こまばアゴラ劇場にて。
評判の五反田団を初めて見た。立ちションが止まらなくなるというアイディア一発で転換もなしに80分引っ張るのだが、これって要するに『ゴドーを待ちながら』的なドラマトゥルギー。やはり沈黙しても無駄話しても間がよくもつわけである。実際に「待つ」という主題はいくつも仕掛けられていて、さらに「待っていなかった(現われないでほしかった)女が来てしまう」というネタもある。『水の駅』を髣髴とさせる長い長い放尿は動物的快楽の常態化すなわち「緩慢な死」だとか、それが異性愛による家族的秩序の回復によってのみ解決されるのはどうしてかとか色々言えるのだが、基本的に「演劇」を疑う姿勢が希薄なのでぼくには刺激が足りなかった。せめて道にあふれた大量の水が何か機能してほしいところだ。役者陣では、演出の前田司郎だけがセリフに微細なニュアンスを盛り込んで笑わせてくれる。他の人たちにはそれほど念入りに演技をつけていないのではないか。
評判の五反田団を初めて見た。立ちションが止まらなくなるというアイディア一発で転換もなしに80分引っ張るのだが、これって要するに『ゴドーを待ちながら』的なドラマトゥルギー。やはり沈黙しても無駄話しても間がよくもつわけである。実際に「待つ」という主題はいくつも仕掛けられていて、さらに「待っていなかった(現われないでほしかった)女が来てしまう」というネタもある。『水の駅』を髣髴とさせる長い長い放尿は動物的快楽の常態化すなわち「緩慢な死」だとか、それが異性愛による家族的秩序の回復によってのみ解決されるのはどうしてかとか色々言えるのだが、基本的に「演劇」を疑う姿勢が希薄なのでぼくには刺激が足りなかった。せめて道にあふれた大量の水が何か機能してほしいところだ。役者陣では、演出の前田司郎だけがセリフに微細なニュアンスを盛り込んで笑わせてくれる。他の人たちにはそれほど念入りに演技をつけていないのではないか。