◎イノセンス(2004年 日本 100分)
監督・脚本/押井守 音楽/川井憲次
出演/大塚明夫 山寺宏一 田中敦子 大木民夫 仲野裕 竹中直人
◎GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊の続編
ブレードランナー讃歌みたいとでもいったら怒られるんだろうけど、ともかく、描かれている近未来の市街地は凄い。
どうしてこういう世紀末的な退廃が空間を覆っているのかわからないが、昭和時代に生きて、また20世紀の終わりを見届けたぼくらは、おのれが希望するしないに関わらず、ものごとの終末を垣間見ざるを得ない立場に立たされている。そんなことをおもいながら、観た。
球体関節人形も含め映像は凄い。
迷宮の中で禅問答しながら出口を探してゆくような物語で、続編かどうかなどという些細なことを問題にする必要はない。
中華情緒の樺太も禍々しくて良い。
自己陶酔的展開が少し辛い面もいささか感じられるものの、その画面のディティールに対する拘りと、圧倒的な迫力で展開される古謡的音楽の凄さは、脱帽する。