ある産婦人科医のひとりごと

産婦人科医療のあれこれ。日記など。

iPhne5

2012年09月23日 | 日記・エッセイ・コラム

昨日、エディオンで今話題のiPhone5を見て急に欲しくなり、さっそく予約してきました。SoftBankかauかで少し迷いましたが、当地域ではまだSoftBankはつながりにくいという話をよく聞くので、今回はauのiPhone5を予約しました。iPhone5の画面は、今毎日持ち歩いて読書や外来診療の患者説明用などにも使っているiPadの画面とほとんど同じだったので、多分なんとか使いこなせるようになると思います。使ってみるのが楽しみですが、いつ入荷するかは全くわからないとお店の人が言ってました。私は今までずっとdocomoの携帯電話を使ってきましたが、iPhone5はdocomoで取り扱ってないので、今回、初めてauに乗り換えることになりました。

Iphne5



自炊三昧の日々

2012年09月17日 | インポート

最近は「自炊」にはまってます。「自炊」と言ってもお料理の自炊ではなく、紙の本の背表紙の部分を裁断機で裁断し、ドキュメントスキャナーで取り込んで自前で電子書籍を作る作業のことです。8月中旬から始めて、すでに100冊以上の書籍を解体し電子化しました。保存すべき自分の蔵書のすべてを電子化するのが最終目標です。薄い本だとすぐに作業は終わりますが、1600ページ以上の大型本(Williams ObstetricsやBerek & Novak's Gynecologyなど)では、1冊電子化するのに丸1日がかりということもあります。電子化した本を読む時はiPadで読むことになり、日常的に全蔵書を持ち歩くことが可能となります。今後は、本を買う時もなるべく紙の本ではなく電子書籍で買うようにしたいと思ってます。ただ日本では、紙の本と比べて、電子書籍はまだまだ圧倒的に少いのが現状です。しかし、いずれは日本でも、本と言えば電子書籍となる時代が遠からずやって来ると思います。そうなれば、「自炊」なんて面倒な作業はしなくてもよくなります。

「自炊」のすすめ 電子書籍「自炊」完全マニュアル 「自炊」のすすめ 電子書籍「自炊」完全マニュアル
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2011-07-22

産婦人科学のすすめ

2012年09月09日 | インポート

当科ではここのところ毎月120件以上の分娩があり、多くの婦人科手術もあって、夜昼構わず死ぬほど忙しい日々が続いてます。疲れ切って眠くてしょうがない時もたまにありますが、チームでよく話し合い、一致団結して目の前の課題を一つ一つ解決していく過程は、非常に楽しくて、充実感にあふれてます。私が当科に赴任した当初は見知らぬ地での孤独な戦いでしたが、それから24年が経過して、一緒に頑張ってくれる仲間が大幅に増えました。今の当科のスタッフはみんな気合が入っているとても頼りになる仲間達です。みんなで一致団結して事に当たれば、どんな困難でも必ず克服できるような気がしてます。今建設中の周産期センターが完成すれば、スタッフの意気はますます高まるのではないかと思います。この地でともに産婦人科学を学び、ともに頑張っていく仲間を、今後も増やしていきたいと思います。


compound presentation(複合胎位異常)

2012年09月02日 | 周産期医学

**** Williams obstetricsより(要約、日本語訳)

compound presentation(複合胎位異常)は、先進部と並んで四肢が脱出し、両者が同時に骨盤内に先進するまれな胎位である。主には、頭位分娩で手や腕が同時に脱出する場合が多いが、まれには、頭位分娩で同時に足が脱出する場合や、骨盤位で同時に手が脱出する場合などもありうる。

compound presentationの発症頻度は、およそ1000分娩に1例程度である。

compound presentationは、児頭と骨盤入口部の間に隙間ができるような状態(例えば早産)と関連している。

児頭と同時に腕が先進している場合には、児頭の下降に伴って腕を引っ込めてくれて、分娩の障害にはならない場合も多いので、頻回の経過観察でよい。もしも、腕を引っ込めなくて、それが児頭の下降を妨げていると判断される場合は、脱出した腕をやさしく押し上げて、同時に子宮底を圧迫して児頭を下降させるように試みてもよいかもしれない。しかし、Tebesらは、児頭と手が同時に先進している分娩で、先進した前腕が虚血性の壊死に陥り、腕の切断を余儀なくされた悲惨な症例を報告した(1999)。

一般的には、周産期死亡は、早産、臍帯脱出、侵襲的な産科的操作によって増加する。

Compound
(Williams Obsterics 23rd ed. p.478 より)

****** 文献の要約

Tobesらの症例報告(Congenital Ischemic Forearm Necrosis Associated with a Compound Presentation. J Matern Fetal Med. 1999、231-233)では、分娩第Ⅰ期が6時間、分娩第Ⅱ期が1時間、介入なしの自然分娩で、児頭と右手が先進。分娩経過中、手を一度も触診しなかった。児は3530gの男児、Apgar score:8/9、分娩直後より児の右前腕~右指は全く動かず、浮腫とチアノーゼが認められた。生後2日目に親指と示指が壊死し始め、生後9日目に親指と示指を切断し、生後23日目に肘から先の前腕全部を切断した。Discussionで、Tobesらの報告以前に、compound presentationに関連して前腕切断に至った症例の報告が2例(Steinerら 1945、Shafferら 1984)あると述べている。ただ、compound presentationに関連した腕の虚血性壊死は極めてまれであり、ほとんどの場合は胎児が手を引っ込めて大事には至らないので、compound presentationでは待機的な管理方針が推奨される。まれな計3例の悲惨な事例をもって、通常の管理方針を変更する必要はないだろうと述べている。

****** 私見

compound presentation(複合胎位異常)は1000分娩に1例の発症頻度ということなので、それほどまれな胎位異常ではない。実際に、当科でも今年に入ってからすでに2例経験した。どうしても手が引っ込まないで経腟分娩になりそうな状況に至った場合には、そのまま経腟分娩を完遂すると先進している手や腕の骨折、神経障害、壊死などの可能性もあり、最終的な分娩様式については本人・家族とよく相談する必要がある。