ある産婦人科医のひとりごと

産婦人科医療のあれこれ。日記など。

ALSOを学ぶ意義は?

2012年10月30日 | 周産期医学

日本国内の総分娩件数は年々減少してますが、それ以上のハイペースで国内の分娩取り扱い施設数が減少してますので、地域によっては限られた分娩取り扱い施設に分娩が集中し、施設の分娩件数が年々急増しています。当飯田下伊那地域内の総分娩件数も長期的に年々減少し続けてますが、地域内の分娩取り扱い施設数減少のために当科の分娩件数は最近の数年間で倍増しました。最近は月100~120件程度で推移してます。

地域の産科医療提供体制を維持していくためには、産婦人科医だけではなく、小児科医、麻酔科医、助産師、手術室ナース、救命救急医、救命救急士など、いろいろな職種の人達が、周産期の緊急事態に対して、一つのチームとして一致協力して仕事をするシステムを作ることが重要です。

多くの職種の人達が救急医療チームとして協力して仕事をしていくための世界共通の教育・トレーニングシステムとしては、BLS(Basic Life Support、一次救命処置法)、ICLS(Immediate Cardiac Life Support)、ACLS(Advanced Cardiovascular Life Support、二次心肺蘇生法)、PALS(Pediatric Advanced Life Support、小児二次救命処置法)、NCPR(Neonatal Cardiopulmonary Resuscitation、新生児心肺蘇生法)などがあり、これらのプロバイダーコースは世界的に普及し、いろいろな職種の人達が一堂に会して学んでます。

産科領域でも、いろいろな職種の人達がチームで一致協力して周産期救急に対応していくための世界共通の教育・トレーニングシステムとして、ALSO(Advanced Life Support in Obstetrics)というものがあり、日本での普及に熱心に取り組んでいる人達がいらっしゃいます。私がALSOの存在を初めて知ったのは昨年暮れで、まだALSOコースには3回しか参加してませんが、これからはこの活動にもっと積極的に参加してALSOマインドをとことん学び、地域の産科医療提供体制を維持・発展させたいと考えてます。

ALSO-Japnのホームページ

ALSOとは?

第72回ALSOプロバイダーコース(日本産科婦人科学会関東連合地方部会プレコングレス)


第72回ALSOプロバイダーコース(日本産科婦人科学会関東連合地方部会プレコングレス)

2012年10月28日 | 周産期医学

Advanced Life Support in Obstetrics(ALSO)とは、医師や助産師その他の医療プロバイダーが、周産期救急に効果的に対処できる知識や能力を発展・維持するための教育コースです。ALSOコースは世界的に普及活動が行われており、日本では2008年11月に金沢大学で第1回のALSOプロバイダーコースが開催されました。

10月26日~10月27日、山梨県甲府市内の会場で第72回ALSOプロバイダーコースが開催され、私もアシスタントとして参加させていただきました。私がALSOプロバイダーコースに参加したのは、今回で3回目(受講生1回、アシスタント2回)です。今回のコースは、講師、受講者合わせて100名近くと非常に規模の大きいものでした。

昨年9月3日~4日に当科の若手医師2名が亀田総合病院で開催されたALSOプロバイダーコースに参加し、2人から「ALSOに参加して来ました」との報告を受けて、この世にALSOなるものが存在することを初めて聞き、ALSOって一体全体何だろうか?と疑問に思いました。さらに、昨年12月23日~24日の亀田総合病院のALSOプロバイダーコースに当科の他の若手医師1名が参加する予定であることを聞きつけ、「私も是非そのALSOなるものに参加してみたいので、私の分もついでに参加の申し込みしておいてくれ」と頼みました。その時はすでに定員に達していたらしく、亀田総合病院のALSO担当者から「若手医師1名のみ参加可能」との連絡があり、参加はあきらめておりましたが、なぜか開催の直前になって私も参加可能との連絡があり、無事に初参加することができました。今年9月29日~30日に亀田総合病院で開催されたALSOプロバイダーコースには、アシスタントとして参加しました。

当院産婦人科医師団の構成メンバーは2~3年ごとにほぼ全員が総入れ替えになってますし、毎年多くの若い新人助産師が就職して来るので、当院産科チームとしての機能を維持・発展させていくためには、院内の教育態勢を充実させることが非常に大切だと考えてます。現在、当院産婦人科の所属医師は全員がALSOプローバイダーで、ALSOマインドでチームで一致協力して地域の産科医療に取り組んでいます。今後は、当院の助産師達(約50名)にも是非このALSOコースを受講してもらい、チーム一丸となって地域の産科医療に全力で取り組んでいきたいと考えてます。

ALSOとは?

