脱ケミカルデイズ

身の周りの化学物質を減らそうというブログです。 

喫煙すると薬が効かない 禁煙すると薬が効き過ぎる

2015年10月07日 | タバコ

日刊ゲンダイ2015年10月7日号
禁煙すると薬が効き過ぎる

 今回は、たばこと薬についての話です。その前にたばこに含まれる3大有害物質についてお話ししましょう。まずはニコチンです。ニコチンはニコチン依存を引き起こす原因物質で、中枢神経系に作用し、少量では興奮作用、大量では鎮静作用を示します。喫煙により、肺から吸収され全身に広がり、間接的には血管収縮作用ももたらします。また、代謝物は発がん性が認められています。

タールはフィルターに茶色く付着する、いわゆるヤニのようなべっとりしたもので、粒子相の総称です。タールには発がん物質として有名なベンツピレンをはじめ、アミン類など数十種類の発がん物質が含まれています。

最後の有害物質が一酸化炭素で酸素の200~250倍の強さでヘモグロビンと結合します。それにより血液の酸素運搬機能が阻害され、組織の酸素欠乏を引き起こします。他にも、多くの発がん物質やアンモニア・窒素酸化物などの有害物質があります。たばこの煙には4000種類の化学物質が合まれ、そのうち200種類以上は有害物質なのです。

そんなたばこと薬は当然ながら相性が良くありません。たばこを吸う人が薬を飲むと、効きにくいといわれています。それは、たばこに含まれるタール成分の中に肝臓の代謝酵素を増やす物質が含まれており、薬が代謝されやすくなるからです。

逆に禁煙した場合はこの代謝酵素が激減するので、薬が効き過ぎる場合があります。禁煙してから薬を飲むと調子が悪くなったという人は要注意。いずれにせよ、喫煙も禁煙しても医師・薬剤師に伝えることが非常に童要です。

▽近藤剛弘(こんどう・よしひろ) 薬学博士/薬剤師 ㈱ファイン総合研究所專務取締役/ファイン総合薬局岐阜大学病院前本局薬局長


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