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思索 電子回路 論評等 byホロン commux@mail.goo.ne.jp

西本智実のドヴォルザーク「新世界」

2010-03-09 22:10:48 | 音楽・映画
ドヴォルザーク:交響曲 第9番 ホ短調 作品95 「新世界より」
演奏:ブダペスト・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:西本智実

この曲を耳にしたのは、いったいどれくらい前のことだったろう。思い出せないくらい前のことに違いないが、当時は何度も何度も繰り返し聴き込んでいたことを覚えている。もっぱらカラヤン指揮ベルリンフィルの演奏だった。だからカラヤンの解釈によるこの曲の楽想を長年概念として持ち続けて来たのだが、この西本智実による演奏を聴いて目から鱗が落ちた。

新鮮。まずはこの一言。そして、洗練。それだけではない、曲に対する西本智実の確信がハッキリと分かる。曖昧を排除し、潔く“こうだ!”という指揮ぶりは大いに頷ける。これはショスタコーヴィチやチャイコフスキーなどの演奏にも通じるものであり、西本智実が本物であることを、こんどはこちらが確信するに至った。よくもまあ、あのか細い腕からこれほど力強い音を引き出すものだ。指揮台の上の彼女を鬼神と称する所以であろう。このドヴォルザークの「新世界交響曲」は種々多様な魅力的フレーズで全体が構成されている名曲だが、それら各々に絶妙の表情を与え、曲全体を完成させている西本智実に賞賛の拍手を送りたい。疑いなく現代の名演奏のひとつに数えられるだろう。弦による短く穏やかな開始から一瞬の間をおいて強く叩きつけられるティンパニ、それですべてが決まった。

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6 コメント

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FROM THE NEW WORLD (kaoaru)
2013-01-27 23:31:26
はじめて聞いたのは中学生の頃の話ですね!ソノシートでしたけど・・・しかも第一楽章のみでしたが・・・。

だから、ほとんどの人が認知している部分が違ってましたね、私は。みんがよく知っているのは第二楽章のほう?だと思いますが・・・。

あれだけ、さんざん聞いたにもかかわらずほとんど出てきません・・・音が・・・。そういうもんなんですねぇ~!

それしか聞くのがなかったから聞いていたんだもんなぁ~、ムリもないやねぇ~!

それよりもテレビで見た「ガロ」がかっこよかった・・・そんな時代の頃の話ですね。
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ソノシート (ホロン)
2013-01-28 22:13:17
ソノシート、ありましたよねえ。半透明のレコード盤。ちなみにMS-IMEでは「ソノシート」で変換できませんでした。

中学の頃にソノシートで「新世界」の第1楽章ですか。そう、一般的によく知られているのは第2楽章ですね。「遠き山に日は落ちて」と歌詞がつけられて中学の音楽の教科書にも載っていました。

ガロと言えば「学生街の喫茶店」ですね。私は高校生でした。安倍静江とか朝丘めぐみとかね。う~ん、良き時代でしたね。
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学生街の喫茶店 (kaoaru)
2013-01-29 12:52:19
はじめてオンエアされたのは「アコースティックバージョン」

その後リリースされたシングルカットにはがっかりして買いませんでした。

トミー、マークの反発はおさまりきらないモノだったに違いない・・・。

しかし、現在、これを演れるのは「なごみ~ず」にいる「ボーカルである大野さん」だけとなってしまった。


話を戻すと・・・

第一楽章の1発目に「ジャジャ~ン」とホーンセクションが鳴るはず?だと思ったのですが、その一瞬だけでその曲だとわかってしまったのはどうも不思議な中学生時代でした・・・イントロ当てクイズでもあったら一発正解でしたでしょう^^;

音楽の授業で先生がかけるレコードをまちがえて、それを私が当ててしまった・・・という思い出あるんですね、その曲は・・・。
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イントロ当てクイズ (ホロン)
2013-01-30 20:15:35
その通り。第1楽章の開始部分で、に「ジャジャ~ン」とホーンセクションが鳴るんですよ。あの1発で「新世界は」名曲になることが運命づけられましたね。

私もクラシックに目覚めたのは中学生の頃でしたね。「ウィリアムテル序曲」「運命」がお気に入りでした。高校生になると、もうクラシック三昧でしたね。

イントロ当てクイズは、私もクラシックならいい線いくかも。
(^^)
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他にも・・・ (kaoaru)
2013-02-01 00:34:41
全く関係ないのですが、ソノシートにはなぜか「未完成交響曲」の「第一楽章」と「第二楽章」が収録されていました。

第三楽章の中途までで完成していないということからそう呼ばれている旨の解説もありましたし、いろいろな方々が続きを製作されたりした試みもあったようですが・・・。

私は「未完成」と勝ってに名づけたのは間違いだって思っています。

この曲のテーマは「死への途」ではないか?と思うからです。

当時は平気で聴いていましたが、今は聴けません。恐ろしすぎて・・・。

しょうがないですよね、シューベルトが亡くなられる直前まで作っていたらしいですから・・・。
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う~む (ホロン)
2013-02-01 01:11:39
シューベルトの交響曲第8番、通称「未完成」が「死への途」ですか。う~む...。その解釈というか印象は初めて聞きました。
「あまりにも美しい」がいままでの私の印象でしたが。そういえば2楽章の一部激しく立ち上がるフレーズとは対照的な穏やかな終わり方。言われてみれば思い当たるような気もするような。

シューベルトの弦楽四重奏曲で「死と乙女」というのがあるのですが、あれなどもろ死を感じる曲だとも。
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