****** 第72回ALSOプロバイダーコース

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オープニング

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肩甲難産

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妊婦の心肺蘇生

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4度会陰裂傷

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集合写真


早期母子接触(いわゆるカンガルーケア)について

2012年10月20日 | 周産期医学

10月17日付けで、日本周産期新生児医学会のホームページに、「早期母子接触」実施の留意点が掲載されました。これは、日本周産期・新生児医学会、日本産科婦人科学会、日本産婦人科医会、日本小児科学会、日本未熟児新生児学会、日本小児外科学会、日本看護協会、日本助産師会の連名での公式見解なので、一つの意見や考え方というレベルではなく、今後、日本国内の全分娩施設が遵守すべき診療指針(ガイドライン)としての位置付けと受け止める必要があります。今後、「早期母子接触」に関連して何らかの医療事故が施設内で発生した場合は、その施設がこの診療指針を遵守していたかどうか?が厳しく問われるものと覚悟しなければなりません。従って、日本国内で分娩に関わる全医療従事者はこの「早期母子接触」の留意点を熟読し、各施設ごとに、この指針に準拠した「早期母子接触」実施マニュアルを早急に作成する必要があると思います。

バースプラン作成時に「早期母子接触」について説明し、妊婦本人が「早期母子接触」を実施する意思があるかどうかを確認する(同意書に署名してもらう)こと、「早期母子接触」時に母体の上体を挙上する(30 度前後が望ましい)こと、児の顔を横に向け鼻腔閉塞を起こさず呼吸が楽にできるようにすること、児の下肢にパルスオキシメーターを装着すること、担当者が実施中付き添い母子だけにはしないこと、などは非常に重要だと思います。

また、今回公表された「早期母子接触」の留意点には、“分娩施設は、「早期母子接触」実施の有無にかかわらず、新生児蘇生法(NCPR)の研修を受けたスタッフを常時配置し、突然の児の急変に備える”ことが明記されました。従って、日本国内で分娩に関わる産科医、助産師の全員がNCPR研修を受けることを半ば義務化されたと考えられます。またNCPR講習会に1回参加しただけでは手順をすぐに忘れてしまって、いざという時に全く役に立たないので、定期的にNCPRのトレーニングを実施して分娩担当者全員がNCPRに習熟しておく必要があります。(ちなみに、当院では日本周産期・新生児医学会で認定されたNCPRのインストラクターが計5名在籍し、院内で定期的に学会認定のNCPR講習会を実施してます。)

http://www.jspnm.com/sbsv12_1.pdf

****** 以下、日本周産期・新生児医学会ホームページより全文引用

「早期母子接触」実施の留意点

2012 年10 月17 日

日本周産期・新生児医学会
日本産科婦人科学会
日本産婦人科医会
日本小児科学会
日本未熟児新生児学会
日本小児外科学会
日本看護協会
日本助産師会

1. 「カンガルーケア」とは、全身状態が安定した早産児にNICU(新生児集中治療室)内で従来から実施されてきた母子の皮膚接触を通常指す。一方で、正期産新生児の出生直後に分娩室で実施される母子の皮膚接触は、異なるケアが求められるにも関わらず、この「カンガルーケア」という言葉が国内外を問わず用いられ、用語の使用が混乱している。そこで、正期産新生児の出生直後に実施する母子の皮膚接触については、ここでは「早期母子接触」と呼ぶ。

2. 出生直後の新生児は、胎内生活から胎外生活への急激な変化に適応する時期であり、呼吸・循環機能は容易に破綻し、呼吸循環不全を起こし得る。したがって、「早期母子接触」の実施に関わらず、この時期は新生児の全身状態が急変する可能性があるため、注意深い観察と充分な管理が必要である(この時期には早期母子接触の実施に関わらず、呼吸停止などの重篤な事象は約5 万出生に1 回、何らかの状態の変化は約1 万出生に1.5 回と報告されている。

3. 分娩施設は、「早期母子接触」実施の有無にかかわらず、新生児蘇生法(NCPR)の研修を受けたスタッフを常時配置し、突然の児の急変に備える。また、「新生児の蘇生法アルゴリズム」を分娩室に掲示してその啓発に努める。

