◎裏窓(1954年 アメリカ 112分)
原題/Rear Window
監督/アルフレッド・ヒッチコック 音楽/フランツ・ワッツマン
出演/ジェイムズ・ステュアート グレース・ケリー レイモンド・バー
◎車椅子に乗った目撃者
♪モナリザの流れる庭に殺人なんて、なんてまあ、お洒落だこと。
ま、愛しのリサを讃える歌は最後に流れるんだけど、前奏は住人の聞いているのは♪モナリザだ。
心憎い演出で、こういうのがヒッチコックなんだろな。
というより、もちろん、それもそうだし、庭に死体というトムハンクスも好きな設定や、覗かれる踊り子というデパルマも好きな設定とか、後世の物語に与えた影響は大なるものがあるんだよね。
とはいえ、あらためて観直すと、たしかに、なにもかもが古色蒼然とした観はある。でも、それは仕方のないことだし、他人の生活を覗いてみたいという衝動は、この先もずっと人間の心の暗黒面として存在するだろうし、ことにそれが男女の奇々怪々にして淫靡なものであればあるほど、人は興味をそそられる。
ヒッチコックの凄いところは、そういう人間の生まれ持った業を突きつけてくるところなんだよな~。