脱ケミカルデイズ

身の周りの化学物質を減らそうというブログです。 

牛脂注入肉とは?

2013年11月10日 | 食品

有名ホテルなどによる食材偽装が全国的に発覚しています。
その中で耳慣れない言葉が、「牛脂注入牛肉」。これに添加されるのは「牛脂」だけではないとのことです。

日刊ゲンダイ2013年11月9日号
食材偽装は当たり前 一流ホテルの厨房事情④ ルポライター・吾妻博勝
海外の"廃牛肉"が、日本で霜降り肉に変身

一般には聞き憤れない言葉だが、肉好きなら知らぬ間に口にしているのが牛脂注入肉だ。
どんな肉かというと、肉質の硬い赤身牛肉に牛脂液を注入した人工霜降り肉のこと。ショ糖エステルなどの乳化剤で牛脂の塊を液状化させ、注射針を束ねたような自動器具でそれを赤身に注入すれば、客を欺く霜降り肉が出来上がる。その際、牛脂液と一緒に注入するのが、食肉業界ならではの"軟化剤"だ。うま味成分のアミノ酸を引き出し、同時に肉も軟らかくする。
搾乳効率が落ちたホルスタイン種や、出産能力が低下した繁殖用老齢牛は本来、"廃牛"扱いとなり、屠蓄・解体される。オーストラリアでは、その種の硬い肉は動物園で肉食獣のエサにされるのが関の山だ。
とはいえ、世界一の蓄産国だけに動物園だけでは始末しきれない。そこで大量の廃牛肉が日本に押し寄せてくる。それが牛脂注入によって霜降り肉に化けるのだが、食肉加工業者によれば、「牛脂は和牛のものを注入するのが鉄則」だ。そうすると、和牛のうま味と香りがのり移り、肉食獣のエサが大変身。一気に商品価値が高まり、全国の大手スーパーにも並ぶし、ファミレスや焼き肉店では"極上霜降り肉""高級カルビ"になったりする。

また、ちょっとちがう加工肉に、「成型肉(結着肉)」というのがあるそうです。

同上
また、細切れにすれば、サイコロステーキになるが、これには別の作り方もある。寄せ集めのクズ牛肉を結着剤のカゼインナトリウムアルカリ性糊料などで練り固め、それに牛脂を注入して完成させるのだ。ただし、あくまでも成型肉だから、カレーやシチューなどの煮込み料理ではバラバラになってしまう。
問題なのは、細切れのクズ肉ゆえに、全体が外気にさらされ、。汚染(細菌付着)のリスクが高いこと。それが固められることで細菌が内部に閉じ込められるため、衛生管理や調理に不手際があれば、食中毒を引き起こす危険性があるし、すでに相当数の被害者が出ている。
牛脂注入肉は、脂によるうま味と引き換えにカロリーを増加させているので、高血圧症や血糖値が高い肉好きは過食に注意すべきだ。一方、細切れ肉の接着をよくするため、リン酸塩が添加されていることにも要注意。リン酸塩の取り過きはカルシウム吸収を阻害して骨をもろくさせ、また動物実験では、腎臓結石ができることが確認済み。

 

これでは、食材というより、まるで加工食品そのものです。たんに景品表示法違反(優良誤認)だけですむ問体ではありません。海老の種類偽装や、産地偽装なら、材料が海老であることには違いがないけれど、客が知らないうちに様々な添加物を食べさせられている分、より罪深いのではないでしょうか。
外食メニューにも食品並みの原材料表示が必要ということになります。