今年のウィンブルドンは昨年決勝で敗れたフェデラーの雪辱優勝で幕を閉じました。
昨年の覇者ナダルの欠場で寂しい大会になりそうでしたが、ヘンマンの跡を継ぐ英国希望の星アンディ・マレーの活躍やアンディ・ロディックの頑張りで盛り上がりました。
フェデラーとロディックの決勝はファイナルセットにもつれ込み、かつ30ゲームでやっと決着がつくという新記録。
永遠に勝敗がつかないのではないか・・・と思い始めたところにロディックのショットミスが連発し終了したのです。
アメリカ人なのにロディックは地味ですよね(コナーズと違って)。
勝って喜ぶときも泣けて悔しがるときも「頭を抱えてうずくまる」という同じ姿勢なのが印象的です。
思い起こせば、私が初めてウィンブルドンをTV観戦したのは1970年代後半、ビョルン・ボルグとジミー・コナーズがしのぎを削っている頃でした。
トップスピンのボルグとプレイスメントのお手本のようなコナーズという両極端のプレイスタイルですが、いつも素晴らしいゲームを見せてくれました。
その頃活躍した選手には、元祖悪童のナスターゼや芸術的ネットプレイで魅せたゲルレイテスなどが個性的な人々がいました。
圧巻は1980年の5連覇をかけたボルグと悪童マッケンローの4時間にわたる熱戦。
見ている方もアドレナリンで血液が沸騰しそうでした。
ウッドラケットのガットテンションを極限まで高めたボルグの打球音は「キン」という金属音。
マッケンローは柔らかいスイングでライジングショットを多用し相手のタイミングを微妙にずらせてゲームメイクします。
今でも、私の中ではベスト・ゲームですね。
その後主役はジョン・マッケンロー、イワン・レンドル、ステファン・エドバーグ(芸術的なバックハンド)、ボリス・ベッカー、アンドレ・アガシ、ピート・サンプラスと時代と共に変遷してきました。
しかし、ある時からウィンブルドン・テニスが面白く感じられなくなりました。
なぜだろう・・・サービスエースでゲームが進むようになったからだと気づきました。
ラケット材質がウッド(木製)からアルミやグラファイトへ進化し、ラケット面も大きくなりスピードボールを簡単に打てるようになると、サービスエースが取りやすくなるのです。
「ビッグ・サーバー」の登場です。
サービスゲームをブレイクされなければ基本的には負けませんから、そのような選手は上位まで進出します。
2000年頃にはイワニセビッチというほとんどサーブしか武器がない選手もいましたねえ。
ビッグサーバーの試合はサービスエースの応酬でネットプレイやラリーなど見せ所が少なくなり、観客としては駆け引きの妙が味わえず物足りない。
先日、ウインブルドンの芝のコートがプレイ・スタイルの変遷を物語っていることに気づきました。
今大会のコートを観察すると、バックライン付近の芝は荒れ放題ですが、サービスコート内はあまり荒れていません。
ところが30年前のビデオを観ると、サービスコート内の芝はバックライン付近と同じくらい剥がれて荒れています。
チャンスがあればドンドン前へ出てネットプレイで観客を沸かせたのでした。
ネットプレイこそ、テニスの華!
