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ダンスとか。

ラボ20 #16

2004-01-18 | ダンスとか
横浜・STスポット、昼。
今回のキュレーターは、ディーン・モスと余越保子。モスはかの有名なNYの実験的ライヴスペース「キッチン」のキュレーターで、こういう人がラボのキュレーションにあたるというのは(あまり喧伝されなかったが)実はかなり画期的なことだと思う。今回は1組10分~15分で7組を一度に見られる公演形態になった。
▼ミネラル 『業業ちわわ』
京都の男性二人組、背の高いギターの人とダンスの人。意味不明な動きとか歌とかを不条理かつスカスカにコラージュしていくこの手のパターンはもう目新しくないが、その緩さにはあざとい計算の跡が不思議なほど見受けられない。ちょっと惹かれる。
▼川名千秋 『すべての時間はからだの中』
ソロダンス。空間内を移動することに対して慎重な構えを見せているけれども、何かもっと観客の意識が思わず引き込まれるような仕掛けがほしい。
▼廣井陽子 『つむぐ からだ』
この人は前にセッションハウスで二回見ているが、今までで一番いい。余計なものが削ぎ落とされた結果残ったと思しきシンプルな緊縛もの。自由と不自由の境目にもっと探求の余地がありそう。ラストの照明の非常に長いフェードアウトが印象に残る。
▼得居幸 『湿った地図』
松山の yummy dance のメンバーによる初ソロ。パフォーマンスっぽい小ネタと、ちゃんとした振りを組み合わせているのと、そのモティーフの数が多いのがヤミーらしいところ。デュオやトリオの時のように、情報過多+超高速で押し切っているわけではないのに、あまり印象がまとまらない。「ワケわからない」系のピースを作るのに慣れて、巧くなりすぎてしまっているのかもしれない。
▼おまゆみ 『ダレニモササゲナイ―my blood fountain―』
大阪のインスタレーション/パフォーマンスの作家。大量の赤い紙テープに埋もれて幼児退行的に振舞ったり、電球を持って中へ入ったりする。ヴィジュアル的には面白いが、舞台作品として成立させんがために本当は要らない要素をあれこれ持ち込んでしまっているような気がした。紙テープの中から出てこないまま引っ張ってくれたら、と期待していたがさすがに無理だった。
▼木村美那子 『Cする~』
前回のラボに続いて二度目の登板。ちょっと得居幸のとカブりそうな構造で、ネタを詰め込みすぎてはいないけれども、やはり一個一個の必然性の演出と全体テーマの打ち出しが弱いように思った。もっと身体レヴェルでのギリギリ感がほしい(賢くならずに)。
▼大橋可也&ダンサーズ 『あなたがここにいてほしい』
実質的には月曜に見たフルスケール版の後半部分を檻なしでやったわけだが、圧倒的に狙いのクリアな快作になった。二人の距離の近さと、左右に等分されたマルチスクリーンのような空間構成のおかげで、身をよじってひしゃげていくミウミウと、次第にやる気マンマンになっていく大橋のコントラストがくっきり出て、さらにそれをガスカンクの音が煽りまくる。何もかも素晴らしい。また見たい。
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