脱ケミカルデイズ

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PM2.5「風任せ」の濃度予測 過剰反応は不要

2014年03月20日 | 化学物質

神戸新聞2014年3月18日(火)11:00
PM2.5「風任せ」の濃度予測 過剰反応は不要
http://news.goo.ne.jp/article/kobe/life/kobe-20140318003.html

 2月下旬に兵庫県内で初めて注意喚起が出され、健康への影響が懸念される大気中の微小粒子状物質「PM2・5」。濃度はいったん下がったが、再び上昇傾向を見せ始めた。春は黄砂とともに中国大陸から飛来しやすいとされるが、観測する自治体などは「予測は難しい」と戸惑い気味だ。一方で、専門家は「過剰に反応する必要はない」と冷静な対応を呼び掛ける。(黒田勝俊、高田康夫)


 国は昨年2月、1日平均濃度が大気1立方メートル当たり70マイクログラム(マイクロは100万分の1)という注意喚起のための暫定指針値を示した。これを超える恐れがある場合は、都道府県が住民に外出自粛などを呼び掛ける。

 全国的に濃度が上昇した2月26日午前、兵庫県は播磨東部に注意喚起。実際に1日平均濃度は播磨東部の4カ所(加古川市別府、同市役所、高砂市役所、稲美町役場)で暫定指針値を超え、対応の正しさを裏付けた。

 「前日の午後から濃度が上がり始めたので警戒していた」と県水大気課。だが、「大陸からの飛来は気象に左右される。精度の高い予測はできない」と明かす。文字通り“風任せ”というのが実情という。

 国立環境研究所地域環境研究センター(茨城県)の菅田誠治主任研究員によると、中国大陸から風を受けやすく、紫外線量が多い2~5月は濃度が上がりやすいと考えられる。西日本では過去、5月に暫定指針値を超えている日が多いが、データはまだ3年分しかなく、同研究員は「傾向分析にはもっと蓄積が必要」とする。

 健康への影響はどうか。暫定指針策定に関わった兵庫医科大の島正之教授(公衆衛生学)は「呼吸器の病気がある人はリスクが高まるとされるが、日本の暫定指針値の10倍にもなる中国とは事情が異なる」と指摘する。

 よく話題となる花粉症との関連についても「花粉症を悪化させることを明確に示すデータはない」と強調した上で、「濃度が高い日はマスク着用が望ましいが、過敏になる必要はない」としている。