徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

薬剤耐性「アタマジラミ」問題

2016年07月11日 21時20分56秒 | 小児科診療
 1年前にアタマジラミについて書きました;

古くて新しい「アタマジラミ」問題(2015.6.23)

 その後、小児科医の間で「薬剤耐性アタマジラミ」が話題に上るようになりました。
 ノーベル賞学者の大村智氏が開発した薬「イベルメクチン」が有効との情報あるも、日本では未認可です。

 たまたま読んでいた「小児内科 2016年4月号 特集:子どもの皮膚を診る」に「治らないアタマジラミへの対処」(高橋健造先生)という項目がありましたので、一部を引用します;

・沖縄県内ではほぼすべてのアタマジラミがスミスリン耐性であり、日本国内でも約5%程が抵抗性である。

・欧米ではすでにイベルメクチンの内服薬とローション製剤がスミスリン抵抗性アタマジラミに対する医薬品として承認されているが、日本では未承認である。

・スミスリン耐性アタマジラミに有効な保険適用のある処方薬が存在しない現時点では、ていねいな櫛けずりを毎日継続する以外に有効な手段がない。

・実際の方法:患児の毛髪をベビーオイルやリンスなどで濡らしてから、まずはふつうのブラシでブラッシングして整え、次に眼の細かなシラミ用の梳き櫛を使う。毛髪を少量ずつ取って、櫛の先ではなくて奥の方の、より目の細かいところにしっかりと毛根近くまで櫛を差し込んで梳くと虫卵が取りやすい。毎日の処理に10分間は必要で、この梳き櫛の処理を2週間くらい続ける必要がある。


 このくらいしか方法がないのかな・・・とあきらめかけていたら「診療上で診るこどもの皮膚疾患」(中村健一先生著、日本医事新報社)という本に出会いました。
 その中でスミスリン抵抗性のアタマジラミ対策としてロビーコーム®という「電気ぐし」が紹介されていました。

 検索してみると、現在は進化版のライスプロ®という名前で販売中。
 微弱電流を流して成虫を捕獲するというモノらしいです。
 3歳未満には使用不可、成虫は捕獲するけど卵はダメ、という制約がありますが、試してみる価値はありそうです。
 amazonでライスプロ®(成虫対策)&駆除櫛(卵対策)がセットで販売されていました;

シラミ駆除櫛 ライスプロ &シラミ卵の駆除櫛 ニットピッカーフリーコーム セット

 ちょっと高いですね(^^;)。
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