ある産婦人科医のひとりごと

産婦人科医療のあれこれ。日記など。

減数分裂(成熟分裂) meiosis

2011年04月30日 | 周産期医学

● 染色体とは?

細胞の核内にあり、細胞分裂の際に棒状の構造体として観察される遺伝情報の担い手で、塩基性色素に濃く染まるところから染色体の名がある。

分裂期以外は、核内に一様に分散し染色質という構造をとる。ヒストンと呼ばれるたんぱく質のまわりにDNAの二重らせんが巻き付いたヌクレオソームを基本単位として、これにほかのたんぱく質も加わって何段階にも連結して染色体をつくる。

真核生物の体細胞は、同じ形をした2つ1対の常染色体を何組かと1組の性染色体をもつが、その形と数は生物の種類によって決まっている。

たとえばヒトでは、常染色体22組44本と性染色体2本( XXまたはXY )の計46本をもつ。

Male

Female

● 減数分裂の意義

精子や卵など生殖細胞には、染色体数が通常の体細胞(2n)の半数(n)しか含まれていない。これは生殖細胞が形成される過程で、染色体数の半減が起こるからである。この特別な細胞分裂のことを減数分裂(成熟分裂)という。

減数分裂の結果できた生殖細胞(n)は,受精により2個が合一して受精卵となると、染色体数は元の2nとなる。このような減数分裂のしくみによって、生物は種による一定の染色体数が保持され、親→子→孫へと代々受け継がれるのである。

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● 卵の成熟と排卵
①女性(XX)の原始生殖細胞は、胎生16週(妊娠18週)頃に卵祖細胞へと分化する。
②卵祖細胞は複数回の体細胞分裂を起こし、第一次卵母細胞となる。
③胎生期に第一次卵母細胞は減数第一分裂を開始し、前期でいったん休止する。
④思春期になると、排卵周期のLHサージによって減数第一分裂が再開する。
⑤排卵の直前に第一減数分裂が完了して第二次卵母細胞と第一極体になり、排卵される。
⑥第二次卵母細胞ではすぐに減数第二分裂が始まるが、中期で再び休止する。
⑦第二次卵母細胞では精子の進入(受精開始)によって減数第二分裂が再開する。
⑧第二次卵母細胞は、1個の卵子と1個の第二極体になり、第一極体は2個の第二極体になる(第二極体:計3個)。
⑨受精の完了とともに、第二次卵母細胞の減数第二分裂は終了し、受精卵となる。
⑩第二極体は退化する。

● 減数第一分裂
①第一分裂は胎児期に始まる。
②排卵する直前に終了する。
③減数分裂(46, XX → 23, X)

● 減数第二分裂
①受精は第二分裂の途中に起こる。
②受精の直後に第二分裂が終了する
③当数分裂(23, X → 23, X)

● 卵母細胞の分類
①第一次卵母細胞(46, XX) 排卵前
②第二次卵母細胞(23, X) 排卵後

● 極体の数
①排卵直前に第一極体が、受精直後に第二極体が放出される。
②排卵後~受精直前には極体が1個ある。
③受精後に認められる極体は3個である

● 卵胞発育

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①原始卵胞(primordial follicle)

第一次卵母細胞とそれを囲む一層の扁平上皮様細胞とからなる。

初期の卵胞発育は卵胞刺激ホルモン(FSH)ではなく卵巣内の細胞間の局所的な相互作用によって制御されている。

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②一次卵胞(primary follicle)

第一次卵母細胞が増大し、それを囲む一層の顆粒膜細胞層は扁平から立方~円柱状へと形態変化する。

顆粒膜細胞層の立方化に伴って核分裂が増加、FSHへの反応性が増強し卵胞発育が促進される。

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③二次卵胞(secondary follicle)

卵胞刺激ホルモン(FSH)の作用で顆粒膜細胞層は2~5層へと多層化する。

卵胞は直径50~400μmとなって血管の豊富な卵巣髄質へ移動する。

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④成熟卵胞 mature (Graafian) follicle

二次卵胞の顆粒膜細胞層に小さな隙間ができ次第に融合拡張して液体の貯留した卵胞腔を形成する。

卵胞が成熟するにつれて卵母細胞は片隅に偏在し顆粒細胞層に取り囲まれた卵丘の形で卵胞腔内に突出する。

排卵直前には卵胞径は2cmに達する。

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⑤黄体

排卵後、卵胞壁に残存した顆粒膜細胞と莢膜細胞が肥大・増殖したもの。排卵後1~4日で完成し、プロゲステロン、エストロゲンを分泌する。

卵子が受精していなければ、黄体はプロゲステロンの分泌を止め減衰する(黄体の寿命:約14日)。その時それは繊維の瘢痕組織である白体へと縮退する。

卵子が受精した場合、絨毛よりhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)が分泌される。hCGは黄体へプロゲステロン分泌を続けるよう信号を送り、それにより肥厚した子宮内膜が保持される。 妊娠黄体は妊娠10週頃まで黄体ホルモンを産生し、その後徐々に退縮、消失する。

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・ 先体反応と透明帯反応

先体反応: 精子が卵丘に接した時、表面の原形質膜と先体外膜が融合し、これが破れて先体内酵素(ヒアルロニダーゼ、アクロシンなど)が放出あるいは露出される。

透明帯反応: 先体反応により、透明帯の性質変化を起こし、他精子の進入を妨げる。

卵の透明帯は糖蛋白から構成されており、その働きは多精子受精の防止、卵の保護にあると考えられている。

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・ 受精(fertilization)