4. 「早期母子接触」を実施する施設では、各施設の実情に応じた「適応基準」「中止基準」「実施方法」を作成する。

5. 妊娠中(たとえばバースプラン作成時)に、新生児期に起き得る危険状態が理解できるように努め、「早期母子接触」の十分な説明を妊婦へ行い、夫や家族にも理解を促す。その際に、有益性や効果だけではなく児の危険性についても十分に説明する。

6. 分娩後に「早期母子接触」希望の有無を再度確認した上で、希望者にのみ実施し、そのことをカルテに記載する。

【解説】
1) 名称について
 カンガルーケアと称されるケアには、NICU で早産児を対象に行われるケアと、正期産新生児を対象に出生直後に分娩室で行われる母子の早期接触の2 種類がある。前者を一般的にカンガルーケアと呼び、後者をskin-to-skin と呼ぶことが多い。
 しかしながら、両者の呼び方は混同されることが多く、欧米の論文においても、Kangaroo care、Kangaroo mother care、skin contact、skin to skin contact、early skin to skin contact、skin-to-skin(kangaroo)、skin-to-skin contact on preterm infants などの呼び方がNICU 内のケア、出生直後のケア両方に用いられている。
 そこで、混乱を避けるために、本稿では出生直後に分娩室で行われる母子の早期接触を「早期母子接触」と呼び、英名としては「early skin-to-skin contact」または「Birth Kangaroo Care」を提案したい。

2) 背景
 出生後早期から母子が直接肌を触れ合い互いに五感を通して交流を行うことは、人間性発
露の面から見ても、親子が育みあうという母子の当然の権利ともいえる。さらに、早期母子接触は科学的にその有効性が証明されているのみならず、一定の条件の下に安全に実施すれば決して危険ではない。
 しかし昨今、早期母子接触中の呼吸停止などの重篤な事象およびその訴訟に関する報道
が多く認められる。報道のなかには、明らかに原因が早期母子接触とは異なる事例が、早期母子接触が原因であり早期母子接触自体が危険であるかのような取り上げ方が目立つ。しかしながら、こうした危急事態は早期母子接触を行わなくとも生じ得るものである。
 早期母子接触の有効性は、コクランのシステマティック・レビュー1)によると、生後1~4 ヵ月の母乳栄養率を向上させ、母乳期間を延長する効果がみられた。さらに、母親の児に対する愛着行動や母子相互関係の確立などに対する効果が証明されている。その効果はタッチングなど授乳中の効果だけでなく、退院後のキスなどの愛着行動の多さにも表れている。また、正期産児においての検討では、早期母子接触群はコントロール群に比べ、心拍数、呼吸数、血糖値、体温の安定化が認められた2)。反対に、生後早期の母子分離は、児の啼泣を強め、卵円孔を通しての右左シャントを増加させ、肺血流を減少させるため動脈血の酸素化が妨げられる3)。 したがって、早期母子接触には児の啼泣時間を短縮させる効果があることから、児の動脈血の酸素化にも寄与すると考えられる。
 このように早期母子接触の利点は証明されているが、一方で早期母子接触が行われる出生後早期は、胎児から新生児へと呼吸・循環の適応がなされる不安定な時期でもある。特に、この時期の循環動態は卵円孔、動脈管などのシャントが残り、寒冷刺激、アシドーシス、低体温などで容易に肺高血圧から右左シャントが惹起され、危急事態が起こり得る。
 したがって、早期母子接触の実施の有無にかかわらず、生後早期は不安定な時期であるとの認識は持たなければならない。

