昨年夏は原発事故に伴う節電で、冷感タオルという商品がヒットしましたが、今年も同じような製品が店頭に並び始めました。
今年1月には、国民生活センターが、それらが湿疹・かぶれの原因になるとして、注意を呼びかけています。
それらの製品は、水に濡らしただけでひんやりして、冷感が得られるというものです。水の蒸発気化の作用で熱が下がるのと、布そのものがひんやりした感触がするようになっています。
それらの布は主にポリエステル繊維を、ポリビニルアルコール樹脂で加工したもので、乾いた状態では固く、水にぬれると柔らかくなる性質をもち、そのために、水にぬらした状態でパッケージされて販売されます。問題は、腐敗や異臭を防ぐために、防腐剤(防かび剤)が含まれていて、それにより皮膚がかぶれたり、腫れあがったりしたという苦情が全国の消費生活センターに寄せられました。問題となった防腐剤は、主としてイソチアゾリン系の2-n-オクチル-4-イソチアゾリン-3-オン(OIT)で、イソチアゾリン系防腐剤は、重篤なアレルギー性接触皮膚炎を起こすとの報告がある成分です。国民生活センターが調べた製品には、化粧品などに防腐剤としてよく使われる安息香酸が添加されているものもあり、これも刺激性が強く、アレルギー反応を引き起こしやすい物質です。
かくいう私も、当該商品を昨年購入してみましたが、少し乾くと端のほうが固くなりはじめ、その感触が不快で、すぐに使うのをやめました。普通の濡れタオルで十分ではないでしょうか。ちなみに、水分を含んでいる製品(水溶性塗料とか)には必ず防腐剤が入っているので注意しましょう。
国民生活センター2012年1月19日 水でぬらすだけで冷感が得られることをうたったタオル ―湿疹・かぶれの原因となることも―
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20120119_1.html
厚労省2010年3月24日 冷却パッドの使用に伴う重大製品事故について
冷却バッドの中の含水ジェル中の防腐剤OITが製品表面に染み出して、アレルギー性接触皮膚炎を引き起こした。
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