になる。ただ、スキップをしているのを見たことはない。軽やかかどうかはともかく、穏やかなカナダ人だった。
 教頭は“Service”さんで、何のサービスかよくわからないが、もともとは、たぶん、教会の「礼拝」の意味だったのだろうか。ファースト・ネームが“Ian”(日本語では「イアン」と表記されるが、実際の発音は「イーン」に近かった)で珍しくもなんともないが、姓名を組み合わせると、“in-service”(現職の)という意味の普通名詞の発音によく似ていて、紛らわしい。職員会議でも「休暇中ではなく、勤務中」という意味で、使われていて、最初は、教頭の話をしているのかと思った。サービス先生はいつも in-service というわけではなく、ちゃんと休暇を取っていたと思う。真面目なイギリス人なので、あまりサービス精神旺盛というわけにはいかなかった。
 ありふれた姓だが“Woods”(森、林)先生が3人もいた。林間学校のようなソゲリ高校にはぴったりの名前である。

ポチッとクリック、お願いします。
↓↓↓
スペイン語 ブログランキングへ

スペイン語とともに考える英語のラテン語彙の世界 (開拓社言語・文化選書)
好評発売中!!こちらは、このブログとは別物です。もちろん、トリビア満載です。
はじめてのピジン語―パプアニューギニアのことば
  
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

パプア・ニューギニアの国立高校(2)教職員の内訳

2014-09-02 07:26:59 | パプア・ニューギニア
  パプア・ニューギニアでは、高校生は超エリートである。いろいろな地方から出てくるので、学校は全寮制である。
  寮には決まった寮監はいなかったと思う。その代わりに教員が交代で、夜の点呼をしたりする。週末にこの当番に当たると、週末を山の中でおとなしく過ごすことになる。この当番のことを“duty”といっていたが、「ジューティ」のように発音しているオーストラリア人の教員もいた。
ただし、この当番はパプア・ニューギニアから給料をもらっている教員に適用されるので、日本政府からお手当てをもらっている日本人教員には適用されず、筆者は“duty free”の扱いだった。
 1983年は、ソゲリ高校の事務職員はパプア・ニューギニア人だったが、教員はすべて外国人だった。内訳は日本人2人を除くと、すべて白人だった。オーストラリア人とイギリス人が大体半分ずつだっただろうか。アメリカ人とカナダ人が1人ずついた。これらの教師は数年の契約でやってきていた。この中にイタリア語を話す教員がいて、こちらはスペイン語で話したが、結構通じた。毎年、異動があり、その後、アイルランド人も2人やってきた。オランダ人も1人やってきた。何人か新任の教員が来るが、外見では、だれがオランダ人かまったくわからなかった。しかし、話をしてみるとよくわかった。流暢に英語を話すのだが、よく聞き取れず、奥さんが通訳に入ってくれたりしたものだ。一度、オランダ語で書かれたパーティーの招待状をもらったことがあるが、内容も推測できるわけだし、いい勉強になった。筆者の勤務の最終年にはついにパプア・ニューギニア人の教師が2人やってきた。
 今では、教員はすべてパプア・ニューギニア人になっているようだ。

ポチッとクリック、お願いします。
↓↓↓
スペイン語 ブログランキングへ

スペイン語とともに考える英語のラテン語彙の世界 (開拓社言語・文化選書)
好評発売中!!こちらは、このブログとは別物です。もちろん、トリビア満載です。
はじめてのピジン語―パプアニューギニアのことば
  
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

パプア・ニューギニアの国立高校(1)ソゲリ街道

2014-09-01 11:50:40 | パプア・ニューギニア
 今回からは筆者の勤務した国立高校について述べる。
 人口は1984年ごろ、350万人ぐらいと言われていた。それでいて、全国に高校は4つしかなかった。それもすべて国立高校である。そのうちの一つが、首都ポートモレスビーから約30キロばかりの標高600メートルぐらいの土地にある、ソゲリ国立高校である。朝晩は涼しく、エアコンはいらない。昼間でも木陰に入るとしのぎやすい。

