P34から引用
「たとえばさ、喋っている時にね、他の男の子はたいてい、自分のことばっかり喋って、聞いているこっちが退屈していても、気にしないんだってば。自分中心で。その点、由紀夫は、こっちの話を聞くでしょ。どんなことを話しても馬鹿にしたりしない。でも、私の話は馬鹿にするけど」
「その程度で、評価しないでくれよ」と由紀夫はのけぞりそうになった。
『いいか、女の子の前では自分の話ばかりするんじゃないぞ。相手の話をよく聞くんだ。悩みを口にされても、絶対に、自分の意見は言うな。とことん相手の話を聞いて、それは大変だね、と言ってあげればいい。聞きながらうなずくことも忘れるな』とは葵の言葉だった。子供の頃から、よく言い聞かされた。「絶対に自慢話はするな。自慢話ほどつまらないものはない」とも叩き込まれた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あまりにも自分の状況にタイムリーなセリフだったので、びっくり(苦笑)
伊坂さんは巧いなぁと思わずにはいられないお話でした。「四人の父親と同居している」という設定の旨みを、実に伊坂さんらしい角度から、ふんだんに書き出してくれているので、日常パートだけ、ず~っと読んでいかったです。
なので「このお父さんは、アノ人だよね」とか「あの展開から、この仲良しな終わりは、苦しいよね」といういう展開も、うん、受け入れてしまいました。新聞連載だったお話なので、いつもの伊坂さんのお話よりも、みっしり感のある文章のように感じました。
続編を読みたい気持ちになったんですが・・・いろいろなお話を書きたい伊坂さんは、書いてくれなさそう。
「たとえばさ、喋っている時にね、他の男の子はたいてい、自分のことばっかり喋って、聞いているこっちが退屈していても、気にしないんだってば。自分中心で。その点、由紀夫は、こっちの話を聞くでしょ。どんなことを話しても馬鹿にしたりしない。でも、私の話は馬鹿にするけど」
「その程度で、評価しないでくれよ」と由紀夫はのけぞりそうになった。
『いいか、女の子の前では自分の話ばかりするんじゃないぞ。相手の話をよく聞くんだ。悩みを口にされても、絶対に、自分の意見は言うな。とことん相手の話を聞いて、それは大変だね、と言ってあげればいい。聞きながらうなずくことも忘れるな』とは葵の言葉だった。子供の頃から、よく言い聞かされた。「絶対に自慢話はするな。自慢話ほどつまらないものはない」とも叩き込まれた。
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あまりにも自分の状況にタイムリーなセリフだったので、びっくり(苦笑)
伊坂さんは巧いなぁと思わずにはいられないお話でした。「四人の父親と同居している」という設定の旨みを、実に伊坂さんらしい角度から、ふんだんに書き出してくれているので、日常パートだけ、ず~っと読んでいかったです。
なので「このお父さんは、アノ人だよね」とか「あの展開から、この仲良しな終わりは、苦しいよね」といういう展開も、うん、受け入れてしまいました。新聞連載だったお話なので、いつもの伊坂さんのお話よりも、みっしり感のある文章のように感じました。
続編を読みたい気持ちになったんですが・・・いろいろなお話を書きたい伊坂さんは、書いてくれなさそう。