3) 急変例の発症頻度の報告
 早期母子接触中の急変例の発症率について、全国の「赤ちゃんにやさしい病院」を対象とした実態調査が2010 年行われた。その結果42 施設から回答を得(回答率87.5%)、23 施設(54.8%)で原因不明のチアノーゼや心肺停止、転落しそうになった(早期母子接触中の児の転落事故も報告されている)新生児の計57 例が経験された。このうち分娩数が記載された30施設を対象とした検討では、乳幼児突然死-乳幼児突発性危急事態(SID-ALTE)の事例は1例であり、その発症率は1.1/10 万出生であった。同一対象施設における分娩直後の早期母子接触導入前のそれは5例であり、発症率は5.5/10 万出生であった。このように、SID-ALTEなど心肺蘇生を必要とした事例の発症は、早期母子接触導入によって増加していなかった4)
 2009 年のドイツにおける小児科医に対するアンケート調査によれば、生後24 時間以内でのSID-ALTE の発症例は665,126 例中17 例で、発症率は2.6/10 万出生であった。17 例中7例が死亡し生存10 例のうち6 例が退院時に神経学的後遺症を有した。また17 例中12 例が早期母子接触中の急変であった(1.8/10 万出生)。さらに、9 例は最初の2 時間での発症で、このうち7 例は母親が睡眠していないにも関わらず児の急変に気づかず、スタッフにより発見された5)
 2012 年のイギリスにおけるサーベイランス6)では、在胎37 週以上で、Apgar スコア5 分値8 点以上の正期産新生児のうち、生後12 時間以内の急変により陽圧換気による蘇生が必要か、死亡もしくは集中治療が必要となった児は、858,466 出生中45 例で12 例が死亡した(5.2/10万出生)。 45 例中24 例は臨床経過もしくは病理学的検査により、授乳中もしくは腹臥位の状態での気道閉塞と診断された。15 例は後に先天性疾患が判明し、残る6 例では急変の原因となる基礎疾患は見つからなかった。気道閉塞と診断された24 例は授乳中もしくは早期母子接触中の急変であった。ほとんどの母親は初産婦で、スタッフによる見守りは行われていなかった。
 また、ドイツ、フランス、イギリスの状況を総括した2012 年の報告によると、出生時に問題を認めない正期産新生児が、出生後24 時間以内に急変して蘇生処置が必要な児は、10 万出生当たり2.6 から5.0 人となった7)

4) 我が国の全国調査結果
 こども未来財団の研究「分娩室・新生児室における母子の安全性についての全国調査」8)で、2010 年の早期母子接触の全国調査が行われた。我が国の全分娩施設の約1/4 にあたる助産所(144 施設)、病院・診療所(308 施設)、周産期センター(133 施設)の585 施設から回答が得られた。ただし、ここでいう児の変化は、前述の命に関わる事態(児の急変)とは定義しておらず、施設の自己申告であり、軽症なものも含まれる。
 早期母子接触は、
◆65.4%の施設で実施されていた。
◆実施基準の整備率は30.7%であった。
◆実施前の妊婦への十分な説明と同意取得率は48.2%であった。
◆分娩台の角度基準が設定されている施設は13.0%であった。
◆中断・中止基準が設定されている施設は 39.9%であった。
◆開始時期は出生直後が 35.5%、1-5 分が  41.8%、6-10 分が  7.8%、15 分以上が 14.9%であり、約 8 割の施設は出生後 5 分以内に開始されていた。
◆実施時間は 10 分間以内が 28.5%、15-30 分間が 27.7%、40-60 分間が 19.7%、90 分間以上は 19.9%であった。
◆医療従事者の常駐率は 74.8%であったが、児の全身状態の記録率は 28.3%であった。
◆各種モニタリング実施率は 49.9%であり、パルスオキシメータは 42.4%に装着されていた。
◆児の変化(これは前述のような重篤な状態に限らない)経験施設率は 4.2%であった。
◆児の変化の発生率は 138,534 例中 21 例(15.2/10 万出生)であり、約 1 万の早期母子接触中 1.5 人、児の変化が発生したことが確認された。
 以上の全国調査から、十分な説明と同意、実施方法の整備が行われず、約 6 割の施設ですでに早期母子接触が導入されていることが判明し、早急な対策が必要なことが明らかとなった。

5) 急変例の病態把握
 現在までの事例において、危急事態の病因については、いくつかの原因疾患(遷延性肺高血圧、新生児呼吸障害、先天性心疾患等その他の先天異常、細菌感染症、代謝性疾患)などが診断されている例もあるが、実際には病因不明の場合も多く、今後の病態把握に関する研究が望まれる。

6) 早期母子接触の適応基準、中止基準、実施方法
 施設の物理的、人的条件等により、ここに推奨する基本的な実施方法を一部変更せざるを得ない場合がある。そのような場合にも、早期母子接触の効果と安全性について十分に吟味し、母子の最大の利益となるように実施方法を決定する。また、早期母子接触を実施しない選択肢も考慮すべきである。

 以下に経腟分娩を対象とした各基準を示す。
<適応基準>
 母親の基準
・本人が「早期母子接触」を実施する意思がある
・バイタルサインが安定している
・疲労困憊していない
・医師、助産師が不適切と認めていない

