徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

アメリカではHPVワクチンを男児にも推奨

2011年10月26日 22時59分43秒 | 小児科診療
 「子宮頚癌ワクチン」として日本では公費負担で接種しているHPVワクチン。
 HPVとは「human papiloma virus」の略で、日本語に訳すと「ヒト乳頭腫ウイルス」です。

 実はHPVが引き起こす病気は子宮頚癌だけではありません。
 尖圭コンジローマ、肛門癌、陰茎疣贅等々。
 ですから「子宮頚癌ワクチン」という名称は正しくないのです。

 そして、アメリカではHPVワクチンが男児に推奨されるというニュースが流れました;

HPV4価ワクチンの男児および若年男性への接種を推奨,米ACIP
(2011.10.26:メディカル・トリビューン)

 米国予防接種諮問委員会(ACIP)は10月25日,ヒトパピローマウイルス4価(HPV 6型,11型,16型,18型)ワクチン(商品名ガーダシル)の男児および若年男性への接種を推奨すると発表した(同日CDCリリース,Merck社リリース)。
肛門がんおよび陰部疣贅の予防および,女性へのHPV感染の間接予防
 今回,承認されたのは「肛門がんおよび陰部疣贅の予防,または女性へのHPV感染の間接的予防」を目的とした11歳または12歳の男児に対するHPV4価ワクチンのルーチン接種と13~21歳の男性に対するキャッチアップ接種。女児同様,医師の判断により9歳からの接種を行うこともできる。
 男性には,肛門がんおよび陰部疣贅の予防に対する適応があるHPV4価ワクチンのみが使用される。
 米国小児科学会(AAP)は既に今年2月の予防接種スケジュールで9~18歳の男性に対するHPV4価ワクチン接種の勧告を行っている(AAP2011 Immunization Schedule: Persons Aged 7-18 Years)。


 話がややこしくなる前に、日本も「HPVワクチン」と呼称を改めるべきですね。
 現時点でHPVワクチンは2種類ありますが、男児に推奨されるのはガーダシルのみのようです(サーバリックスはダメ)。

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