アメリカ、メイン州に位置する小さな孤島に、強大な嵐とともに「リノージュ」と名乗る、謎の男がやってくる。彼は不思議な力で、次々と島の人間を殺し「望みのものを渡せば立ち去る」というメッセージを残していく。望みのものを渡さなければ、島の人間が全員殺されると確信した彼らは、男の要求を飲むことにした。男の望みのものとは一体なんなのか?そしてこの男の正体は?
スティーブン・キングがTV用に初めて書き下ろし、制作にも携わったドラマシリーズだそうです。1999年の作品。
ABCで数回にわたって放映されたというから、短いと続かなかったんでしょうけれど、とにかく長いです。
DVD、2枚組ですもん。175分+90分。
ストーリーは面白いので、だらだらのばさないで、もっとコンパクトにまとめたらなお楽しめたのではないかと思いました。
謎の男は人殺しですから勿論怖いのですが、島民の集団心理の怖さもちょろっと感じさせます。
スティーブン・キングにしては(失礼)、結構奥が深い作品です(笑)。
島民は自分たちの命のために、男の要求を飲みますが、一人反対するのが保安官のマイク。マイクは「悪に屈してはいけない。みんなで戦おう」と言いますが、結局聞き入れられず、男は欲したものを手にし、去って行くのでした。
マイクは絶望し、家族をおいて一人で島を出て行きます。
そしてこの島でのイヤな思い出を払拭しかかった時に、再びあの男の姿を見る事に……。
私は男の望んでいることが何なのか、全く見当がつきませんでした。
それが知りたくて一気に見てしまった…。
でも実は、途中でそれとなくにおわせていたんですね。
見終わった後で「悪魔にも情ってあるのか~~」とちょっと不思議な気分になりました。
それからこのドラマは人間の描き方がうまいと思います。
見慣れた俳優はあまり出てきませんが、それがかえってよかったのかも。
「普通に暮らす善良な人達」をリアルに描き出す結果になったんだと思います。
マイク役のティム・デイリー。
私にはあまり馴染みのない俳優さんなのですが、なんとなく愛するヒューにちょっと似ていたりするんですよねえ。
謎の男「リノージュ」役のコーム・フィオーレ。
実は彼が見たくてこのDVDを買ったのですが、怪しい雰囲気がぴったりでした。
牙のようなものを見せるシーンが数回ありましたが、これはあまり必要なかったような気がします。コーム・フィオーレは黙っているだけで、不思議な雰囲気をかもし出せる実力を持っているからです。
なんとなくヴィゴを思わせる風貌。
最近の作品では「エミリー・ローズ」に出ているらしいので、レンタルしてみようかしら…。
そうそう「CROATON(クロートン)」って単語が途中で出てくるのですが、この言葉の意味を事前に知っているとなお楽しめるかも知れません。
自分は後でネットで調べて知ったのですが、1587年に、アメリカのロアノーク島の住人120人が全員、ある日忽然と姿をけしてしまうという事件がおこります。
唯一の手がかりは、木に掘られた「CROATON」の文字だけ。
死体も見つからなければ、その後、彼らを見たという人もいない。
400年たった今でも、住人がどうなったのか解明されていなんだそうです。
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