 児の基準
・胎児機能不全がなかった
・新生児仮死がない(1 分・5 分 Apgar スコアが 8 点以上)
・正期産新生児
・低出生体重児でない
・医師、助産師、看護師が不適切と認めていない

<中止基準>
 母親の基準
・傾眠傾向
・医師、助産師が不適切と判断する

 児の基準
・呼吸障害(無呼吸、あえぎ呼吸を含む)がある
・SpO2:90%未満となる
・ぐったりし活気に乏しい
・睡眠状態となる
・医師、助産師、看護師が不適切と判断する

<実施方法>
 早期母子接触は母子に対して種々の利点がある。したがって、早期母子接触を実施できない特別な医学的理由が存在しない場合は、周産期医療従事者として、その機会を設けることを考える必要がある。早期母子接触は医療ではなく、ケアであることから、母親とスタッフ間のコミュニケーションがスムーズに行われている必要があり、出産後の母子を孤立させない配慮が大切である。特に、早期母子接触を実施する時は、母親に児のケアを任せてしまうのではなく、スタッフも児の観察を怠らないように注意する必要がある。
◆バースプラン作成時に「早期母子接触」についての説明を行う。
◆出生後できるだけ早期に開始する。30 分以上、もしくは、児の吸啜まで継続することが望ましい。
◆継続時間は上限を2 時間以内とし、児が睡眠したり、母親が傾眠状態となった時点で終了する。
◆分娩施設は早期母子接触を行わなかった場合の母子のデメリットを克服するために、産褥期およびその後の育児に対する何らかのサポートを講じることが求められる。

 母親
・「早期母子接触」希望の意思を確認する
・上体挙上する(30 度前後が望ましい)
・胸腹部の汗を拭う
・裸の赤ちゃんを抱っこする
・母子の胸と胸を合わせ両手でしっかり児を支える

 
・ドライアップする
・児の顔を横に向け鼻腔閉塞を起こさず、呼吸が楽にできるようにする
・温めたバスタオルで児を覆う
・パルスオキシメータのプローブを下肢に装着するか、担当者が実施中付き添い、母子だけにはしない
・以下の事項を観察、チェックし記録する
 呼吸状態(努力呼吸、陥没呼吸、多呼吸、呻吟、無呼吸)に注意する、冷感、チアノーゼ、バイタルサイン(心拍数、呼吸数、体温など)、実施中の母子行動
・終了時にはバイタルサイン、児の状態を記録する

【参考文献】
1)Moore ER, Anderson GC, Bergman N. Early skin-to-skin contact for mothers and their healthy newborn infants: Cochrane Database Sys Rev. 2007;18.
2)Bystrova K, Widstrom AM, Matthiesen AS, et al. Skin-to-skin contact may reduce negative consequences of “the stress of being born”: a study on temperature in newborn infants, subjected to different ward routines in St. Petersburg. Acta Paediatrica 2003;92:320?6.
3)Anderson GC, Chiu SH, Dombrowski MA, et al. Mother-newborn contact in a randomized trial of kangaroo (skin-to-skin) care. Journal of Obstetric, Gynecologic and
Neonatal Nursing 2003;32:604?11.
4)吉永宗義ら. 出生直後の母児接触のあり方に関する調査.財団法人こども未来財団.平成20 年度児童関連サービス調査研究等事業報告書「妊娠・出産の安全性と快適性確保に関する調査研究」p48-58,2010.
5)Poets A,Steinfeldt R, Poets CF et al. Sudden deaths and severe apparent life-threatening events in term infants within 24 hours of birth. Pediatrics. 2011;127:e869-73.
6)Becher JC, Bhushan SS, Lyon AJ. Unexpected collapse in apparently healthy newbornsa prospective national study of a missing cohort of neonatal deaths and near-death events.
Arch Dis Child Fetal Neonatal Ed. 2012;97:F30-4.
7)Fleming PJ.Unexpected collapse of apparently healthy newborn infants: the benefits and
potential risks of skin-to-skin contact. Arch Dis Child Fetal Neonatal Ed. 2012;97:F2?3.
8)久保隆彦. 分娩室・新生児室における母子の安全性についての全国調査、財団法人こども未来財団平成23年度児童関連サービス調査研究事業報告書.2012年3月.
9)堀内勁. 出生直後の皮膚と皮膚の接触の意義と安全性. 日本母乳哺育学会雑誌.2010;4:60-72.

