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10km33:04、フルマラソン2:46:31

コスモタイガー漂走記~旧東海道編(31)

2012-12-06 | 旧東海道run!!

もう西側はゴールしちゃったし。
残すは東、ひたすら江戸を目指すのみ!
ってか、ここまで来たら「お気楽モード」から「本気モード」に突入?
すでに途中で止める気持ちは無く、「行けるところまで行くぞ!」と気合入れているコスモタイガー。

例の割引切符を豊橋駅で購入、毎度おなじみの乗継で今日も由比駅に降り立った。
ここは静かな駅前だ。
天下の東海道本線の駅とは思えない、独特の鄙びた感がある。

そして今日は見事な秋晴れ!
前回見えなかった富士山の姿が、この東海道runで初めて見えた。
やっぱり綺麗だね~。

実は前回「駅前が東海道」と思い、気持ち良く帰宅したものの、何かしっくり来ず、再度様々なHPや書籍などを閲覧してみると、やはりちょっと違っていたらしい。

ということで、200mほど戻り、歩道橋のある分岐点をスタートとする。
前回、ここを右の小道(つまり今戻ってきた道)を選んで駅に出たわけなんだけど、ここは左の広い方の道が正解らしい。
左の道は旧国1で、車もそれなりに通っている。
右は鄙びた生活道路の雰囲気。
雰囲気的にはどう見ても右なんだけどね。

でもまぁ、リサーチしたことを信じ、左の旧国1を選び、本日のトレーニング開始!
要するにこの辺り、諸説あるようで、根本的には今走っている旧国1(県道396)を拡張・整備した際に、旧東海道は削られたり無くなったりして、完全には残っていないことが原因らしい。
確かにね、地図をよく見ると、2本の道が不自然に微妙なカーブを描いている気もする。

「北野神社」が左に見えてくる。
その前に民家の間を抜ける、超極細の道。
それが東海道らしい。

抜けると駅前から来た小道に出る。
コスモタイガーはこっちの説を採用したけれど、北野神社手前に「平」というバス停があり、そこにこれまた極細の道があって、すぐ左折、民家の軒先を駆け抜けてくる道を東海道としている説もあるらしい。

しばらくはこの道に沿う。
静かな街並みが続く。
相変わらず、そこかしこに「桜エビ」の看板が目立つ。
由比の名物だからね。

1kmほどで川を渡るけれど、その手前に右に分岐する小さな道が。
本来はこれが旧道なんだけど、すぐに行き止まり、その先は現存していないため、直進する。

渡るとすぐに、脇本陣、続いて左手に本陣。
本陣は由比本陣公園として整備され、敷地内には「東海道由比宿交流館」「広重美術館」を併設し、ちょっとした観光スポットになっている。
コスモタイガーも興味ないわけじゃないけど、出だしで何やらごちゃごちゃして時間食っちまったし、まじめな練習中だから!(もういいって)

それより興味あるのは、道路の反対側に目をやると「正雪紺屋」。
由比正雪の生家だそうな。
江戸前期の反乱者として有名だけど、このおっさん、本職は紺屋(染物屋)だったんだね。
いまも末裔が代々店を継ぎ、営業しているそうだ。

しばらく進むと今度は左手、案内板があるのみだけど、「お七里役所跡」。
紀州藩が独自に設置した連絡所みたいなもの。
名前の通り、主要街道沿いに、七里ごとに置かれたという。
七里衆と呼ばれた者たちが常駐し、幕府の内情やら各藩の動向など、いろんなことを連絡し合ってた。
どの藩にも似たような制度があったらしいが、もっとも力を入れ、徹底していたのが紀州藩。

だからのちに徳川宗家の世継ぎ問題になっても、御三家筆頭の尾張藩を出し抜き、紀州藩の当主吉宗公が8代将軍に就いたことに繋がったんだろうと想像できる。

逆に肥沃かつ広大な濃尾平野を持ち、比較的豊かな尾張藩。
紀州藩に丸裸にされているとも知らず、のんびり楽観的に構えてたんだろうね。

まぁ、こんな「最後の詰めが甘い」地域性は、現代でも名古屋オリンピックの誘致失敗にも繋がってたり、ドラゴンズが50年以上日本一から遠ざかってる原因になってる、なんて書いてある本もある。
(そのドラゴンズ、2日前に53年振りの日本一になった!!超感動!最後は山井→岩瀬の完全リレー!)

