徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

「経鼻生インフルエンザワクチン」がひっそりと承認されました。

2023年03月29日 07時58分29秒 | 小児科診療
新型コロナの話題ですっかり隅に追いやられた感のある季節性インフルエンザ。
今冬も、“ツインデミック”(新型コロナとインフルエンザの同時流行)が懸念されましたが、不発に終わりました。
もっとも、現在も季節性インフルエンザ患者さんはチラホラ来院しますが。

そんな中、2023年3月に経鼻生インフルエンザワクチン「フルミスト」が、
ひっそりと日本国内で承認されました。

すでに世界数十か国で小児されているワクチンで、
小児科医にとっては「やっと、ようやく、とうとう」という印象です。

ただ、少し前に「アメリカで承認が取り消された」(※)というニュースを耳にしたことがあり、
はて、効果はどうなんだろうという素朴な疑問があります。

※ 正確には、2016/17と2017/18の2シーズン取り消され、2018/19に復活しました。

特徴は、鼻に噴霧するワクチンですから、
なんといっても「痛くない」こと。

現行の“不活化”ワクチンではなく“生”ワクチンのため、
年齢に関係なく、シーズンに1回投与で済みます。

しかし、「2-18歳」という年齢制限があります。
乳児は適応外なのが残念です。

登場は2024-5年シーズンになりそうです。

フルミストが製造販売承認を取得
2023/03/27:日経メディカル)より一部抜粋;
 2023年3月27日、経鼻弱毒生インフルエンザワクチン「フルミスト点鼻液」が国内製造販売承認を取得したことを、製造販売元である第一三共が発表した。本剤は既に30以上の国と地域で承認されているが、国内では初の経鼻投与によるインフルエンザワクチンとなる。
 効能または効果はインフルエンザの予防。用法及び用量は「2歳以上19歳未満の者に、0.2mLを1回(各鼻腔内に0.1mLを1噴霧)、鼻腔内に噴霧する」。この年齢の小児に対して国内で実施された臨床試験では、従来の不活化ワクチンとほぼ同様の発症予防効果が確認されている。なお、今回は19歳未満が対象だが、海外では成人(49歳以下)も対象とされている。
 本剤は2016年に販売申請がなされていたが、追加の臨床試験の実施などにより承認の獲得に時間を要していた。発売時期は2024年度の秋冬シーズンとなる予定。

▢ 経鼻インフルワクチン「フルミスト」承認へ対象は2歳以上19歳未満で1回噴霧
 2023年2月27日に開催された厚生労働省薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会は、第一三共の経鼻インフルエンザワクチン「フルミスト点鼻液」の販売承認を了承した。早ければ3月にも承認される見通し。フルミストは国内初の経鼻投与型の弱毒生インフルエンザワクチンとなる。なお、本剤は既に30以上の国と地域で承認されている。
 成分は弱毒生インフルエンザウイルスのA型が2種類、B型が2種類の計4種類のウイルス。投与対象は2歳以上19歳未満で、0.2mLを1回(左右の鼻腔内に0.1mLずつ)噴霧する。確認されている副反応は鼻漏、口腔咽頭痛、咳などだ。2歳から18歳の小児に対して実施された国内の臨床試験では、従来の不活化ワクチンとほぼ同等のインフルエンザの発症予防効果が確認されている。

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