排卵はLHサージの16~24時間後に起こる。

受精は卵管膨大部で起こる。

精子の二次卵母細胞内への進入により、第二減数分裂は再開される。第二極体が放出され、二次卵母細胞は卵子となる。

卵子の核は雌性前核となり、精子の核は雄性前核となる。雌性前核と雄性前核が融合して全核となり、受精が終了する。

受精が終了すると、卵割が始まる。

卵の輸送は卵管の蠕動運動と卵管上皮の線毛運動による。

受精後4~5日(桑実胚期)で子宮内膜に達し、6日目(胞胚期)にハッチングを起こし着床を開始する。

胞胚(胚盤胞)となった受精卵は、内細胞塊側が子宮内膜に接着し侵入する。

ハッチング:受精卵が、内圧の上昇と酵素的融解により、透明帯から脱出する現象。

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減数分裂(成熟分裂)、問題と正解

2011年04月30日 | 周産期医学

問題1
正しいのはどれか。
a 卵子は排卵までに第1極体を放出している。
b 卵子は受精前に第2減数分裂を終了している。
c 精子の先体反応は卵透明帯通過後に起こる。
d 受精は卵管峡部で成立する。
e 桑実胚で子宮内膜に着床する。

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正解: a 

a 排卵周期のLHサージで減数第一分裂を再開し、排卵直前に第一分裂が終了する。排卵までに第一極体を放出している。

b 卵子は精子の進入(受精開始)によって減数第二分裂が再開し第二極体を放出する。

c 先体反応により透明帯反応が起こり、精子が透明帯を通過できるようになる。

d 受精は卵管膨大部で起こる。

e 着床は排卵から1週間後の胞胚期である。

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問題2
正しいのはどれか。
a 卵胞数は思春期に最大となる。
b 原始卵胞は卵とそれを取り囲む多層の顆粒膜細胞とからなる。
c 原始卵胞から一次卵胞への発育にFSHが必須である。
d 成熟卵胞には卵胞腔が存在する。
e 排卵直前には卵胞の直径は約5mmになる。

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正解: d

a 卵胞数は胎児期に約700万個と極大に達し、その後は時間経過とともに減少する。

b 原始卵胞は卵とそれを取り囲む一層の扁平な顆粒膜細胞とからなる。

c 初期の卵胞発育はFSHではなく卵巣内の細胞間の局所的な相互作用によって制御されている。

d 二次卵胞の顆粒膜細胞層に小さな隙間ができ次第に融合拡張して液体の貯留した卵胞腔を形成する。

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e 排卵直前には卵胞の直径は約20mmになる。

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問題3
正しいのはどれか。
a 受精直前の卵子には極体が3個ある。
b 精子の染色体により性が決まる。
c 多精子受精は多胎の原因となる。
d 受精は子宮腔内で起こる。
e 受精卵の9割が着床する。

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正解: b

a 受精直前の卵子は減数第一分裂を終了しており、極体は1個である。

b 精子は22+Xまたは22+Y染色体を有しており、精子によって性が決定される。

c 多精子受精とは1個の卵子に2個以上の精子が進入する現象で、これが起こると胚発生は早期に停止するか、3倍体となって部分胞状奇胎を発生することがある。

d 受精は卵管膨大部で起こる。

e 体外受精・胚移植における着床率は受精卵あたり10%程度である。

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問題4
受精から着床までの期間はどれか。 
a  1日
b  3日
c  6日
d  12日
e  18日

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正解: c

排卵はLHサージの16~24時間後に起こる。
受精場所: 卵管膨大部。
卵の輸送は卵管の蠕動運動と卵管上皮の線毛運動による。
受精後4~5日で子宮内膜に達し、6日目にハッチングを起こし着床を開始する。
ハッチング: 受精卵が、内圧の上昇と酵素的融解により、透明帯から脱出する現象。

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問題5
ヒト受精卵で正しいのはどれか。
a 受精卵は受精後2日で子宮内膜に着床する。
b 受精卵は増殖期子宮内膜に着床する。
c 受精卵は桑実胚期で子宮内膜に着床する。
d 胞胚は着床のため透明帯から脱出する。
e 内細胞塊と反対側の栄養膜が子宮内膜に着床する。

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正解: d

a 受精後4~5日で子宮内膜に達し、6日目にハッチングを起こし着床を開始する。

b 受精卵は分泌期内膜に着床する。

c 受精卵は胞胚(胚盤胞)となって着床する。

d 胞胚は透明帯から脱出(ハッチング)し、着床する。

e 胞胚(胚盤胞)となった受精卵は、内細胞塊側が子宮内膜に接着し侵入する。

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問題6
正しいのはどれか。
a 卵の減数分裂は乳児期に始まる。
b 卵の減数分裂はLHサージによって終わる。
c 受精は卵管間質部で起こる。
d 受精後、卵は第二極体を放出する。
e 受精卵は桑実胚で着床する。

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正解: d

a 胎児期に、当数分裂で卵祖細胞より卵母細胞が形成され、その後は性成熟期まで減数分裂は休止する。

b LHサージが起こると、卵子の減数分裂は再開される。

c 受精は卵管膨大部で起こる。

d 卵子は排卵直前に第一極体を放出し、受精直後に第二極体を放出する。

e 受精卵は胞胚期に着床する。

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問題7
正しいのはどれか。
a 受精は第一減数分裂中期に起こる。
b 卵細胞質内には複数の精子が進入する。
c 受精後に認められる極体は1個である。
d 着床は受精後3日目に成立する。
e 初期胚は胚盤胞まで発育し着床する。

