1994年、アフリカのルワンダでフツ族至上主義者たちにより何万、何十万もの人々が惨殺された。
にもかかわらず、アメリカやヨーロッパだけでなく国連でさえも救いの手をさしのべることをしない。
ホテルの支配人ポールはなんとか家族だけでも救おうと奔走するが…。
初めは家族のことしか考えていなかったポール(ドン・チードル)。
隣人がフツ至上主義者に連行されても「仕方がない。救えない」と見ないふりをします。
政府の高官たちにコネがあるポールに妻タチアナが「なんとか助けてあげて」と言うが「いざという時、家族に何かあった時に使う」と取り合わない。
それが彼を頼ってきた人々や、親を殺された孤児、傷ついた人々を見ているうちに段々と考えが変わってゆきます。
「この人達を見捨てることは出来ない。こんなことは許されない」と。
ポールは話術や賄賂を使い、機転をきかせ、フツ至上主義の民兵やルワンダ政府軍のビジムング将軍を懐柔したり翻弄したり、時にははったりをかましたりして、ホテルに避難している人たちを守ろうとします。
ポール役のドン・チードルは強さも弱さも持ち合わせた「普通の人」って感じがよかったです。
妻や家族を避難させるため平和維持軍のトラックに乗せ、自分だけホテルに残る場面には泣かされました(妻のタチアナのその時の顔がね…ぐっとくるんですわ)。
ハリウッドのメジャーな映画会社はデンゼル・ワシントンやウィル・スミスやウェズリー・スナイプスを使いたがったらしいですが、 彼等がやったらホントに「ヒーロー」になってしまいますもんね。
ニック・ノルティもよかった。
彼が演じたオリバー大佐は実在の人物ではなく、色々な人を合体して作ったキャラらしいですが、ポール達を助けたい気持ちがありながらも、平和維持軍の命令に逆らえないという葛藤やもどかしさをうまく演じていました。
この虐殺行為で殺された人は100日で実に100万にもおよんだそうです。
フツ族とツチ族間の諍いは過去から続いていたようですが、先進国による植民地化などにも原因があるんですね。
この残虐な行為は私たち先進国も無関係ではないはずなのです。
当時このニュースを一度は耳にしたはずなのに…うっすらとしか覚えていない自分…。じつにはずかしいことです。
この映画を見て社会や自分の愚かさを思い知らされました。
そんな意味でもこの映画を見てよかったと思うし、より多くの人にも見てもらえたらいいなと思います。