相撲に例えれば、巨漢力士が押し出しで簡単に勝つより、栃若時代のようにがっぷり四つに組んで釣り合いをするのをハラハラドキドキしながら観た方が楽しめるではありませんか。
車と同じようにサーブにも制限速度を設けた方が試合が面白くなると思いますが、いかがでしょう(笑)。
今大会の印象的なシーン。
フェデラーが優勝を決めた後にクラブハウスのある部屋に入ると、そこには伝説(レジェンド)の王者たちが控えていました。
年間グランドスラムを2回達成したロッド・レーバー(未だにこの記録は破られていない)。
1970年代、グランドストローカーながら5連覇の偉業を達成したビョルン・ボルグ。
1990年代、最多優勝7回を誇るピート・サンプラス。
そこに加わった、ロジャー・フェデラー(6回優勝、そして生涯グランドスラム15勝の新記録樹立者)。
4人揃って写真を撮影していました。
あの写真が欲しい。引き伸ばして部屋に飾りたい・・・。
昨年の覇者ナダルの欠場で寂しい大会になりそうでしたが、ヘンマンの跡を継ぐ英国希望の星アンディ・マレーの活躍やアンディ・ロディックの頑張りで盛り上がりました。
フェデラーとロディックの決勝はファイナルセットにもつれ込み、かつ30ゲームでやっと決着がつくという新記録。
永遠に勝敗がつかないのではないか・・・と思い始めたところにロディックのショットミスが連発し終了したのです。
アメリカ人なのにロディックは地味ですよね(コナーズと違って)。
勝って喜ぶときも泣けて悔しがるときも「頭を抱えてうずくまる」という同じ姿勢なのが印象的です。
思い起こせば、私が初めてウィンブルドンをTV観戦したのは1970年代後半、ビョルン・ボルグとジミー・コナーズがしのぎを削っている頃でした。
トップスピンのボルグとプレイスメントのお手本のようなコナーズという両極端のプレイスタイルですが、いつも素晴らしいゲームを見せてくれました。
その頃活躍した選手には、元祖悪童のナスターゼや芸術的ネットプレイで魅せたゲルレイテスなどが個性的な人々がいました。
圧巻は1980年の5連覇をかけたボルグと悪童マッケンローの4時間にわたる熱戦。
見ている方もアドレナリンで血液が沸騰しそうでした。
ウッドラケットのガットテンションを極限まで高めたボルグの打球音は「キン」という金属音。
マッケンローは柔らかいスイングでライジングショットを多用し相手のタイミングを微妙にずらせてゲームメイクします。
今でも、私の中ではベスト・ゲームですね。
その後主役はジョン・マッケンロー、イワン・レンドル、ステファン・エドバーグ(芸術的なバックハンド)、ボリス・ベッカー、アンドレ・アガシ、ピート・サンプラスと時代と共に変遷してきました。
しかし、ある時からウィンブルドン・テニスが面白く感じられなくなりました。
なぜだろう・・・サービスエースでゲームが進むようになったからだと気づきました。
ラケット材質がウッド(木製)からアルミやグラファイトへ進化し、ラケット面も大きくなりスピードボールを簡単に打てるようになると、サービスエースが取りやすくなるのです。
「ビッグ・サーバー」の登場です。
サービスゲームをブレイクされなければ基本的には負けませんから、そのような選手は上位まで進出します。
2000年頃にはイワニセビッチというほとんどサーブしか武器がない選手もいましたねえ。
ビッグサーバーの試合はサービスエースの応酬でネットプレイやラリーなど見せ所が少なくなり、観客としては駆け引きの妙が味わえず物足りない。
先日、ウインブルドンの芝のコートがプレイ・スタイルの変遷を物語っていることに気づきました。
今大会のコートを観察すると、バックライン付近の芝は荒れ放題ですが、サービスコート内はあまり荒れていません。
ところが30年前のビデオを観ると、サービスコート内の芝はバックライン付近と同じくらい剥がれて荒れています。
チャンスがあればドンドン前へ出てネットプレイで観客を沸かせたのでした。
ネットプレイこそ、テニスの華!
相撲に例えれば、巨漢力士が押し出しで簡単に勝つより、栃若時代のようにがっぷり四つに組んで釣り合いをするのをハラハラドキドキしながら観た方が楽しめるではありませんか。
車と同じようにサーブにも制限速度を設けた方が試合が面白くなると思いますが、いかがでしょう(笑)。
今大会の印象的なシーン。
フェデラーが優勝を決めた後にクラブハウスのある部屋に入ると、そこには伝説(レジェンド)の王者たちが控えていました。
年間グランドスラムを2回達成したロッド・レーバー(未だにこの記録は破られていない)。
1970年代、グランドストローカーながら5連覇の偉業を達成したビョルン・ボルグ。
1990年代、最多優勝7回を誇るピート・サンプラス。
そこに加わった、ロジャー・フェデラー(6回優勝、そして生涯グランドスラム15勝の新記録樹立者)。
4人揃って写真を撮影していました。
あの写真が欲しい。引き伸ばして部屋に飾りたい・・・。