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マチ弁が暇なときに,情報提供等行います。(兵庫県川西市の弁護士井上伸のブログです。)

司法修習生の就職活動3(弁護士登録)

2006年03月04日 | ⑦法曹就職情報
一言で弁護士になると言っても,弁護士には大きく分けて,①法律事務所の弁護士,②企業内弁護士,③司法支援センター(法テラス)のスタッフ弁護士の3種類に分かれます。

1 まず,②については,正直よくわかりませんが,以前リクナビNEXT*で松下電器産業が企業内弁護士を募集していたのを見たことがあるので,普通の転職の場合の就職活動と同じようにやるのではないでしょうか。

2 次に,①法律事務所の弁護士の場合ですが,これは各事務所に直接就職活動して行くことになります。
日弁連の就職協定では修習開始後の10月1日から事務所訪問を受け付けてよいことになっていますが,大手事務所等では合格した年の11月から青田買いを開始し,早いところでは年内に内定を出すところもあります。また東京の事務所も修習生が関東にいる前期修習中に内定を出したりしてます。
それ以外でも10月1日解禁前に事務所訪問だけ受け付け,内定は出さないという所もあります。
もっとも10月1日解禁前の内定には,拘束力はないのです(内々定といべきか)。

(1)情報収集についてどの事務所が就職活動しているかの情報については,(ア)司法試験の合格祝賀会,(イ)各事務所のHP(インターネット等検索すると結構出てきます。),(ウ)就職説明会,(エ)日弁連のHP*,(オ)各弁護士会のHP*など,(カ)その他知人の紹介等でゲットします。

(ア)司法試験の合格祝賀会は,11月から12月に行われますが,LECや伊藤塾や関西では近畿弁護士会連合会の合格祝賀会では,大手法律事務所等が招待されており,パンフレットや名刺を配ったり,話をしていました。
その後,合格者が各自で採用担当者にメールや電話等で事務所訪問を申し込むことになります。

(イ)各法律事務所のHPは,早いところでは,合格した年の11月から募集を開始します。
それから随時募集する事務所が増えていきます。HPからエントリーしたり,メールを送ったりして,事務所訪問を申し込みます。

(ウ)就職説明会は,各弁護士会や弁護士会内の各会派(派閥)等が主催します。早いところでは,修習開始後の8月ころから開始します。メインは,やはり解禁後の10月以降にやります。
また,今年は年明け後にも弁護士会・会派等によってはやっているところもありました。
各修習生は,ここでパンフレットや名刺ももらったりして連絡先をゲットし,また,直接弁護士と話をしたりして,情報をさぐり,好みの事務所があれば,事務所訪問を後日メール等で連絡して申し込みます。

(エ)日弁連のHPに修習開始後の7月ころ募集事務所の情報が掲載されます。そこで情報を集め,採用担当者等にメール等で連絡を取り,事務所訪問を申し込みます。

(オ)弁護士会によっては求人情報をHP上に掲載します。また,それ以外でも弁護士会館に求人情報を置いて,閲覧ないし配布するところ,修習生に履歴等を登録させる制度を設けているところもあります。

(カ)その他知人の紹介等は,弁護修習先やその紹介,コネ等があります。

(2)事務所訪問事務所の説明,質問の受付,修習生の履歴書の提出(その場で書かすところもあり),自己紹介(自己アピール,志望動機,目指す弁護士像,やりたい仕事内容),事務所内の案内(執務室,相談室,図書室等)等を行います。
その後,食事会等をしたりします。事務所によって採用の最終決定方法は異なり,何回か会ってから決めるところや,パートナー(共同経営者)が全員会って決めるところ,採用担当者が決めた後大ボスが最終面接して決めるところなど,弁護士の多数決で決めるところ等々。事務所の経営形式や経営方針によります。大概は数回の事務所訪問によって何次面接か繰り返して決めるんでしょうね。

弁護士はその数だけ個性があり欲しい人材も千差万別です。勉強も遊びもしっかりしており,弁護士としての自分なりの良心もあり,常識ありれば,いくら就職難でも焦らずじっくりやれば必ず就職は決まるはずです。
就職活動に慣れていない人は,本命に行く前にいくつか他の事務所を回り,場慣れをしていた方がいいでしょう。
最初はよくわからず緊張して,一回の事務所訪問がとても疲れますが,5つぐらい行けばたいがい慣れてくるでしょう。 あと,最初の事務所訪問は,一人で申し込みますが,事務所によっては数人で来てくれと指定してくるところもありますし,数人で行くことをこちらからお願いすることも可能でしょう。
知っている者同士で行く方が,お互い自分も出せるし,緊張もやわらぎます。

3 ③司法支援センターのスタッフ弁護士の場合ですが,司法支援センターについては後日詳しく紹介して行こうと思いますが,簡単にいうと,2006年に設立される独立行政法人に準じた法人で、全国各地の裁判所本庁所在地や、弁護士過疎地域などに拠点事務所を開設し、市民の皆様に様々な法律サービスを提供する機関です。

スタッフ弁護士は,司法支援センターに所属する弁護士です。
確か,任期は3年だったと思います。
1年間一般の法律事務所(養成事務所)で実務をやりながら学んだ後,都市の刑事弁護や法律扶助事件の専門弁護士かどこかの過疎地に派遣されて弁護士をやることになります。
給料は,同期の裁判官・検察官と同程度だそうです。極めて公益性の高い弁護士であり,人のお金よりも人の役に立ちたい,でも安定した収入は欲しいという人向きです。
また,多くの研修を受けられ,鍛え上げられるので,早くスキルをつけたい人にも向いています。
前期修習のころから司法支援センターの説明会や研修が始まります。
説明会や研修は何回かあり,9月ころから司法支援センターの採用面接が始まります。
司法支援センターの内定を取ったら,今度はどの養成事務所に行くか,直接養成事務所に就職活動をします。
養成事務所が決まらない場合は,支援センターの方で斡旋もしてくれるそうです。また,最初に養成事務所の内定を取ってから,司法支援センターの内定を取るという方法もあるそうです。
とりあえず司法支援センターの詳しいことは下記をご参照下さい。 http://www.nichibenren.or.jp/ja/judical_support_center/index.html*

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