 ソゲリはココダ街道(Kokoda Trail)沿いにある。ニューギニアといえば、第二次世界大戦の激戦地としても有名である。特に、ラバウルが有名だが、このココダ街道の一部も激戦地となっている。北部のブナに上陸した日本軍がポート・モレスビーを目指してココダ街道を進軍してきたわけだが、途中のエフォギまでしか進めなかった。兵站が十分でなかった日本軍は飢餓や疫病にも苦しめられる。現地を知らない軍上層部の無謀な作戦である。この作戦の詳細については下記の参考文献をご覧いただきたい。
 ポート・モレスビーからソゲリに行くには途中から山を登る。山を登りきったところに、Kokoda Trail Motel というモーテル兼レストランがある。このモーテルからさらに数キロ行くとソゲリ国立高校がある。
 このモーテルではワニ肉が食べられる。パプア・ニューギニアは結構物価が高い。ワニ肉は美味であるが、高い上、いつも食べると飽きるので、めったに行かなかった。このモーテルをほんの少し行ったところに小さな川が流れている。一度、大雨の影響で、橋が渡れず、仕方なく、このモーテルに泊まったことがある。
 ソゲリ高校の隣りには小さな小学校があった。その学校の先生とも親しくなり、一度訪問したことがある。高床式の吹き抜けの校舎で、気持ちがいい。子供たちが描いた絵も見せてもらったが、どの絵にも赤い色が使われてないのである。不審に思い、聞いてみたら、赤絵具が不足しているとのことであった。
 ソゲリ高校から少し離れた小高い丘には、コスタリカ人なら“pulpería”と呼びそうな、ちょっとした店があった。それ以外は何もなく、森や畑や牧場が広がっているだけである。ポート・モレスビーからの舗装道路はこの辺りで終わる。
 ソゲリ高校は林間学校のようなもので、勉強するには環境抜群である。しかしながら、これでは、高校生もエネルギーを発散させる場所がないので、時々、土曜日の夜、学校の体育館を使って、ディスコ・パーティーが催されていた。当時は、筆者もまだ若い部類だったので、数回参加したことがある。
ココダ 遙かなる戦いの道―ニューギニア南海支隊・世界最強の抵抗
ポチッとクリック、お願いします。
↓↓↓
スペイン語 ブログランキングへ

スペイン語とともに考える英語のラテン語彙の世界 (開拓社言語・文化選書)
好評発売中!!こちらは、このブログとは別物です。もちろん、トリビア満載です。
はじめてのピジン語―パプアニューギニアのことば
  
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ピジンとクレオール

2014-08-31 09:41:50 | パプア・ニューギニア
 ピジン語はニューギニアだけではなく、世界中にある。パプア・ニューギニアの隣国のソロモン諸島にもある。相互に通じるかどうかはよくわからないが、いくらかはわかるのではないだろうか。混成言語をピジン語というわけで、コスタリカのカリブ海側で黒人が話している英語のような言葉もピジンだろう。ただ、コスタリカでは「ピジン」という言葉ではなく、「クレオール(または、クリオール)」(creole, 西 criollo) というようである。
 ピジンとクリオールの何が違うかというと、ピジンは便宜上、共通言語として使用しているだけで、母語(第一言語)にしている人はいないことである。一方、クレオールは実質は、ピジンと同じだが、それを母語として使用している人間がいるということである(ウィキペディアによる。ウィキペディアは信頼性に欠けるとのことで、学術論文に引用するのはだめらしいが、ちょっと調べるのには便利である)。
 ということで、ニューギニア・ピジン(tok pisin)はずいぶん前から使われているわけで、部族語ではなく、ピジンを母語にしている人間もいるかもしれない。そうなると、名前は「ピジン」でも、実際は「クレオール」ということになるだろう。
 英語もそもそもの初めはピジンのようなものだろう(厳密な定義によるとピジンとは言えないようだが)。古英語はゲルマン系の言語だったようだが、ノルマン人がやってきて、フランス語系統の言語を持ち込んだ。支配階級はフランス語、被支配階級はゲルマン系の言語を話していたのだが、だんだんミックスしていったのである。インド・ヨーロッパ系の言語は動詞の活用が大変だが、英語は3単元の s ぐらいしかない。ピジンは簡素化が特徴の一つであるが、英語にもその特徴があるのである。
 ところで、ox や cow は被支配階級(生産者)のゲルマン系の言語の語彙で、beef は支配階級(消費者)のフランス語系の語彙である。どちらもともに「牛」の意味だったが、それがいつしか、前者は生きているときの名前、後者は死んで食肉になってからの名前ということである。日本の仏教には戒名というのがあって、現代では、死後の名前というのが一般的な理解であるが、beef は ox や cow の戒名というわけではないのである。
ちなみに、スペイン語には beef に相当する語は当然、ない。ox が toro で、cow が vaca だが、食肉の時は、vaca を用いる。toro を食べるとは言わない。res (四足獣全般)を vaca の代わりに用いることも多い。 

