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オドラニエル・ソリス対レイ・オースティン(2010/12/17)

2010-12-22 19:53:26 | ボクシング
WBCヘビー級王座挑戦者決定戦

アテネ五輪金メダリストのキューバ人、オドラニエル・ソリス選手(Odlanier Solis)が米国のベテラン、レイ・オースティン選手(Ray Austin)とWBCの指名挑戦権を争った一戦は米国フロリダ州で行われ、ソリス選手が10回失格勝ちで勝利してビタリ・クリチコ選手の保持する王座への指名挑戦権を獲得した一戦でした。(体格比較)

ダメージと疲労でヘロヘロになっていた10回のオースティン選手。ソリス選手の右ストレートや左フックを食って攻め込まれた場面での執拗なホールディングがこの回から増えだします。ラウンド中盤にはホールディング状態からもつれるように倒れ、その倒れた状態でもなおソリス選手を掴んで放そうとせず、ソリス選手をもひきずり倒そうとしているようにも見えた場面で減点が告げられます。
さらにこの回終了寸前に、ソリス選手に抱きついた状態のままソリス選手をロープに押しこんで倒れこんでみせたオースティン選手。
ロープを使ったバックブリーカーをソリス選手に仕掛けたような格好で、エビ反り状態を強いられたソリス選手。これだけでもかなり悪質な行為だったのですが、ようやく両者が引き離された場面でオースティン選手が一発パンチを見舞った場面でオースティン選手の失格が告げられての最後でした。


9回終了時までのスコアが88-82ソリス、86-84オースティン、85-85ドロー、と割れていたのが非常に意外に感じられた試合で、わたくし的にはスタートからソリス選手がペースを掌握していたように見えた流れでした。
非常にシャープだった左フックをリードや相手の打ち終わりに正確にヒットさせ、右ストレート、右アッパーで大柄な米国人をコントロール。
5回には左フックや右アッパー、右ストレートを次々に決めて効かせ、最後はカウンターの左ジャブでノックダウンを奪ったソリス選手。
中盤以降は手数を減らして休むラウンドを作りながらもペースはしっかりと握り続け、10回もソリス選手の強く正確な攻撃が再三オースティン選手をキャッチしていて、とても接近していた公式スコアが信じられない内容に私には思えました。シロート採点88-82ソリス。

CompuBox Punch Stats: Odlanier Solis vs. Ray Austin

シャープな左フックと攻防両面での技術の高さというか上手さが目を引いたこの日のソリス選手。この日の相手オースティン選手よりもまだ大きいビタリ選手ですが、前捌きの上手さでビタリ選手の長い距離は案外苦にしないかもしれません。
とは言うものの軽~いパンチしか打っていなかったこの日のオースティン選手とは比べものにならないビタリ選手の攻撃の威力、プレッシャーに苦戦は必至かも。
ただソリス選手の持ち味が発揮できる展開も十二分にありえる、と感じたこの日の内容でした。楽しみです。

ソリス選手は17勝(12KO)。オースティン選手は28勝(18KO)5敗4分。




Odlanier Solis Beats Austin By DQ, a Very Strange Ending(Chris LaBate/Boxing Scene)
写真
Solis wins by DQ, Vitali next(Phil Doherty at ringside,Photos: David Martin Warr/Fightnews)
Photos: Solis-Austin, Cloud-Zuniga, Mayorga-Walker(Boxing Scene)

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4 コメント

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Unknown (条助)
2010-12-24 01:30:37
あれはソリスを道連れにしてリング下へ落下して、試合を無きものにするつもりだったんですかね?かなわないと見てヤケクソになるにしても悪質ですねー。
まあしかし、ビタリvsソリスは最近のヘビー級の中では面白そうです。
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うーん (まっからむ)
2010-12-25 00:45:53
それなりに上手いと思いますが、スピードの無さと伸び上がって打つ左フックを見ると、ビダリのハードなジャブに小突き回されつつ、左フックに合わせた撃ち落としの右ストレートでヤラれてしまいそうに思います。
もう少しスピードがあればなあ。
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Unknown (管理人)
2010-12-25 09:35:21
>条助さん
とりあえずソリスにとって勝負に出るには今が一番良いタイミングのように思えます。
勝てるとはあんま思えないんですが、私は結構期待してます。

>まっからむさん
それなりに、ではなく相当なレベルで上手い、と私は思ってます。
もっさりとした全体の動きに比べてハンドスピードはありますし。
とは言うもののクリチコ兄弟に通用するパワーが皆無に見えるのは痛いですね。
ビタリとウラジの違いがありますが、速くて上手いチェンバースが全く通用しなかったですし。

ビタリの対ゴメス戦の前もゴメスが持ち味を見せる展開を結構期待してたんですが、結果はご存知の通り。
ソリス対ビタリも全く同じようなことになってしまう危惧もあります。それはそれで見たい気もします。
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Unknown (リゴンドー)
2011-02-08 03:12:43
陣営も本人も勝つ気満々だし、タイミング的にもベスト。
苦戦必至ですが、期待しております。
一番鍵になるのは、やはりパワー不足がどう影響するか、というところでしょう。
相手のリードを殺して、ショートのカウンターでプレシャーをかけられないと非常に苦しい。
かと言って、見過ぎてもダメ。
ソリスから先手をとりつつ、ビタリの左や右にビシバシカウンターを合わせて距離を潰すくらいじゃないと、勝てませんね。
振り回してただけで、届かず、ガードできずのアレオラはまるで通用しませんでした。
スピードを活かそうとしたゴメスの戦法自体は正しかったと思うんですが、
いかんせん耐久力&攻撃力が低すぎ、圧力で下がってしまって、ダメだった。
ソリス陣営がそうした事例をどう踏まえて戦術を組むのか、興味深いです。
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