40からのインラインsk8

娘にさせようと買ったのに、逆にハマってしまった中年男。果たして自由自在に操れる日は来るのか?

カンパニョーロ ヴェローチェの調整 最終回

2011-05-24 21:03:41 | 自転車の整備
今回、カンパの中堅グループセットであるヴェローチェを調整してみて、いかにも素人サイクリストが使うには「オーバークオリティ」、過剰品質なパーツだと感心しました。一つ一つ面取りされたリアスプロケットのギア、中空のシャフトでつながれたチェーン、がっちりとしたクランク、ダブルピポットの前後ブレーキ・・・レースではもはや勝つことができないグレードであるにもかかわらずなんたる贅沢、なんたる造り込みの緻密さ・・・もはや実用の域を越えて”ロードバイクを乗る”というお祭りを盛り上げるためのお供え物か貢ぎ物の感覚です。

 なんか人は過剰なるものに惹かれる性があるようです。というかバブルを経験した世代にとって、実用以上の何かが無いとワクワクしないのかなぁ。週末たかが50~100キロほどしか乗らない自転車乗りごときにカンパ様!スチールで充分だろうにフルカーボンに憧れるとはおこがましいかも。

 しかしこの過剰さは”生きる”ためには必須なのです。人生の折々にハレの日が必要なように、自分へのご褒美がいるように・・・しかも昔から日本人はケレン味たっぷりの歌舞伎の荒事やキンキラキンの神輿を担いできたように派手なものが大好き。自転車だって40年程前にリアのフラッシャーや車のATレバーのようなチェンジレバー、リトラクタブルヘッドライトなど、ゴテゴテしたものが一杯つまった少年向け自転車が流行りましたねぇ。バブルのころには無闇にでかい排気量やターボのついた大馬力&高燃費自動車が飛ぶように売れたし。

 自粛や節電、祈りの現在日本にこそ“ばかばかしいほどの過剰さ”が必要なのかもしれません。「祈り」には捧げ物が必要です。見る人が呆れるほどのハイテクな自転車を、ため息のでるような美しいパーツを、人を興奮させずにいられないロードバイクが街にたくさん溢れてほしい。岡本太郎の太陽の塔が大阪万博という祝祭の場にあったように。

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