明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



北斎をなんとか展示出来る程度に仕上げて完徹。もうこの歳になるとこたえる。一日フラフラしていた。会場に行くとちゃんとまとまって展示されていた。これだから私は余計なことをしない方が良い。 子供の頃に、頭に浮かんだイメージは何処に行ってしまうんだろう。と思っていたが、私の制作は、そのイメージを取り出し、やっぱり在ったな、と確認したいが為である。という意味では、今までで最もその感じが出ているだろう。眉間にレンズを当てる念写が理想という意味でも、さらに昨年の自分を驚かせることも出来ただろう。 手漉き和紙が案外、カラフルな感じが合う。他のプリントとは色の調整がやっかいで、そこはプリンターの田村政実氏の尽力による。手漉き和紙を使用する他の人にないであろう利点は、私のあまりに生な企みを、作品としてぐっと落ち着かせてくれることにある。007がワルサーPPKにサイレンサーを付けることにより、より良い人殺しを実現させているようなものである。これは想定外の効果であった。 人の一生は高校生の夏休みのバイトのようなもので、慣れた頃には夏休みは終わるように出来ているのだろう。しかし自分が変わり続けることにより、夏休みはいくらでも長引かせることができると考えている。

銀座青木画廊「ピクトリアリズム展Ⅲ』5月12日(土)〜5月25日(金)20日(日休)4月23日(休)

『タウン誌深川』“明日できること今日はせず”連載8回『昭和残侠伝“唐獅子牡丹”三島由紀夫』

2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』 youtubeより

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