Bangkok, Kukrit Pramoj House.
初日と同じ会場。今日は全て劇場(?)にて。外は一時大雨。
▼Jecko Siompo, Tikus Tikus
もう一度これを見ることができて嬉しかった。一昨日は二人の動きの同質性に目が行ったが、今日は女性ダンサーの方がシェイプが強く、くっきりしていて、それに対してジェコ・シオンポはもっとリラックスして踊っているのがわかった。中は固いのだけど外の方は柔らかい果物のような、こういう悠揚とした踊りっぷりをもっと集中して見てみたい気がする。デュオだとどうしてもコントラストが立ってしまって、余計な力を抜いた踊りはなかなか目立たなくなる。
▼Hun Pen + January Low, Seen Silent
カンボジアの Hun Pen はカンボジア舞踊、インド系マレーシア人の January Low はオディッシーを専門にしていて、それぞれが自分の踊りを見せたり、互いの踊りを交換したり、あるいはダンスを習得する過程でのぶっちゃけたエピソード(苦痛とか、性的なことなど)を公然とお喋りしたりするという作品。初演。オディッシーは垂直的に刻まれるカウントで力強くステップを踏みながら体の向きを操作し、カンボジア舞踊の方は入り組んだ曲線のポーズを彫像のように見せる。1+1が単純に2になっていて、啓蒙的で、あまり面白いとは思わないが、若いダンサーが古典の外に出て行く、とば口のようなものだとしたら、言葉を使って簡単に踊りの「外」に立ってしまう前に、まずは動きと身体に内在し続けてみて欲しいと思った。作品タイトルも、踊り子=サバルタンという、しかしそんなに単純なことだろうか。
▼Dick Wong + Wannasak Sirilar "Kuck", Encounter #1
二回目でも、もう少し楽しめるかなと思ったが、何が起きるんだろうという期待感のテンションが自分の中になくて、ちょっとつらかった。Kuck は「バレエ風に」という指示を全うしていた。
▼Fahmi Fadzil, Wayang Buku
マレーシアの二人組のパフォーマンス。Buku は Book だから、「本のワヤン」といった感じ。電球のパッケージに電球を入れて、影絵を見せる導入部分は気合を感じたのだが、大統領と首相のヘナチョコなコントでTVを批判したりするくだりからちょっと厳しくなり、どんどん冗長に伸びていって最後は観客も疲弊してしまった。メインは、色々な本を登場人物として扱って茶化す場面で、『Very Thai』(現代のタイ文化を紹介した英語のベストセラー本)、アンダーソン『想像の共同体』、アドルノ『本来性という隠語』、リチャード・シェクナー、ウィニッチャクン『地図がつくったタイ(Siam Mapped)』、Live Arts Bangkok のプログラムなどが並べられる(後で聞いたら、もともとは書店イヴェントとして上演したものらしい)。方向性としては好きだが、もう少し表現としてのクオリティを上げないと。LABのパンフレットがなかなか立たなくて、風で揺れて何度も倒れてしまったところがあったが、せっかく紙が生き物のようなアナログな動きを見せてくれているのに、パフォーマーは全然絡んでいかなくて、勿体ないなあと思った。
初日と同じ会場。今日は全て劇場(?)にて。外は一時大雨。
▼Jecko Siompo, Tikus Tikus
もう一度これを見ることができて嬉しかった。一昨日は二人の動きの同質性に目が行ったが、今日は女性ダンサーの方がシェイプが強く、くっきりしていて、それに対してジェコ・シオンポはもっとリラックスして踊っているのがわかった。中は固いのだけど外の方は柔らかい果物のような、こういう悠揚とした踊りっぷりをもっと集中して見てみたい気がする。デュオだとどうしてもコントラストが立ってしまって、余計な力を抜いた踊りはなかなか目立たなくなる。
▼Hun Pen + January Low, Seen Silent
カンボジアの Hun Pen はカンボジア舞踊、インド系マレーシア人の January Low はオディッシーを専門にしていて、それぞれが自分の踊りを見せたり、互いの踊りを交換したり、あるいはダンスを習得する過程でのぶっちゃけたエピソード(苦痛とか、性的なことなど)を公然とお喋りしたりするという作品。初演。オディッシーは垂直的に刻まれるカウントで力強くステップを踏みながら体の向きを操作し、カンボジア舞踊の方は入り組んだ曲線のポーズを彫像のように見せる。1+1が単純に2になっていて、啓蒙的で、あまり面白いとは思わないが、若いダンサーが古典の外に出て行く、とば口のようなものだとしたら、言葉を使って簡単に踊りの「外」に立ってしまう前に、まずは動きと身体に内在し続けてみて欲しいと思った。作品タイトルも、踊り子=サバルタンという、しかしそんなに単純なことだろうか。
▼Dick Wong + Wannasak Sirilar "Kuck", Encounter #1
二回目でも、もう少し楽しめるかなと思ったが、何が起きるんだろうという期待感のテンションが自分の中になくて、ちょっとつらかった。Kuck は「バレエ風に」という指示を全うしていた。
▼Fahmi Fadzil, Wayang Buku
マレーシアの二人組のパフォーマンス。Buku は Book だから、「本のワヤン」といった感じ。電球のパッケージに電球を入れて、影絵を見せる導入部分は気合を感じたのだが、大統領と首相のヘナチョコなコントでTVを批判したりするくだりからちょっと厳しくなり、どんどん冗長に伸びていって最後は観客も疲弊してしまった。メインは、色々な本を登場人物として扱って茶化す場面で、『Very Thai』(現代のタイ文化を紹介した英語のベストセラー本)、アンダーソン『想像の共同体』、アドルノ『本来性という隠語』、リチャード・シェクナー、ウィニッチャクン『地図がつくったタイ(Siam Mapped)』、Live Arts Bangkok のプログラムなどが並べられる(後で聞いたら、もともとは書店イヴェントとして上演したものらしい)。方向性としては好きだが、もう少し表現としてのクオリティを上げないと。LABのパンフレットがなかなか立たなくて、風で揺れて何度も倒れてしまったところがあったが、せっかく紙が生き物のようなアナログな動きを見せてくれているのに、パフォーマーは全然絡んでいかなくて、勿体ないなあと思った。