ポチッとクリック、お願いします。
↓↓↓
スペイン語 ブログランキングへ

スペイン語とともに考える英語のラテン語彙の世界 (開拓社言語・文化選書)
好評発売中!!こちらは、このブログとは別物です。もちろん、トリビア満載です。
はじめてのピジン語―パプアニューギニアのことば

  


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ピジン語(10) yumi

2014-08-30 07:37:24 | パプア・ニューギニア
  筆者がよく耳にしたピジン語の単語をいくつか紹介しよう。
 liklik:「リクリク」と発音されそうなものだが、「リキリキ」のように聞こえる。専門的な表現をすれば、[k]音が口蓋化されているというのだが、[i]の母音に影響されて[k]音のあとに[i]を発音する構えを作っているのである。はっきり[i]と発音されているわけではない。意味は「少し」。little がなまったものだろうか。
 「ちょっとだけ」というときは liklik tasol という。tasol は英語の only に相当するが、that's all がなまったものではないだろうか。
 giaman : 「うそ」、「いんちき」等の意。何語に由来するのだろうか。
 bakarap:「こわれた」、「だめになった」。英語の break, broken などと関係があるのだろうか。
 kaikai:「食べ物」。「レストラン」は haus kaikai。1985年当時、「カイ」さんという日本人がいた。食われたという話は聞かない。
 yumi go:Let's go の意。yumi は yu (you) + mi (me) で、「あなた」を含む「私たち」。「あなた」を含まないときは mipela という。
 実は、中国語にも同様な使い分けがある。yumi に相当するのが「咱們」で、mipela に相当するのが「我們」である。ただ、中国でも南へ行くと、前者が使われず、すべて「我們」になるらしい。
 Wanem nem bilong yu?:英語の逐語訳は What name belongs to you? だが、What's your name? ということである。
 Nem bilong mi Yumi:Name (which) belongs (to) me is Yumi.で、My name is Yumi.
  ピジン語の前置詞は bilong と long の2つしかない。bilong は 動詞 belong に由来するのだろうが、前置詞の of の役割を果たしている。long の方は along に由来すると思われるが、in, at, for など of 以外の前置詞すべての役割を担っている。
【お知らせ:コスタリカのラジオ局 Radio Uno の懐メロ番組のナレーション部分だけMP3ファイル(約1分半)に変換して、パソコンに取り込みました。興味のある方はコメントにメールアドレスとともにファイル希望とお書きください。追って、添付ファイルでお送りします。】
ポチッとクリック、お願いします。
↓↓↓
スペイン語 ブログランキングへ

スペイン語とともに考える英語のラテン語彙の世界 (開拓社言語・文化選書)
好評発売中!!こちらは、このブログとは別物です。もちろん、トリビア満載です。
はじめてのピジン語―パプアニューギニアのことば

  


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ピジン語(9) tok pisin と wantok

2014-08-29 09:01:22 | パプア・ニューギニア
 「ピジン語」という語はピジン語では tok pisin という。tok は英語の talk から来ているようだ。ジャレド・ダイアモンド著:昨日までの世界(上)―文明の源流と人類の未来昨日までの世界(下)―文明の源流と人類の未来には「トク・ピシン語」と訳されているが、これはおかしい。tok が「語」なので、「語ピシン語」ということになってしまう(「太平洋ベルト地帯」を思い出した)。いい書物なのに、もったいない。
   
 tok を使った有名なことばに、wantok というのがある。これも使用頻度がきわめて高いので、いやでも覚える。
 英語の one + talk に由来するようで、「ひとつの言語」つまり「同じ言語」を話す部族が本来の意味のようだが、「仲間」という意味にも用いられる。
  ピジン語の知識がないと want + ok で切ってしまいそうである。「ほしい」+「OK]で、「ほしいものは何でも持ってけ」と誤解しそうである。 
 パプア・ニューギニアはたぶん今でも部族社会だと思うが、1985年ごろはまさに部族社会そのものであったといえよう。田舎から wantok を頼って首都のポートモレスビーにやってくると、たとえ、見ず知らずでも wantok であれば面倒を見ないといけないらしい。首都で一旗揚げた人物もかつては、wantok を頼って出てきたのだろう。
 というわけで、1985年ごろは物乞いは見かけなかった。wantok が面倒見てくれるので、物乞いする必要がないわけである。ただ、最近は物乞いの姿も見かけるという話である。少しずつ社会が変化しているのだろう。
   

ポチッとクリック、お願いします。
↓↓↓
スペイン語 ブログランキングへ

スペイン語とともに考える英語のラテン語彙の世界 (開拓社言語・文化選書)
好評発売中!!こちらは、このブログとは別物です。もちろん、トリビア満載です。
はじめてのピジン語―パプアニューギニアのことば


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ピジン語(8)何歳ですか?