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正解: e

a 受精は第二減数分裂の途中に起こる。

b 精子は、卵子の透明帯に接触すると先体が変化し(先体反応)、透明帯、細胞膜を貫通して卵細胞内に入る。透明帯は多精子受精防止の役割がある。

c 受精直後の極体は3個である。

d 着床は受精後6~7日目に起こる。

e 受精卵は受精後3日目(桑実胚)に子宮腔内に達し、4~5日目に胞胚(胚盤胞)となり、6~7日目(透明帯脱出後)に着床する。

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問題8
正しいのはどれか。
a 受精から着床までは2週である。
b 着床は胞胚期に起こる。
c 胚は増殖期の子宮内膜へ着床する。
d 着床後1か月で胎盤が完成する。
e 受精後280日目が分娩予定日である。

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正解: b

a 受精卵は、受精後6~7日目に着床する。

b 着床は胞胚(胚盤胞)期に起こる。

c 胚は分泌期の内膜へ着床する。

d 胎盤が完成するのは妊娠4か月末である。

e 分娩予定日は、最終月経開始日から280日目(受精後266日)である。

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問題9
妊娠について正しいのはどれか。
a 着床は受精後2日目に起こる。
b 子宮外妊娠では卵巣妊娠が最も多い。
c 自然妊娠における流産率は10~15%である。
d 妊娠36週6日の分娩は正期産である。
e 妊娠41週6日の分娩は過期産である。

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正解: c

a 着床は受精後6~7日目に起こる。

b 子宮外妊娠は全妊娠の約2%に起こり、卵管膨大部が最も多い。

c 流産のほとんどが妊娠12週未満の早期流産であり、その90%以上は胎児側の要因(染色体異常など)である。

d 正期産:妊娠37週0日~妊娠41週6日

e 過期産:妊娠42週0日以降

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問題10
正しいのはどれか。2つ選べ。
a 受精後3~4日目に桑実胚が着床する。
b 生殖器系は内胚葉から誘導される。
c 妊娠黄体は妊娠8週から退化し白体となる。
d 酸素濃度は臍帯静脈血の方が臍帯動脈血より高い。
e 無脳児妊娠では母体の尿中エストリオール値は低い。

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正解: d、e

a 受精後6~7日目に胞胚(胚盤胞)が着床する。

b 生殖器は中胚葉由来である。

c 妊娠黄体は妊娠10週頃まで黄体ホルモンを産生し、その後徐々に退縮、消失する。

d 臍帯静脈:動脈血(母体→胎児) 臍帯動脈:静脈血(胎児→母体)

e 無脳児はACTHが低下しているため副腎皮質発育が不良であり、胎児副腎からデヒドロエピアンドロステロンが減少するため、母体の尿中エストリオールは低値を示す。


胎児循環

2011年04月30日 | 周産期医学

胎盤におけるガス交換
・ 胎児のガス交換は、胎盤の絨毛間腔で母体血と胎児血とのガス分圧の差による拡散によって行われる。
・ 絨毛間腔は母体血で満たされ、母体血と胎児血は混合しない。
・ 胎児の血液は、赤血球数が増加(多血)し、酸素親和性の強い胎児ヘモグロビン(HbF)が主体となっている。

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胎児循環の血液の流れ
・ 右心房に上大静脈と下大静脈が還流する。
・ 下大静脈には胎盤で酸素化された血液が静脈管を通って流れ込んでいる。右心房に流入した下大静脈由来の酸素分圧の高い血液の多くは卵円孔を通って左心房に入る。
・ 上大静脈由来の酸素分圧の低い血液の多くは右心房から右心室へ入って肺動脈へ流れる。肺動脈血流は動脈管を通って下行大動脈に合流する。
・ 下行動脈の血液の一部は内腸骨動脈から分枝する臍帯動脈を経て胎盤に至り、再び酸素化を受ける。

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胎児循環の特徴
①胎盤でのガス交換を含む体外循環を有し、肺循環は乏しい。
②卵円孔という心内シャントにより左右の心房が交通する。
③左右の心室の厚さは同等である。
④動脈管により肺動脈は大動脈に連絡され、右心室の拍出する血液の大部分が大動脈に流れる。
⑤臍帯動静脈、静脈管が存在する。

胎児循環から新生児循環への変化
①肺動脈が開く。
②卵円孔が閉鎖する。
③動脈管が収縮する。
④動脈管が閉じる。
⑤臍帯動脈が閉じる。
⑥胎児循環がなくなる。

****** 問題

問題1
胎児循環で酸素分圧が最も高いのどれか。
a 右心室
b Botallo動脈管
c 上行大動脈
d 下行大動脈
e Arantius静脈管

問題2
胎児循環で正しいのはどれか。2つ選べ。
a 臍静脈は2本である。
b Arantius静脈管は下大静脈に流入する。
c 左右心室は卵円孔で交通している。
d 右室の拍出量の大部分はBotallo動脈管を通過する。
e 最も高い酸素濃度の血液が流れる血管は中大脳動脈である。

問題3
胎児循環で正しいのはどれか。2つ選べ。
a 卵円孔では主に上大静脈の血液が左心房に流れる。
b 動脈管では肺動脈から下行大動脈に血液が流れる。
c 静脈管には酸素化血が流れる。
d 臍帯動脈では胎盤から胎児側に血液が流れる。
e 絨毛間腔では胎児血と母体血が混じっている。

問題4
正しいのはどれか。2つ選べ。
a 絨毛間腔は母体血が循環する。
b 脱落膜は胎児由来の組織である。
c 羊水量は胎児腎機能と関連する。
d 胎盤の構造は妊娠24週で完成する。
e 胎盤重量は妊娠末期で平均800gである。

****** 正解

問題1
a. 右心室には上半身に酸素供給をし終えた血液が主に流入するため、酸素分圧は低い。
b. 動脈管内の血液は、右心室から肺動脈を経ており、酸素分圧は低い。
c. 上行大動脈には、比較的酸素飽和度の高い下大静脈由来の動静脈混合血が流れる。
d. 下行大動脈には動脈管からの血液が流入し、上行大動脈よりも酸素分圧は低下する。
e. 静脈管内には、臍帯静脈由来の純粋な動脈血が流れている。
正解:e

問題2
a. 臍動脈は2本、臍静脈は1本である。
b. Arantius静脈管は、臍静脈の血液(動脈血)を下大静脈へ流入させる。
c. 卵円孔があるのは左房と右房の間である。
d. 胎児循環では、肺循環へ血液を送る必要がないので、右室の拍出量の大部分は動脈管を通る。
e. 酸素濃度が最も高いのは、臍静脈、Arantius静脈管および肝分枝の血液である。
正解:b、d

問題3
a. 上大静脈から右心房に流入した血液の多くは卵円孔を通過せず右心室へ入る。下大静脈から右心房に流入した血液の多くは卵円孔を通過して左心房に流れる。
d. 臍帯動脈は胎児の内腸骨動脈の分枝であり、胎児より胎盤に向かって血液が流れる。
e. 絨毛間腔には母体血が流れており、母体血と胎児血が混合することはない。
正解:b、c

問題4
a. 絨毛間腔は母体血で満たされている。
b. 脱落膜は母体の子宮内膜由来である。
c. 胎児腎からの尿産生と胎児の嚥下で羊水量は調節されている。
d. 胎盤の構造は妊娠14~16週で完成する。
e. 胎盤重量は妊娠末期で約500gである。
正解:a、c


大気や飲食物の軽度放射性物質汚染について心配しておられる妊娠・授乳中女性へのご案内【日本産科婦人科学

2011年04月27日 | 東北地方太平洋沖地震

****** 日本産科婦人科学会ホームページより

http://www.jsog.or.jp/news/pdf/Q&A_20110418.pdf

大気や飲食物の軽度放射性物質汚染について心配しておられる妊娠・授乳中女性のためのQ&A

平成23 年4 月18 日
日本産科婦人科学会

Q1. 「放射性ヨウ素」って何ですか?
A1.原子力発電所などの事故の場合に大気中などに放出される放射能活性を持った極めて小さなチリのようなものです。

Q2. 「内部被曝」って何ですか?
A2. 大気中にばらまかれた放射性ヨウ素は、時間をかけて地上に降りて来ます。その間に体の表面から受ける放射能被曝を外部被曝と言います。この外部被曝が大量だと、やけどや体内の臓器障害が起こります。一方、この細かな放射性ヨウ素は吸気ともに肺から体の中に、また地上に降りた放射性ヨウ素は食べ物表面に付着したり水道水に混入し、飲食物として体の中に入ってきます。体の中に入った放射性ヨウ素は少量でも近くにある臓器を攻撃しますので健康被害を引き起こす可能性があります。これを内部被曝と言います。

Q3.内部被曝を受けるとどんなことが起こりますか?
A3. いったん、体の中に入ったヨウ素(I-131)は甲状腺に集まりやすいという性質があります。そのため、甲状腺が最も被害を受けやすくなります。甲状腺が50mSv (ミリシーベルト) 以上の被曝を受けると甲状腺がんになりやすくなります。ただし、40 歳以上では影響を受けず、若い人ほど甲状腺がんになりやすいとされています。また、被曝により起こった甲状腺がんは比較的穏やかながん(進行がゆっくり)と言われています。

Q4.内部被曝を避けるためにはどんな注意が必要ですか?
A4.最も影響を受けやすい甲状腺を守ることは体全体を守ることになります。そのため多くの国で、水や食べ物について、甲状腺を守るための(安全に食べることができる)基準値(1kg に含まれるベクレル基準値)を示しています。日本では外国よりもむしろ厳しい(より安全な)基準値を示しています。そのため、実際には、水道水や流通している食品を摂取しているかぎり健康被害の心配はないと考えられています。しかし、妊娠・授乳婦人は用心に越したことはありません。繰り返しになりますが、甲状腺が50mSv の被曝を受けると健康被害の心配がでてきます。

Q5. 胎児(お腹の中の赤ちゃん)を守るための食事の注意は?
A5. 胎児の甲状腺はお母さんの甲状腺より影響を受けやすいので、妊娠してない成人より、お母さんはより安全でバランスのいい食事が必要です。水が汚染されている場合には、野菜なども汚染されていることが多く、また今回の場合は魚介類の汚染も心配です。しかし、本人の健康維持、胎児(お腹の中の赤ちゃんのこと)、ならびに授乳のためにはバランスのいい食事が必要です。下表の組み合わせの飲食は最大危険時を想定したものですが、毎日続けた場合、約82 日間で胎児甲状腺の被曝は50mSv になります。現在のところ入手できる食品にはほとんど汚染がなく、水道水汚染もありません。しかし、爆発など起きるとまた汚染が心配されますので、報道等にはご注意下さい。

最大危険時を想定した食事内容(*1.0 キログラムあたり)と摂取ベクレル
水道水 100 ベクレル* 1.6 リットル 160?
野菜 2000 ベクレル* 300 グラム 600?
牛乳 200 ベクレル* 200 ミリリットル 40?
チーズ 200 ベクレル* 50 グラム 10?
魚介類 2000 ベクレル* 100 グラム 200?
肉・卵・その他 200 ベクレル* 500 グラム 100?
穀類 200 ベクレル* 300 グラム 60?
1 日あたりの飲食による総ベクレル 1170?
摂取したベクレルの総量に0.00047 をかけると胎児甲状腺被曝量(mSv)になります。
摂取したベクレルの総量に0.00032 をかけると母体甲状腺被曝量(mSv)になります。

1 日に1170 ベクレル摂取すると、胎児甲状腺被曝は1 日あたり0.55mSv となり、82 日で45mSvになる(残り5mSv の被曝は母親の大気から暴露を想定している)。計50mSv の被曝を受ける場合、水から11.1mSv、野菜から11.1mSv、乳製品から11.1mSv、その他の食品(穀類、肉、魚介、卵など)と大気から16.7mSv の被曝を受けることを想定している。

Q6. 粉ミルクを飲んでる赤ちゃんは安心ですか?
A6. 粉ミルクを汚染した水道水で溶かして飲ませた場合の話です。仮にその水道水が1 リットルあたり100 ベクレル含み、毎日0.8 リットル(800 ミリリットル)その赤ちゃんが飲み続けた場合、200 日で赤ちゃんの甲状腺被曝量は50mSv に達します。(乳児の場合には摂取ベクレルに0.0028 をかけると乳児甲状腺被曝量になる。例えばこの場合、1 日あたり80 ベクレル飲むので、200 日では 80×200×0.0028=45mSv, 残り5mSv は乳児が呼吸により被曝することを想定している)。

Q7. その他、被曝量を少なくするための注意はありますか?
Q7. 野菜や魚介類表面には放射性ヨウ素が付着している場合がありますので、よく洗ってから調理するようにします。もし、水道水汚染の発表があった場合には、1 日~2 日間、冷蔵庫保存してから飲むと、放射能を9%~18%程度減少させることができます。ただし、2 日以上保存した場合は細菌が増えている場合がありますので、一旦沸かしてから飲むようにすると安心です。

****** 日本産科婦人科学会ホームページより

http://www.jsog.or.jp/news/pdf/announce_20110418.pdf

大気や飲食物の軽度放射性物質汚染について心配しておられる妊娠・授乳中女性へのご案内(続報)

平成23 年4 月18 日
日本産科婦人科学会

 放射性物質による軽度汚染の長期化が懸念されています。この場合には特に軽度汚染飲料水や食物を長期間摂取することによる体内での被曝(内部被曝)が心配されます。この点について比較的よく研究されているヨウ素(I-131)について学会の見解を示します。ただし現在のところ、ヨウ素(I-131)による大気汚染は減少し続けており、ほんの一部の地域を除いてヨウ素(I-131)による水道水汚染はありません。ヨウ素(I-131)を一気に噴出するような新たな爆発が起こらないかぎり、ヨウ素(I-131)を含んだ水道水や野菜による健康被害を心配する必要はなさそうです。ただし、ヨウ素(I-131)による海洋汚染は現在も持続しています。今後の海水汚染の動向には注意が必要です。

 以下に示す例は、最大危険時等を想定した、連日、比較的高いベクレルを含んだ飲食物を摂取するとした場合であり、現実的には3 月15 日にあったような爆発(放射性ヨウ素を一度に大量噴出した)が繰り返されなければ、起こらない場面を想定しています。(最大危険時を想定した食事内容とその時の被曝量を末尾に表示しています)

1. 内部被曝について
 飲食物として摂取されたヨウ素(I-131)は甲状腺に集まりやすいという性質があります。そのため、甲状腺は摂取されたヨウ素(I-131)量に応じて他の臓器より実質的に高い放射能にさらされることになります。甲状腺の被曝量(mSv, ミリシーベルト)と摂取したベクレルとの関係は以下のように計算されます。
 甲状腺への集まり易さを加味した計算式です。

大人の場合:ベクレル量×0.00032
乳児の場合:ベクレル量×0.0028
胎児の場合:ベクレル量×0.00047 (ここのベクレルは母親の摂取量)

 例えば、成人が1 リットルあたり100 ベクレルの水を毎日1.0 リットル、100日間飲み続けた場合、摂取総ベクレルは100×1.0×100=10,000 ベクレルとなり、その間の甲状腺被曝量は10,000×0.00032=3.2mSv (ミリシーベルト)となります。

 乳児の場合に、1 リットルあたり100 ベクレルの水で溶かした粉ミルクを連日0.8 リットル(800 ミリリットル、あるいは800 cc)、100 日間飲み続けた場合、摂取総ベクレルは100×0.8×100=8,000 ベクレルとなり、その間の乳児甲状腺被曝量は8,000×0.0028=22.4mSv (ミリシーベルト)となります。
 
 胎児の場合、母親が1 リットルあたり100 ベクレルの水を毎日1.0 リットル、100 日間飲み続けた場合、胎児甲状腺被曝量は10,000×0.00047=4.7mSv (ミリシーベルト)となります。

2. 安全な甲状腺被曝量について
 安全を見込んで、許容される年間あたりのヨウ素(I-131)による総甲状腺被曝量は成人、乳児、ならびに胎児を含め50mSv とされています。ここでは、50mSvのうち、水から11.1mSv、野菜から11.1mSv、乳製品から11.1mSv、その他の食品から11.7mSv、大気から5mSv 摂取すると仮定します。

3. 成人が安全に飲むことのできる水の量について
 年間に許容される飲料水からの総ベクレルは11.1(mSv)÷0.00032=34,688 ベクレルです。1 日、1 リットルあたり100 ベクレルの水を1.0 リットル連日のみ続けた場合、347 日で安全を見込んだ11.1mSv に達することになります。

4. 妊娠婦人が安全に飲むことのできる水の量について (胎児の安全を加味して)妊娠婦人がヨウ素(I-131)を摂取した場合、ヨウ素(I-131)は母親甲状腺より胎児甲状腺に、より集まりやすくなります。したがって、胎児の安全を加味した場合、妊娠婦人が安心して飲める水の量は他の成人に比べて、約30%ほど少ない量となります。1 日、1 リットルあたり100 ベクレルの水を1.0 リットル連日のみ続けた場合、約236 日で母親の飲水による胎児甲状腺被曝量は11.1mSvに達することになります (100 ベクレル×0.00047×236=11.1mSv)。

5. 粉ミルク栄養の乳児の場合
 仮に栄養のすべてを粉ミルク(汚染されていないと仮定)から摂取している乳児の場合、野菜などからの摂取はありませんので、粉ミルク(軽度汚染飲料水で溶かした)からの甲状腺被曝量は45mSv 程度まで許容されます。その場合、年間に許容される粉ミルクからの総ベクレルは45÷0.0028=16,071 となります。1 リットルあたり100 ベクレル含む水で溶かしたミルクを0.8 リットル連日のみ続けた場合、200 日で安全を見込んだ乳児甲状腺被曝量45mSv に達することになります。

6. 野菜からのヨウ素(I-131)摂取について
 年間に許容される野菜類からのヨウ素(I-131)による甲状腺被曝量は11.1mSvとされています。これは野菜に含まれる総ベクレル34,688 ベクレルに相当します。仮に1.0kg あたり2,000 ベクレル含んだ野菜を連日、300g(1,000g=1.0kg)食べ続けた場合、58 日間でこの量に達します。ただし、野菜が含んでいるベクレル値は出荷当時の数値ですので、1 日あたり1 日前の値(ベクレル)に比してベクレルは約9%減少し、また水洗いによりかなり減少するので、実際には、もっと長期間安心して食べることができます。ただし、土壌汚染により野菜内に取り込まれたヨウ素(I-131)については洗い流すことはできません。

7. 魚介類などからのヨウ素(I-131)摂取について
 年間に許容される肉、魚介類、穀類(水、野菜、乳製品以外から)からのヨウ素(I-131)による甲状腺被曝量は11.7mSv 程度とされます。これは、36,563ベクレルに相当します。仮に1.0kg あたり1,000 ベクレル含んだ魚介類100g と1.0kg あたり200 ベクレル含んだ穀類を連日300g 食べ続けた場合、毎日160ベクレル摂取することになり、229 日間でこの量に達します。ただし、これらが含んでいるベクレル値は出荷当時の数値ですので、1 日あたり1 日前の値(ベクレル)に比してベクレルは約9%減少します(8 日間で半分になります)。また魚介類は水洗いにより表面に付着したヨウ素(I-131)は減少します。

8. バランスを考えた食物摂取について
 以上の計算は、水、野菜、乳製品、魚介類を含むその他の食品や大気のすべてが一定以上汚染されたものしか入手できない場合を想定しての計算です。現在のように大気汚染も軽度で水道水汚染もない環境下では、飲料水と空気からの被曝がわずかなので、汚染の可能性を心配し魚介類や乳製品を遠ざけるといった食行動はかえって健康維持のうえで問題となる可能性があります。日本では野菜、乳製品、魚介類の出荷に関して厳しい基準値が設定されています。バランスのいい食事をお勧めします。参考として、最大危険時を想定した場合の食事内容について末尾に表示します。

9. ヨウ素(I-131)の半減期について
 放射能活性を持ったヨウ素(I-131)の半減期は8 日間です。例えば、1 リットルあたり100 ベクレルの活性を持ったヨウ素を含んでいる飲料水の場合、8 日間放置すると、放射能活性が半分の50 ベクレルになります。腐らないよう冷暗所(暗くて寒い所、例えば冷蔵庫の中に)に24 時間保存すると前日のベクレル量から9%ほど低いベクレル量となります。しかし、水道水中の消毒剤の効果も時間とともに切れてきますので、長期間の保存はお勧めできません。長期間保存した水道水は一旦沸騰してから飲むことをお勧めします(殺菌するためです)。

参考
最大危険時を想定した1 日の食事内容(*/kg)と摂取ベクレル
水道水 100 ベクレル* 1.6 リットル 160?
野菜 2000 ベクレル* 300 グラム 600?
牛乳 200 ベクレル* 200 ミリリットル 40?
チーズ 200 ベクレル* 50 グラム 10?
魚介類 2000 ベクレル* 100 グラム 200?
肉・卵・その他 200 ベクレル* 500 グラム 100?
穀類 200 ベクレル* 300 グラム 60?
この場合の1 日あたりの飲食による総ベクレル 1170?
摂取したベクレルの総量に0.00047 をかけると胎児甲状腺被曝量(mSv)になる。
摂取したベクレルの総量に0.00032 をかけると母体甲状腺被曝量(mSv)になる。
仮に1 日に1170 ベクレル摂取すると、胎児甲状腺被曝は1 日あたり0.55mSv となり、82 日間で45mSv になる(残り5mSv の被曝は母親の大気から暴露を想定している)。

このお知らせを作成するにあたり、参考にした書物等は以下のとおりです。ここで示した数値が他の情報からの数値と少し異なる場合がありますが、その違いはあまり大きいものではなく、根拠となる研究報告やどの程度安全性を見込むかによって起こる数値の違いですのでご安心下さい。

1. Guidance: Potassium iodide as a thyroid blocking agent in radiation emergencies. US Department of Health and Human Services, Food and Drug Administration, Center for Drug Evaluation and Research (CDER), December 2001 Procedural

2. Phipps AW, Smith TJ, Fell TP, Harrison JD. Part 1:Doses received in utero and from activity present at birth in Doses to the embryo/fetus and neonate from intakes of radionuclides by the mother. Contract Research Report 397/2001

3. 原子力災害時における安定ヨウ素剤予防服用の考え方について. 平成14 年4 月、原子力安全委員会、原子力施設等防災専門部会

4. 「放射性物質に関する緊急とりまとめ」2011 年3 月、食品安全委員会

5. 緊急時における食品の放射能測定マニュアル. 平成14 年3 月、厚生労働省医薬局食品保健部監視安全課


松尾城址公園(飯田市)の桜

2011年04月25日 | 南信州観光名所めぐり

信濃松尾城は中世の山城(信濃守護職を争った松尾小笠原氏の居城)で、現在、本の丸、二の丸などが松尾城址公園(飯田市松尾)として整備されてます。桜の満開時期は4月中旬でした。

2011年4月16日撮影

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風越(かざこし)公園の桜とモクレン

2011年04月22日 | 南信州観光名所めぐり

飯田創造館は、明治、大正、昭和と多くの卒業生を送り出した飯田高等女学校、飯田風越高等学校の校舎跡で、周辺は公園になってます。先週末に散歩した時は桜とモクレンが見頃でした。

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黄梅院のシダレザクラ

2011年04月16日 | 南信州観光名所めぐり

黄梅院の桜は今朝行った時にはまだ満開でしたが、夕方もう一度行ってみたらほとんど葉桜になってました。散る時は本当にあっという間です。朝のうちに行っておいてよかったと思いました。

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黄梅院(おうばいいん)のシダレザクラ

品種:シダレザクラ 樹齢推定:四百年
目通り周囲5.1メートル 樹高16メートル

古枝に代わって更新された枝は形の良い樹冠をつくり、紅梅を思わせるような赤みの濃い花をつける名木である。曹洞宗青松山黄梅院の境内にあり、往古島田村(現飯田市松尾)に開基され天正十年(1582)現在地に移され、その頃植栽されたと推定される。

飯田観光協会

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専照寺のシダレザクラ

2011年04月16日 | 南信州観光名所めぐり

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専照寺(せんしょうじ)のシダレザクラ

品種:シダレザクラ 樹齢推定:四百年
目通り周囲:4.5メートル 樹高:10メートル

老木の幹の樹勢は衰えているが、毎年樹下の釈迦牟尼仏の頭上を天蓋で飾るように咲き誇っている。曹洞宗白竜山専照寺の境内にあり、慶長九年(1604)城主小笠原氏の帰依により現在地に移転され、その時に植栽されたと推定される。

飯田観光協会

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長姫のエドヒガン(安富桜)

2011年04月13日 | 南信州観光名所めぐり

今朝も早起きをし、安富桜(飯田市美術博物館庭にある県指定天然記念物でもある古木の名木)を見てきました。桜の木の周囲を一周していろいろなアングルから撮影しましたが、撮影中に転倒して前頭部を地面の石で強打し、前額部に比較的大きな皮下血腫ができました。脳外科の先生に相談して念のために脳CT を撮ってもらいましたが、頭蓋骨骨折や頭蓋内出血などの所見はなく、とりあえずは経過観察でいいようです。何とか仕事も普通にできそうです。

****** 追記(2011/04/15)

右前額部の皮下血<wbr></wbr>腫はだんだん境界不明瞭になり小さくなってきまし<wbr></wbr>たが、周囲に拡散し右瞼が腫脹し紫色になってきてやや<wbr></wbr>開眼しにくくなってきました。一昨日、昨日と手術を5件<wbr></wbr>実施し、ほぼ終日手術室内にこもりきりでしたが、特に支<wbr></wbr>障はありませんでした。今のところ太極拳も以前と同様の<wbr></wbr>動作ができてますので、明らかな神経症状は出現してません。<wbr></wbr>今日は外来日で人前にでなければならないので、手術帽<wbr></wbr>を深くかぶってコブを隠した方がいいと思ってま<wbr></wbr>す。脳外科の先生がおっしゃるには、頭部正中線上や側頭<wbr></wbr>部だと血管豊富で急性硬膜下血腫を発症して緊急手術が必要になる場合が多いが、今回はそ<wbr></wbr>の中間の血管の少ない部位だったので、打ちどころとしては<wbr></wbr>非常に運が良かったんだそうです。ただし、これから慢性硬膜下血腫が発症する可能性はあるので、麻痺症状が出現したり、言動が変になってきたら、すぐに脳CTを撮る必要があると言われました。定年までの8年間は不意のアクシデントで仕事に大きな穴を<wbr></wbr>あけないように、今後は十分に気を付けていきたいと思います。

健康第一です。皆様もお体大切になさって下さい。

******

長野県天然記念物 
長姫(おさひめ)のエドヒガン 安富(やすとみ)桜

 品種 エドヒガン   樹齢推定 四五〇年以上 
 目通り周囲 六・四m  樹高 二〇m 

幹と根張りが雄々しく均整のとれた樹形は古木の風格を持ち、エドヒガンの特性がよく現れた県下の名木である。俗に安富桜と呼称されるのは、この地が飯田城主代々の家老安富氏の邸址であったためであり、初代藩主堀親昌入部寛文十二年(一六七二)の時植栽されたものと推定される。                         

 飯田観光協会 

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大宮通り桜並木(飯田市)

2011年04月12日 | 南信州観光名所めぐり

今朝は早起きして、飯田市の大宮通り(市街地にある約八百メートルの桜並木)を散歩しました。ちょうど満開の見頃で桜の花のトンネルができてましたが、早朝でほとんど誰もみかけませんでした。

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南相馬市長からのメッセージ(You Tube)

2011年04月03日 | 東北地方太平洋沖地震

SOS from Mayor of Minami Soma City, next to the crippled Fukushima nuclear power plant, Japan

事故が発生した福島原発に隣接している相馬市の市長からの救援を求める声

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YouTube: SOS from Mayor of Minami Soma City, next to the crippled Fukushima nuclear power plant, Japan

Message from the Mayor of Minami-Soma City; filmed on March 24, 2011. The mayor himself talks of how the city lacks supplies and how there are no means to deliver the supplies to the citizens evacuating at home.

南相馬市長からのメッセージ(2011年3月24日撮影)。南相馬市では物資が不足していること、届いた物資を自宅退避している住民へ宅配する手段がないことなどについて、市長自ら切々と語ってます。

*****

This is Katsunobu Sakurai, the mayor of Minami-soma city.

The 3.11 earthquake and Tsunami, and series of developing accidents at Fukushima First Nuclear Power Plant has severely damaged our city.

I would like to thank all of those who have offered help, including overseas media.

However there are still substantial lack of supplies in this area, wich is 20-30km from the plant, for the government has set the measure to stay indoors.

And with the scarce information we can gather from the government or TEPCO, we are left isolated.

The people of Minami-soma city concluded and are practicing voluntary evacuation, and city administration is providing the support for this move.

The number of remaining citizen at the moment however is as much as 20.000.

We take full responsibility for livelihood support for these people. I regret to say, inspite of our effort, that we are facing the difficulty of even distributing necessary goods.

Please support us. The protection measure to stay indoors issued by the government restricted our logistics.

We ask for your help, volunteers, we need help to transport supplies, but we must depend on volunteers who could act at their own risk, because of the measures to remain indoors issued by the government.

Most media too, almost all, is gathering infomation over the phone. If they do not step in this area and get the direct infomation, they could never get or tell what really is the situaion with these people.

We would urge them to come here and witness what is developing here.

Since the measure to remain indoors has been taken, all the stores and supermarkets are shut down, the banks are closed, the people are literally drying up as if they are under starvation tactics.

And petrol is not enough, it is getting harder for us to evacuate. We would like to ask for gas and petroleum-based fuel as well.

We counted 14days from the earthquake, basic requisite materials are running short in the homes of remaining citizen.

But we do not have enough petrol to reach them. We ask for volunteers who could bring in the petrol.

Local officials are now fighting the threat of radiation, they have been working to protect the citizen in such a strain and exhaustion.

Some of them lost their family in the earthquake disaster, and some lost their houses. They are the backbones of the lives of the citizens.

I am hoping that the volunteers could share the burdens they are handling. Please give your support to get over this extream difficulty together.

MInami-soma city is in the district that holds 1,000 years of great Samurai tradition, namely Soma-Nomaoi-Festival.

It was totally beyond imagination, that the tsunami reached 20 meters high. It has washed the whole area of 20-by-2.5km land. All residences in that area was totally devastated.

Yet we could hardly get our hands on searching the missing. We have counted 253 bodies dead and 1,260 are missing, and now we are facing the nuclear power plant accident.

People in 10km reach from the nuclear plant evacuated, and in 20km reach evacuation is done, and here in 30km reach people are told to stay in the house.

Many people here are left without transportation. They can hardly get any supplies delivered to their homes.

We regret to say this, but we have to ask volunteers to act at their own risk.

What it means is that our outdoor activity is restricted under the government’s measure to stay indoors.

Fortunately in Minami-soma city is marking the relatively low level of radiation, considering it is only 25km away from the plant, 1.5 to 3.0 micro Sievert/hour at the moment.

While in some areas, more distant from the plant than here, the radiation detected is 3 times more or even 10 times.

The level of radioavtive materials in tap water is shifting at low level and it is far from “polluted”.

Before the contamination expands further, please give us your hand to help these people.

I, and local officials are here to protect lives of the citizen. Please help us through.

Furthermore, about 50,000 people have already evacuated from the city to all over the country. We have very little access to these people at the moment.

We must provide support to these people as well but for the time being we depend upn officials at local governments.

In fact we do not have the track of how many citizens evacuated where, it could be more than hundred places.

Please help to encourage them and keep them informed that we are unified, and doing all that is possible to help our citizen and to the reconstruction of the city.

I would like to ask medias of over the world for support, as well as reporting the earthquake and Tsunami disaster, that we are fighting against the invisible threat of radiation and contamination.

Here is my sincere request to you, from all over the world, I beg you as the mayor of Minami-soma city, to help us.

Helping each other is what makes us human being. I would like to ask for your continuous support. Thank you.

****** 南相馬市公式ホームページより

http://www.city.minamisoma.lg.jp/shinsai2/message.jsp 

市長からのメッセージ (最終更新日:平成23年3月29日)

南相馬市民の皆さんへ

 3 月11 日に起こった大地震と大津波によって、南相馬市は海岸沿いに暮らしている市民をはじめとして多くの市民が犠牲になりました。
 約1800 世帯が破壊され、今日現在、301 人が亡くなり、1180 人ほどが行方不明のままです。家族を亡 くしても捜索もままならない不幸な状況が続いています。
 その直接の原因は、地震、津波でありますが、それに追い打ちをかけたのが福島第一原子力発電所の事故と風評被害であり、そのために市民はチリジリバラバラになってしまいました。
 事故後、国からは、原発から20km圏外への退避指示(小高区と原町区の太田、大甕地区の一部)、20kmから30km圏内の市民(原町区と鹿島区の一部)は屋内退避の指示が出されました。(鹿島区の30km圏外も事実上同じ扱いです)
 南相馬市を離れて避難されている市民の皆さんも、自宅に残っている市民の皆さんもそれぞれ大変な苦痛を強いられる結果になりました。
 私は、南相馬市長として、東京電力、国、県に対し南相馬市民の命と暮らしを守ることを全責任で行ってもらうために全力で取り組んでまいります。
 マスコミ等を通じてこの窮状を全国に訴え伝え、国に方針の転換と生活再建に向けた対策をさせるべく奮闘しています。
 皆さんの苦痛なときが一刻も早く解消できるよう頑張ってまいりますので、今しばらくのご辛抱をお願いいたします。
 市民の皆さんのご健康を祈っています。

追伸
 今後とも市内の情報を発信して参ります。よろしくお願いいたします。

平成23年3月29日(火)