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脱ケミカルデイズ

身の周りの化学物質を減らそうというブログです。 

石綿で公務災害認定 死亡の小学教諭に さいたま地裁

2016年07月21日 | アスベスト

毎日新聞2016年7月21日 東京朝刊
石綿で公務災害認定 死亡の小学教諭に さいたま地裁
  http://mainichi.jp/articles/20160721/ddm/041/040/102000c

 

 埼玉県戸田市立喜沢(きざわ)小学校の教諭だった男性が中皮腫で死亡したのは校舎のアスベスト(石綿)が原因として、妻(64)が地方公務員災害補償基金を相手取り、公務外災害と認定した処分を取り消すよう求めた訴訟で、さいたま地裁(志田原(しだはら)信三裁判長)は20日、処分を取り消す判決を言い渡した。原告側弁護団によると、裁判所が公立学校教師の石綿被害による公務災害を認定するのは全国初という。

 判決によると、男性は1980〜88年に同小に勤務し、2007年に心膜中皮腫で54歳で死亡。基金側は「同小に石綿は施工されていない」と主張したが、志田原裁判長は原告側の主張に基づき「同小の校舎で使われていたアスベスト建材を除去したという市議会の議事録は信用できる」と認め、男性の死因について「同小における石綿のばく露以外にあり得ない」と判断した。

 妻は基金に公務災害認定を請求したが公務外と認定され、14年に提訴した。【鈴木梢】


熊本地震、倒壊建物アスベスト対策、防じんマスク無償配布

2016年04月24日 | アスベスト

読売新聞2016年4月24日(日)9時45分配信 
倒壊建物アスベスト対策、防じんマスク無償配布
http://news.nifty.com/cs/domestic/societydetail/yomiuri-20160423-50108/1.htm

 

  熊本県を中心に相次いでいる地震で倒壊した建物から、有害物質「アスベスト(石綿)」が飛散する恐れがあるため、環境省と厚生労働省は22日、防じんマスク計6万6580枚を被災者やボランティアに無償で配布すると発表した。

  石綿は吸い込んで肺の中に入ると、中皮腫や肺がんなどを引き起こす恐れがある。環境省によると、使用が規制された1995年以前に建った鉄筋コンクリートや鉄骨造りの建物には、石綿を含む建材が使われたり、石綿が吹き付けられたりしているケースがある。

  2011年の東日本大震災でも、建物の倒壊や解体作業で石綿が飛散する危険性が指摘された。同省は「倒壊した建物の周辺や、がれき置き場などで作業する際は、必ず防じんマスクを着用してほしい。石綿が見つかった場合は近づかないように」と注意を呼びかけている。


石綿対策せず施工 大林組と慶応大に横浜市が指導 

2016年03月20日 | アスベスト

毎日新聞2016318日 地方版
石綿対策せず施工 大林組と慶応大に横浜市が指導 /神奈川
http://mainichi.jp/articles/20160318/ddl/k14/040/254000c

 

 大林組(東京都)が昨年11月に施工した慶応大矢上キャンパス(横浜市港北区)の改修工事で、天井の一部にアスベスト(石綿)が含まれているのが見落とされ、飛散防止策が講じられていなかったことが17日、分かった。横浜市は16日、大林組と慶応大に対し、大気汚染防止法に基づき再発防止策の提出を求める行政指導をした。

 大林組によると、理工学部の研究棟にある実験室の天井の塗装とコンクリートの間にあった建材(重さ150キロ)に石綿が使用されていた。天井の工事は昨年11月に2日間にわたって行われ、3人の作業員が従事した。

 大気汚染防止法は、工事の前に石綿の使用の有無を調査し、使用があった場合は自治体へ届け出たうえで、飛散防止策を施すよう求めている。ところが現場担当者が「過去に除去されており、調査は不要」と判断して工事を開始。一般の粉じん飛散防止策しか講じられていなかった。

 情報提供を受けた市が4日に建材の石綿の含有率を調べたところ、8・5%と判明。国は0・1%を超える建材について「石綿がある」と認定しており、基準を上回るものだった。【水戸健一】


建材メーカーの責任、初めて認定 京都地裁判決

2016年01月30日 | アスベスト

毎日新聞2016129日 1544
建材メーカーの責任、初めて認定 京都地裁判決
http://mainichi.jp/articles/20160129/k00/00e/040/280000c