吉宗公は将軍になってからも「お庭番」(要するに戦国期の忍者みたいなもの)を設置し、各藩の動向を探るのに最も心を砕いていた人物だからね、個人的に暗いイメージがある。
「江戸幕府中興の祖」などと持ち上げられ、大河ドラマの主人公にもなったけれど、個人的にはそれはちょっと買いかぶりすぎたろうと思ったりする。
実際、「享保の改革」も成功したとは言い難い。
ただ、お庭番を駆使し、情報戦に長けた人であったことは間違いなく、この辺りを面白おかしく脚色したのが時代劇「暴れん坊将軍」というわけだ。

おっとっと、どえりゃ~話が逸れちゃった。
先に行かないと。

由比一里塚跡。
由緒書の案内板が残るのみ。

で、そこからはしばらくはこれといった見どころなし。
左からやってきた県道に吸収され、すぐに東名高速の下を潜る。

JR蒲原駅前を通過。
旧街道らしい雰囲気は残ってるからね、走ってて退屈はしないけど。
案内板も整備され、安心して走れる。

やがて左右に分岐する。
どっちか一瞬迷うけどね、どっちも×。
実はそのすぐ手前を90度左折するのが正解らしい。

ここが西木戸跡。
つまり蒲原宿の西の入り口ってことだ。

行きあたって今度は右折。
志田邸、旧五十嵐歯科医院、磯部家、平岡本陣跡と、旧跡が続く。
蒲原宿内は、古い建物が良く保存され、なかなか楽しい一角だ。

東木戸跡を過ぎると、右手に蒲原一里塚跡。
小さな祠が建っている。

思わず直進して、そのまま県道に合流してしまいそうだけど、その手前を左にカーブするのが東海道。
東名高速に向かって北上する形になる。

道は緩やかに左にカーブし、東名高速の上を渡るとT字型に突き当たり、そこを右折。
恐らくかつてはここを斜めに突っ切る形だったんだろうと推測できるけれど、現代ではすでに消失している。
道なりに左にカーブし、下り坂を駆け降りる。
眼前に富士山が見えて素敵な光景だ。

独特のくねくねした道はいかにも東海道やね。
新幹線のガード下を階段でくぐってさらに直進。

再び東名高速に巡り合い、道なりに左折。
すぐまたT字路で、左前方に小さな神社があるのが目印で、ここを右折して東名高速の下を通る。

すぐに紛らわしい分岐もあるが、道なりに素直に左を選択。
気持ち良く道なりに走ってたら、コスモタイガー、どうやら大きくコースアウトしてしまったらしい。
気づいたらJRの線路沿いに出てしまった。
ここで少々ロスを食ったけれど、正解は県道(168号)との交差点を左折するらしい。

この辺り、見所も目印も少なく、わかりづらいため、多くの街道ウォーカーが間違えているようだ。
300mほど進むと右側に某電話会社富士川電話交換所の小さな建物が見えたら正解だ。

この県道、今も昔もこの地域のメインストリートらしく、かなりの交通量だ。
ちょっと走りづらい。
右にカーブするところが、富士川第一小学校&富士川町役場。(2007年時点)

道は突然左に90度左折。
そこに岩淵一里塚がある。
両側とも現存する貴重な一里塚で、静岡県の指定史跡にもなってるらしい。
次々と車が通る中、この一角だけが不思議な空間を醸し出している。

そのまま進むと600mほどで4ツ角になり、県道は右折になるけれど、東海道はそのまま直進。
「岩淵小休本陣」。
中を見学できるらしいけれど、コスモタイガー、残念な思いを胸に先へ進む。

もっともこの岩淵集落、正式な宿場ではなく、有松同様「間の宿」だからね、本陣といっても、茶屋本陣ってやつなのかな?
文字通り、小休止した場所なんだろうね。

枡型を過ぎると左に清源院という由緒ありげなお寺。

ここでまたコスモタイガー、大きくコースアウトしちゃったけど、正確には右折して坂を下り、小さな五叉路に出て、左斜めの道を選択、川に向かって駆け降りるのが本来の東海道らしい。

大きな川に出た。
富士川だ。
右に目をやると、大きな富士川橋がかかっている。

富士川は江戸時代、舟渡しだったんだね。
少し北側に渡船場の跡を示す公園と常夜灯が残されている。

富士川橋上からの富士山も絶景だ!
思わずシャッターを押す。(上写真)

橋を渡ると今度は水神社。
こちらにも簡単な渡船場跡の碑が建っていた。

ここまで来たら今日のゴールは近い。
歩道橋が目印で、そこを左に入る道が東海道。
小さな川のところで右折して、再び県道に出る。
この県道、多分旧国道1号だと思うけど。

「橋下」の交差点を通過。
すぐに右側、高架になったJR柚木駅。
本日、ここをゴールとする。

今日は随分コースアウトしちゃってるからね~、実走距離20kmは超えてるかな。
移動距離も長くなってきてるしね。
何よりコースアウトが大きかった時は、気持ち的にも疲労感を感じるよね。

柚木駅はJR身延線の駅。
ここをゴールにしたのは、ただそれだけの理由なんだけど。
身延線なんて、いつ以来だろう?

すでに16時を過ぎている。
日が短くなってきた。
柚木駅からの西日差す富士山の眺めもなかなかのものだ。

せっかくの身延線だけど「つまみ食い」で、たった1駅、東海道本線富士駅に出ておしまい。
とはいえ、東海道本線ばかりの乗継の中で、ちょっとした変化球で、楽しめた。

あとはいつもの東海道本線乗継だけ。
電車内で舟を漕ぎつつ帰宅するコスモタイガーであった。



※H27.8.18追記/地図、作成しました。(ここをクリック)

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