桜井美紀(21) 主任
優秀である。
現状における自身の問題点の特定と問題解決のアプローチ、のみならず、課という集団における問題点の特定と問題解決のアプローチ、共に的確であり行動も俊敏である。物事を非常に合理的、客観的、また冷静に捉える特質を持つ。それ故、文頭の思考・行動形態に繋がるものと思われる。かといって冷徹ではなく、他の若手社員との交流やコミュニケーションも和やかかつ円滑である。これほどの基本能力を備えた人物を見たのは個人的には極めて希であり、組織においては、プラス側に存在すれば疑いも無く強力な戦力になる逸材である。また集団業務においては相手の上位下位を問わず、リードし指導、指示(上位者に対しては暗に)する能力に長けている。これについては相手が上位者で管理センス、集団機能センスの乏しい者であれば、衝突のトラブルを引き起こす可能性もある。しかし、この難問に対しても現状把握能力の高さから、巧みに回避し短期現象にとどめる力を持つ。とりわけ下位の者に対する指導、教育の上手さは特筆すべきものがあり、既に教育成果も表れてきている。更にそのように教育することが自らのレベル向上に大きく繋がることを知っており、桜井の教育行為はそのことも目的としている。根底にあるのは、物事の何に価値があり何が無価値であるかという桜井固有の価値観が、一般的に真っ当かつノーマルである故のことと思われる。更に付け加えるなら、価値観は相対的なものであり、異なる社会では価値観が異なることも知っている。
以上が桜井の素質と基本能力についての所感である。
次に成果について。構内管理システムマイク増設工事は、工事内容が前職場である配線電気部の工事そのものであることもあり、終始、他作業者をリード、指導し良好に全工事を終了させた。PWMアンプ補修工事では各課員の作業を適切に分担し、以前の約1.5倍ほどの効率で業務を進め、間もなく終了を迎えようとしている。最後に被教育者としての電子回路教育の成果であるが、現時点での驚くべき結果を見せている。2月に電子設計課に移籍し、現在5ヶ月余りが経過したが、アナログ回路理論については既に教えることが少なくなってきている。通常では2~3年費やすくらいの力量に等しいと言っていい。素質としての頭の良さは確かである。しかしこれほどまでとは、と当初思っていたが、ある時桜井の置き忘れた本を見つけた。それは以前読むようにと渡した「電子制御」という本だったが、本の厚さが渡した時の2倍ほどに膨れ上がっていたのである。やはり努力しているのである。
森下次郎(27) 課員
優秀なハンダ作業者である。社員としては、自らも会社を支えている一人であるという意識があまり見えないように感じられる点がやや物足りないが、これは私の責任でもあるかも知れない。その他、特に過不足なし。
川端義男(19) 課員
PWMアンプ施工等、現場作業をやらせるとなかなかに上手い。しかもスピードも速い。身体にハンデがなければ、電子設計課のような辛気臭い職場ではなく、他職場でダイナミックに仕事をしていたことだろう。当初、長時間机に向かっての作業を幾らか辛く感じていたようで多少心配したが、今ではそれにも慣れて積極性も出てきたようである。被教育者としての電子回路教育の成果については、私は恥じ入らなければならない。教育者としてはあるまじきことであるが、年齢にそぐわない川端の頭の固さに一度さじを投げかけたのである。その彼を桜井美紀が教え始めた。桜井としては自身の向上も意図してのことであることは前述の通り。日々が経過して川端の表情が変わり始めた。分かるということが、これほど楽しいことなのか、という表情である。トータル教育時間に対する川端の現在レベルは並みの上といったところであろう。先が楽しみである。
優秀である。
現状における自身の問題点の特定と問題解決のアプローチ、のみならず、課という集団における問題点の特定と問題解決のアプローチ、共に的確であり行動も俊敏である。物事を非常に合理的、客観的、また冷静に捉える特質を持つ。それ故、文頭の思考・行動形態に繋がるものと思われる。かといって冷徹ではなく、他の若手社員との交流やコミュニケーションも和やかかつ円滑である。これほどの基本能力を備えた人物を見たのは個人的には極めて希であり、組織においては、プラス側に存在すれば疑いも無く強力な戦力になる逸材である。また集団業務においては相手の上位下位を問わず、リードし指導、指示(上位者に対しては暗に)する能力に長けている。これについては相手が上位者で管理センス、集団機能センスの乏しい者であれば、衝突のトラブルを引き起こす可能性もある。しかし、この難問に対しても現状把握能力の高さから、巧みに回避し短期現象にとどめる力を持つ。とりわけ下位の者に対する指導、教育の上手さは特筆すべきものがあり、既に教育成果も表れてきている。更にそのように教育することが自らのレベル向上に大きく繋がることを知っており、桜井の教育行為はそのことも目的としている。根底にあるのは、物事の何に価値があり何が無価値であるかという桜井固有の価値観が、一般的に真っ当かつノーマルである故のことと思われる。更に付け加えるなら、価値観は相対的なものであり、異なる社会では価値観が異なることも知っている。
以上が桜井の素質と基本能力についての所感である。
次に成果について。構内管理システムマイク増設工事は、工事内容が前職場である配線電気部の工事そのものであることもあり、終始、他作業者をリード、指導し良好に全工事を終了させた。PWMアンプ補修工事では各課員の作業を適切に分担し、以前の約1.5倍ほどの効率で業務を進め、間もなく終了を迎えようとしている。最後に被教育者としての電子回路教育の成果であるが、現時点での驚くべき結果を見せている。2月に電子設計課に移籍し、現在5ヶ月余りが経過したが、アナログ回路理論については既に教えることが少なくなってきている。通常では2~3年費やすくらいの力量に等しいと言っていい。素質としての頭の良さは確かである。しかしこれほどまでとは、と当初思っていたが、ある時桜井の置き忘れた本を見つけた。それは以前読むようにと渡した「電子制御」という本だったが、本の厚さが渡した時の2倍ほどに膨れ上がっていたのである。やはり努力しているのである。
森下次郎(27) 課員
優秀なハンダ作業者である。社員としては、自らも会社を支えている一人であるという意識があまり見えないように感じられる点がやや物足りないが、これは私の責任でもあるかも知れない。その他、特に過不足なし。
川端義男(19) 課員
PWMアンプ施工等、現場作業をやらせるとなかなかに上手い。しかもスピードも速い。身体にハンデがなければ、電子設計課のような辛気臭い職場ではなく、他職場でダイナミックに仕事をしていたことだろう。当初、長時間机に向かっての作業を幾らか辛く感じていたようで多少心配したが、今ではそれにも慣れて積極性も出てきたようである。被教育者としての電子回路教育の成果については、私は恥じ入らなければならない。教育者としてはあるまじきことであるが、年齢にそぐわない川端の頭の固さに一度さじを投げかけたのである。その彼を桜井美紀が教え始めた。桜井としては自身の向上も意図してのことであることは前述の通り。日々が経過して川端の表情が変わり始めた。分かるということが、これほど楽しいことなのか、という表情である。トータル教育時間に対する川端の現在レベルは並みの上といったところであろう。先が楽しみである。