(以上、日本周産期・新生児医学会ホームページより全文引用)


ダイエットについての私のアドバイス

2012年10月14日 | ダイエット

長年、経過観察のために数ヵ月ごとに私の婦人科外来を受診している患者さん方から、「前に受診した時と比べて体型がずいぶん変わってしまったけど、先生お体大丈夫なんですか?」などと心配していただくことがあり、それに対して、「大丈夫です。病気ではないです。以前は体重が増え過ぎていたので、ちょっとダイエットをしただけなんですよ。」と返答すると、そのままダイエットについての相談を受けることになることも最近はよくあります。ダイエットを希望する肥満患者さん達に対して、私は自分の体験を踏まえて、以下のように助言するようにしてます。

・ 小数点以下2桁(kg)まで計測できるデジタル体重計を入手して、毎日、一定条件で体重を計測しグラフをつけましょう。
・ 夕食はなるべく早めに済ませて、翌日の朝食まで絶食とし、朝食前に体重計測するのを習慣化しましょう。
・ 一般的に、肥満に対する食事療法としては「低カロリー・低脂肪食」が推奨されています。それでうまくいく人はいいのですが、「低カロリー・低脂肪食」は長期間きちんと継続していくのが難しく、最終的な成功率は比較的低いと言われてます。それに対し、「低炭水化物(糖質制限)食」は主食(御飯、パン、うどん、そばなど)を減らす方法で、カロリーや脂肪をそれほど気にしなくても済むので、比較的継続しやすく成功率も高いと思われます。一般向けに「低炭水化物(糖質制限)食」を推奨する本も多く出版されていますので、それらを読んで一度検討してみてください。【例:糖質制限食のススメ(山田悟・著)主食をやめると健康になる(江部康二・著)糖質ゼロの健康法(釜池 豊秋・著) など】

・ ダイエットの方法はいろいろありますが、どんなダイエット方法であっても、いったんは減量に成功した後に短期間で体重が元に戻ってしまう人が非常に多いです(リバウンド現象)。実際問題として減量そのものよりもその後のリバウンド防止策の方がよほど困難な問題であるとも言われてます。ダイエット成功後も決して油断せず、体重を毎日計測しリバウンドの兆しが現れたらそのつど早め早めに対処する必要があります。

ダイエット成功後に油断してはいけない期間は約2年間と言われています。特にダイエット成功後の半年間は最も警戒すべき時期です。食事量には常に気を配り、体重が増加し始めたら、すかさず運動量を増やすなどして早め早めに対処しましょう。減量後の体重維持は、減量の程度が大きいほど困難であることが知られています。現状から10%程度の減量でもメタボリックシンドロームなどの生活習慣病は著しく改善されますから、最初から理想体重を目指して挫折を繰り返すよりは、現在の不健康な状態から少しでも脱却できる実行可能な目標体重を設定してそれを確実にクリアしていく方が現実的です。米国健康財団の健康体重に関する勧告では、まずは体重の10%程度の減量で十分としています。そしてこの体重を6カ月以上維持し、体重増加のないことを確認してから次のステップに移るようにとしてます。

参考:ダイエットの敵、リバウンド現象を克服するためにはどうしたらいいのか?

****** 体重管理グラフ

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やっとiPhone5が届きました

2012年10月06日 | 日記・エッセイ・コラム

昨日、予約していたiPhone5がやっと届きました。スマートフォンを持つのは生まれて初めてで、使い方がよくわかりません。お店の人からは、「iPhoneの設定はうちではできないので、すべて御自分でやってください。どうしてもわからない時は、アップル・サポート・センターに問い合わせるか、アアプル・ショップに行ってください。」と言われました。今まで携帯電話を買い替えた時のように、お店の人が手取り足取り全部やってくれない。とりあえず、Eメールの初期設定などを行ったあと、iPadで読んでいる自炊本のデータを、順次、iPhoneに移行してます。いつでも自炊本を全部持ち歩けるのはいいのですが、iPhoneの画面はiPadの画面と比べるとかなり小さいので、これで読書するのは老眼の身には非常に厳しいことがわかりました。また、電話のかけ方やメール送受信のやり方なども、今までと使い勝手が全然違うので、未だよくわかりません。これまで愛用してきたdocomo携帯電話の住所録をどうやってiPhoneの方に移行するのかもよくわからず、悪戦苦闘してます。

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