2014-08-27 09:11:48 | パプア・ニューギニア
 日本人は欧米人には年齢が分かりにくいようだが、日本人にとってもパプア・ニューギニア人の年齢はわかりにくい。特に、山岳地帯の部族はよくわからない。
 そこで、今回はスペイン語とは関係ないが、ピジン語で面白いのは年齢を尋ねる表現を取り上げよう。
 英語の“How old are you?”は直訳は「あなたはいかほど年を取っているか」だが、スペイン語では“¿Cuántos años tiene?”で、直訳は「(あなたは)何年を持っているか」である。ピジン語では“Yu gat hamas krismas ya?”という。英語に逐語訳すると、“You got how many Christmases?”となる。“hamas”は“how much”がなまったようだが、“how many”の意味でも使われる。
 面白いのは「クリスマス」である。「何回クリスマスを持った(過ごした)か」という表現は、日本の数え年を連想させる。昔は、日本では誕生日を祝う習慣はなく、元旦にみんな一斉に年を取ったものである。
 パプア・ニューギニア人の年寄りは自分の年齢さえ知らない人もいた。年齢が分からなければ、誕生日も分からなくて当然だろう。筆者が勤めていた国立高校の生徒たちはみんな自分の誕生日を知っていたと思うが。
 ともかく、“Yu gat hamas krismas ya?”は、なかなかよくできたピジン語の表現である。

ポチッとクリック、お願いします。
↓↓↓
スペイン語 ブログランキングへ

スペイン語とともに考える英語のラテン語彙の世界 (開拓社言語・文化選書)
好評発売中!!こちらは、このブログとは別物です。もちろん、トリビア満載です。
はじめてのピジン語―パプアニューギニアのことば


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ピジン語(7)どこですか “~ i stap we?”

2014-08-26 07:30:22 | パプア・ニューギニア
  ピジン語には、もう一つ、スペイン語から類推ができるフレーズがある。
 それは、「~は(場所)にある(いる)」である。筆者も一度実地に用いたことがある。
 “Ples balus i stap we?”というピジン語は「空港はどこですか」という意味で、レンタカーで内陸部のゴロカ空港に向かっていたときに使ってみた。聞いた相手が悪かったのか(おばさんかおばあさんだった。日本人から見るとパプア・ニューギニア人の年齢は見当をつけにくい)、あまり通じなかったようだ。“~ i stap we”というのは“Where is ~?”に相当する決まり文句である。“stap”は英語の“stop”に由来すると思うが、“i stap”がスペイン語の“está”を連想させる。スペイン語では「~はどこにあります(います)か」は、“¿Dónde está~?”となる。
 ちなみに、パプア・ニューギニアは意外と知られていないが、コーヒー天国である。筆者もよく「ゴロカ・コーヒー」をプレゼントしたものだ。一度、コスタリカ人(コスタリカもコーヒーがうまい)にも送ってやったことがあるが、何で、コスタリカにもうまいコーヒーがあるのに、ニューギニアなんぞのコーヒーを送ってくるのかといぶかしがられたが、飲んでみて納得してくれた。コスタリカ人もうなるほど、うまいのである。

ポチッとクリック、お願いします。
↓↓↓
スペイン語 ブログランキングへ

スペイン語とともに考える英語のラテン語彙の世界 (開拓社言語・文化選書)
好評発売中!!こちらは、このブログとは別物です。もちろん、トリビア満載です。
はじめてのピジン語―パプアニューギニアのことば


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ピジン語(6) 初めて聞いた “Mi no save” Wau へ行く

