ある産婦人科医のひとりごと

産婦人科医療のあれこれ。日記など。

分娩件数、手術件数の急増

2006年01月12日 | 飯田下伊那地域の産科問題

近隣の病院や診療所の産婦人科の先生達が、次々と分娩取り扱いや手術をやめて診療規模を縮小しているため、最近は当科の診療規模が急拡大しています。

私が大学病院から今の病院に赴任してきた当時(十数年前)は、産婦人科の常勤医は私1人だけでした。当時は非常勤医にも来てもらえなかったので、手術のたびに他科の先生に助手をお願いして細々とやってました。それからだんだん診療規模が拡大して、今や、常勤医4人、非常勤医(2つの大学病院に依頼)3人でも、やりくりが非常に難しいくらいに仕事量が増えてきました。さらに、特別予算を組んで、現在、産科病棟や産婦人科外来の拡張・改修工事を行っており、医療機器も新規に多く購入してもらって、予想される今後の患者急増に備えようとしています。

これから先うまくいくかどうかは全くわかりませんが、今は、もう後には引き返せないところにまで来てしまったような気がしています。こういう状況になってしまったからには、産婦人科医、助産師などのスタッフをできるだけ多く集めてマンパワーの充実を目指し、設備もしっかりと充実させ、地域協力体制もしっかり確立させることを目指し、今の状況下でやれるだけのことを精一杯やってゆくしかないと考えています。

ただ、無理をしすぎて、医療事故を起こしたり、途中で倒れてしまうようなことがないよう、十分に気をつけなければならないと肝に銘じてます。