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ダンスとか。

若尾伊佐子 『サ・カ・マ・ル・ン・ド VI カケラ』

2004-04-03 | ダンスとか
千駄木・ブリックワン。
完全に知らない人だが、「無音、即興」に釣られた。まず一分の隙間もないような全暗になり、そこへ白い影がぼんやり歩み出てきて、正面にじっと佇んでいる冒頭が凄まじかった。光量が足りなくてヴィデオのオートフォーカスがなかなかキマらない時のように、眼の筋肉が勝手に動いてしまい、焦点が合わない。見えたと思ったらぼやけ、また突然クリアになったかと思うとジワーッと闇に溶けていく。しかもそれが白い人型なのだから恐ろしい。控え目な照明が入ると白いレオタードに白いTシャツを着ていた。以後照明はアトランダムな感じに比較的せわしなく変化する。動きは緩慢で、どちらかというと内側に集中するのだが、もろに舞踏っぽいわけではなく、非常にカテゴライズしづらい。そういう踊りに出会うと、自分の側も何か新しいチャンネルが開くのではないかとワクワクしてくるのだが、あろうことかこの日は客席が最悪だった。わずか20人ほどなのに、ぼくの後に座っている人はずっと口をクチャクチャさせているし(しかも何か食ってゲプッとかいってる)、子供がトイレに行きたがったり、いびきが聞こえてきたり、どうしようもない。ぼくは最後までまったく集中できなかったが、踊り手は自分のペースを守り抜いていたように思う。ブラヴォーとかしかいいようがない。というわけでこのダンサーのことはほとんどわからずじまいだった。残念。
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