 

 建設作業中にアスベスト(石綿)を吸い込み健康被害を受けたとして、京都府内の元建設作業員や遺族ら27人が、国と建材メーカーに計約10億円の損害賠償を求めた訴訟で、京都地裁(比嘉一美裁判長)は29日、国と建材メーカー9社に対し、総額約2億1600万円の支払いを命じる判決を言い渡した。メーカーの責任を認めたのは初めてで、労働関係法令の保護対象ではない「一人親方」といわれる個人事業主の救済につながる司法判断となった。

 判決は▽国が原告15人に計約1億400万円▽メーカー9社(原告ごとに企業は異なる)が原告23人に計約1億1200万円−−を支払うよう命じた。建設アスベストの集団訴訟の判決は5件目。国の責任を認めた判決は、2012年の東京地裁、14年の福岡地裁、今月22日にあった大阪地裁に続き4件目。

 比嘉裁判長は、メーカーと国は1971年には、石綿が含まれた建材を建設現場で使用することで、労働者に肺がんなどの病気が発症することを予見できたと指摘。メーカーが製造販売にあたって警告表示をしなかったことを「加害行為」と認定した。

 そのうえで、「おおむね10%以上のシェアを有するメーカーの建材であれば、労働者が年1回程度はその建材を使用する現場で従事した確率が高く、被害を与えた蓋然(がいぜん)性が高い」と判断し、その基準を満たす9社に責任があると結論付けた。

 「一人親方」については従来の判例通り、労働関係法令の保護対象外とする一方、「(一人親方を)保護する法律を定めなかった立法府の責任を問うことで解決されるべき問題」と付言。メーカーの警告表示義務違反を認めたことで、作業現場にいた「一人親方」10人への賠償を初認定した。

 国の責任については、▽吹き付け作業は72年10月▽屋内作業は74年1月▽屋外作業は2002年1月以降−−にはそれぞれ、防じんマスクの着用義務付けなど規制をすべきだったと判断した。

 判決後に記者会見した原告側の村山晃弁護団長は「企業はこれまで責任回避を続けてきたが、判決は言い逃れは許さないと明確に企業責任を認めた。被害者を救済しなければいけないという心のこもった判決だった。国と企業にしっかり履行を求めていく」と述べた。【鈴木理之】


建設現場の石綿訴訟、国に3件連続で賠償命令 大阪地裁判決

2016年01月23日 | アスベスト

日経新聞2016年1月22
建設現場の石綿訴訟、国に3件連続で賠償命令 大阪地裁判決 
http://www.nikkei.com/article/DGXLASHC22H2P_S6A120C1000000/

  建設現場でアスベスト(石綿)を吸い込み肺がんなどを発症したとして、大阪府などの建設労働者と遺族が国と建材メーカー41社に計約6億9千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、大阪地裁(森木田邦裕裁判長)は22日、一部の原告に対する国の責任を認め、14人に計9746万円を支払うよう命じた。メーカーへの請求は棄却した。

 全国6地裁に提訴された同種訴訟で4件目の判決。国は3件連続で敗訴した。

 原告は1937~2011年に建設現場で働いていた元労働者と遺族ら。結審後に2人が死亡し、22日現在では計33人になっている。

 判決理由で森木田裁判長は、国は遅くとも石綿の吹き付け作業などを禁止した75年には具体的危険性を認識できたのに、95年まで防じんマスク着用を義務付けるなどの対策を講じなかったのは「著しく合理性を欠き違法」とした。

 原告のうち「一人親方」と呼ばれる個人事業主については、労働法令の保護対象外で国は賠償責任を負わないとして請求を退けた。最大の争点だったメーカーの責任も「加害企業の範囲が特定されていない」などとして認めなかった。

 建設労働者の石綿被害を巡る集団訴訟では、12年5月の横浜地裁判決が原告敗訴としたが、続く東京地裁判決(同年12月)と福岡地裁判決は国に賠償を命令。メーカーの責任はいずれも認めなかった。3件とも原告や国がそれぞれ控訴し、高裁で審理中。29日には京都地裁で5件目の判決が言い渡される予定だ。

 

 厚生労働省の話 国の主張が認められなかった点もあり、厳しい判決。判決内容を十分検討し、関係省庁と協議した上で対応したい。