2014-08-24 19:58:19 | パプア・ニューギニア
  筆者が“Mi no save”というフレーズに最初に触れたのは次のような経緯からだった。ピジン語の知識もなしに、パプア・ニューギニアに赴任した当初のこと。日本から新しくやってくる青年海外協力隊員の出迎えにポートモレスビー国際空港に先輩隊員2名が行くことになった。筆者もひょんなことから同行することになった。出迎えを終えた帰りの車の中で、先輩隊員どうしが新米隊員を「ひとつからかってやろうじゃないか」と、協力隊事務所の現地使用人をお偉いさんに仕立てる話を始めた。こんな話は新米隊員に聞かれるとまずいので、日本語でするわけにはいかず、ピジン語で話すことになった。その話の中に「ミノサベ」が何度も出てきたという次第である。
 新米隊員はまんまと騙されたが、まじめな性格なので、かなり怒ったらしい。ちなみに、悪戯を企んだ先輩隊員の一人は某国際協力団体の事務局長にまで上り詰めた。一方、だまされた方の新米隊員も現在、某大学の教授だそうである。
 この局長の隊員時代の勤務地は、「ワウ」という小さな町で、ポートモレスビーからセスナ機で行くしかない。ここは珍しい蝶が見られるということで、筆者も一度訪れたことがある。このときは、だまされた方の隊員がだました隊員の後釜として(たぶん)勤務していた。
 ワウの空港は空港というより飛行場と言った方がいいところに到着した。
 パプア・ニューギニアは海岸部と幹線道路を除いては、道路網はまだまだ整備されていなかった。
 その「ワウ」の町はずれに、スペイン人が住んでいて、久しぶりにスペイン語を使う機会があった。
 筆者はその後、新潟県の某私立大学に奉職することになるが、なんと、この大学の生物学の先生もかつてテフテフの研究で Wau に行ったことが判明したのである。

ポチッとクリック、お願いします。
↓↓↓
スペイン語 ブログランキングへ

スペイン語とともに考える英語のラテン語彙の世界 (開拓社言語・文化選書)
好評発売中!!こちらは、このブログとは別物です。もちろん、トリビア満載です。
はじめてのピジン語―パプアニューギニアのことば


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ピジン語(5)Yu save? Savvy?

2014-08-12 06:38:38 | パプア・ニューギニア
 ピジン語の“save”に似ている英単語に“savvy”というのがある。この言葉は、「パイレーツ・オブ・カリビアン」のジャック・スパロー船長がよく使っていて、日本語字幕では「おわかり?」となっている。ちゃんとした英語では、“Do you understand?”だが、これをスペイン語の丁寧な疑問文に直すと”¿Sabe (usted)?”となる。主語の「あなた」(usted)はよく省略される。英語では“know”を“savvy”に置き換えて、“Do you savvy?”ということはなく、“Savvy?”だけでよい。ただ、“Savvy?”はあくまでも俗語なので、フォーマルな場では使えない。
 “Do you know?”はピジン語では“Yu save?”となる。“No”の場合の返事は、“Nogat, mi no save”である。
 ちなみに、“savvy”には「実際的知識」という名詞用法と「事情に精通している」という形容詞用法もある。
 ポチッとクリック、お願いします。
↓↓↓
スペイン語 ブログランキングへ

スペイン語とともに考える英語のラテン語彙の世界 (開拓社言語・文化選書)
好評発売中!!こちらは、このブログとは別物です。もちろん、トリビア満載です。
はじめてのピジン語―パプアニューギニアのことば


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ピジン語(4)「ミノサヴェ(わかりません(知りません)」

2014-08-11 06:34:47 | パプア・ニューギニア
 英語の“know”と“no”は同じ発音で、それが続くと分かりにくい。そこで“know”の代わりに選ばれたのがポルトガル語である。ポルトガル語の「知る」はスペイン語と全く同じ形である。原形は“saber”だが、使用頻度が高いのは直説法現在の3人称単数の活用形である。こちらもスペイン語と同様、“sabe”である。ただし、ピジン語では“save”(サヴェ)とつづられている。フランス語でスペイン語(またはポルトガル語)の“sabe”に対応するのは、原形“savoir”の直説法現在の2人称複数の活用形の“savez”(サヴェ)だが、フランス人(フランス語)の影響があるのだろうか。
 とにかく、“I don’t know”は“Mi no save”で、これはピジン語の素養が全くなかったころでも、すぐ意味が推測できた。ちゃんとしたスペイン語では“Yo no sé”(ジョ・ノ・セ)だが、“Mi no save”はブロークン・スパニッシュといったところだろうか。ブロークン・スパニッシュとしては“Mí no sabe”とつづるべきだろうが。コスタリカ人やメキシコ人に紹介したら、大いに受けた。
 「ターザン」もブロークン・イングリッシュを話すが、「ターザン」(スペイン語では“Tarzán”、発音は「タルサン」)の“I don't know”はスペイン語の字幕や吹き替えでは絶対に“Mí no sabe”にすべきである。

ポチッとクリック、お願いします。
↓↓↓
スペイン語 ブログランキングへ

スペイン語とともに考える英語のラテン語彙の世界 (開拓社言語・文化選書)
好評発売中!!こちらは、このブログとは別物です。もちろん、トリビア満載です。
はじめてのピジン語―パプアニューギニアのことば


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする