脱ケミカルデイズ

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子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)について

2012年06月04日 | 化学物質

環境省では、子どもに対する大規模な疫学調査「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」を行っています。化学物質汚染その他の環境が子どもの発育にどのような影響を与えるか、長期にわたって追跡調査しようというものです。期間は2011年1月から2027年までを予定しています。現在大学等が協力して、20の地域でユニットセンターが立ちあがっていますが、なぜか東京では協力機関が現われず、空白地域のままです。

国際的にも、米国、欧州、中国などで同様の試みがあり、こうした調査に関する国際連携・協力を進めるための国際作業グループ会合も持たれています。今年2月27日と28日に、北九州市で、第4回会合と、シンポジウムが開催され、その結果も公表されています。

 

エコチルとは http://www.env.go.jp/chemi/ceh/

環境省では、日本中で10万組の子どもたちとそのご両親に参加していただく大規模な疫学調査「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」を開始しました。
「エコロジー」と「チルドレン」を組み合わせて「エコチル調査」です。

赤ちゃんがお母さんのお腹にいる時から13歳になるまで、定期的に健康状態を確認させていただき、環境要因が子どもたちの成長・発達にどのような影響を与えるのかを明らかにします。
環境リスクが私たちの健康に与える影響を明らかにするために、従来から動物実験、基礎研究を中心としたメカニズムの解明が図られてきました。

一方で動物と人間とでは、形態学的、生理学的に大きな違いがあることから、動物実験の結果だけから人間の健康影響を知ることは困難です。
人間になんらかの影響が生じているのかどうかを、実際に人間の集団で観察する疫学的なアプローチが重要になります。脆弱(ぜいじゃく)であるとされている子どもたちの健全な成長・発達に、環境要因が与える影響を明らかにすることは重要です。化学物質の曝露や生活環境など、胎児期から小児期にわたる子どもたちの成長・発達に影響を与える環境要因を明らかにするため、環境省では疫学調査によるアプローチを計画しました。それが、エコチル調査です。

環境省が実施するエコチル調査は、「胎児期から小児期にかけての化学物質曝露をはじめとする環境因子が、妊娠・生殖、先天奇形、精神神経発達、免疫・アレルギー、代謝・内分泌系等に影響を与えているのではないか」という大きな仮説(中心仮説)を解明するために、化学物質の曝露などの環境影響以外にも、遺伝要因、社会要因、生活習慣要因など、さまざまな要因について、幅広く調べていきます。

 

環境省2012年2月29日 次世代の大規模出生コホート調査の協調に関する国際作業グループ及び子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)国際シンポジウムの結果について(お知らせ) http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=14908

平成24年2月27~28日、北九州国際会議場(福岡県北九州市)にて、次世代の大規模出生コホート調査の協調に関する国際作業グループ第4回会合(世界保健機関(WHO)主催)と子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)国際シンポジウム(環境省主催、以下エコチル調査国際シンポジウムという。)が開催されました。

 国際作業グループには、昨年1月に始まった我が国の「子どもの健康と環境に関する全国調査」(エコチル調査)や、米国で予備調査が行われている「全米子ども調査」のほか、ドイツ、フランス、中国の出生コホート調査(人口集団を出生時から追跡する疫学調査)関係者が参加し、国際作業グループの活動に関する「原則の声明」に署名するとともに、国際的な連携、調査手法の共通化・標準化に向けての活動計画に合意しました。

 エコチル調査国際シンポジウムでは、横光克彦環境副大臣の出席の下、世界で進められている子どもの健康に関する大規模追跡調査について、各国の研究者から紹介するとともに、国際作業グループ会合の結果を報告し、エコチル調査の取組状況や今後への期待などに関し、産業医科大学の研究者、北九州市担当官を交えてのパネルディスカッションを行いました。

 

 


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